Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / SUPER GT 2013 / Round 7 News Index
  ひとつ前にもどる  
SUPER GT Round 7
開催日
2013年10月5日-6日
開催場所
オートポリス (大分県)
天 候
曇り
路 面
ドライ
決勝周回数
65周
(1Lap = 4,674m)
参加台数
39台
(ヨコハマタイヤ装着車 19台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
台風23号の沖縄への接近も伝えられる中、大分県のオートポリスで行われたSUPER GTの第7戦は雨模様の幕開けとなった。土曜日の午前9時から公式練習が始まると雨足が強まり、途中からは霧が立ちこめるなどしたため、セッションは長らく中断されることに。
結局再開されぬまま、午前11時に公式練習は終了となったが、そのまま断続的に激しく降り続けた雨と霧という悪天候により、なんと午後2時から予定されていた公式予選もキャンセルされ、日曜朝に順延。このため、「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」は予想外の1Dayレースの様相となった。
 
日曜には時折細かい霧雨はあったものの、基本的に天候は持ち直し、午前9時からひとりのドライバーによる25分間のアタックという、変則的な形での公式予選が行われた。
気温は20℃、路面温度は21℃という肌寒さの中、路面は黒く湿った箇所が多く残るダンプコンディションでのスタート。最初に行われたGT300では、インターミディエイトを装着してコースインしたマシンも走行を始めて間もなくピットに戻ってタイヤを交換。結局、全車がスリックタイヤでアタックをかけることとなった。
その結果、予想に反してレコードラッシュとなる中「S Road NDDP GT-R」を駆る星野一樹選手が1分47秒222をマークし、今季初ポールを獲得。「DIJON Racing IS GT-R」の千代勝正選手、「Exe Aston Martin」の安岡秀徒選手が2〜3番手につけ、ヨコハマタイヤ勢がトップ3を独占することになった。
 
GT300に続いて午前9時25分から行われたGT500の予選セッションでは、全車スタートからスリックタイヤでのコースインとなった。
しかし「WedsSport ADVAN SC430」のアンドレ・クート選手が「あまりにアンダーステアが強く、思うようにアタック出来なかった。難しい予選となってしまった」と振り返ったように、僅差の予選の攻防の中で「WedsSport ADVAN SC430」は1分39秒893をマークも14番手に。
同じく安田裕信選手がアタックした「D'station ADVAN GT-R」は1セット目のアタックで1分39秒877をマークし8番手となるが、2セット目に1分39秒012にタイムアップもライバル勢のタイムアップも激しく、結果的に11番手に留まることとなった。

午後2時、相変わらずの曇天下で迎えた決勝のスタート。まずはGT500では「D'station ADVAN GT-R」が安田選手、「WedsSport ADVAN SC430」がクート選手がそれぞれスタートドライバーを務めることとなった。
気温22℃、路面温度24℃と、やや気温が上昇する中で迎えた65周の決勝。各陣営ともに、充分な走り込みが出来ぬまま、さらに路面コンディションが出来上がっていない状態での決勝レースは、文字通りぶっつけ本番の戦いとなることが予想された。

GT500では、上位陣は比較的変動もなくスタート。「D'station ADVAN GT-R」11番手、「WedsSport ADVAN SC430」14番手と、2台のヨコハマタイヤユーザーも予選順位通りの周回が序盤続く。
しかし、5周目には7番手を走っていたマシンが一気にスローダウン。さらに密集した状況で前を追っていた「D'station ADVAN GT-R」安田選手は、目前の攻防の間にうまく位置取りを決め、6周目には9番手に。また、「WedsSport ADVAN SC430」クート選手もタイヤかすに苦しむライバル勢を後目に、じりじりとポジションを回復。こうした展開の中、11周目には「D'station ADVAN GT-R」は8番手、「WedsSport ADVAN SC430」は10番手と、そろってトップ10圏内に進出する。
 
しかし、決勝スタートのタイヤがコンディションと合わず、やや消耗の進んだ「D'station ADVAN GT-R」は8番手走行中の25周目にピットイン。ミハエル・クルム選手に交代すると同時に、ハード寄りのコンパウンドに履き替えることに。一方安定したペースで周回を重ねる「WedsSport ADVAN SC430」は、15周目の1コーナーで「KeePer TOM'S SC430」を捕らえ9番手とすると、小雨が降り始める中、上位陣のピットインを後目に31周目には3番手にまで躍進。上位進出に期待を抱かせる走りで33周目にピットインした「WedsSport ADVAN SC430」は、クート選手から荒聖治選手へとバトンを託す。
 
全車がピットを終えた36周目の段階で、「D'station ADVAN GT-R」は6番手に再浮上。「WedsSport ADVAN SC430」もベストタイムとなる1分42秒613をマークするなど順調な走りで10番手と、2台そろってのポイント獲得に期待が掛かったが、後半用に選んだタイヤがコンディションとマッチングしなかったか、荒選手はその後急速なペースダウンを強いられ、やむなく43周目に再度ピットへ。
レース後半、力強いペースで周回を重ねる「D'station ADVAN GT-R」のクルム選手は、上位のマシンと互角の走りを見せて一進一退の攻防を展開しながら5〜6番手で周回。57周目には「ウイダー モデューロ HSV-010」を捕らえて5番手とするも、惜しくも64周目に逆転を許し6番手に。結局ラストラップも懸命のプッシュを続けたクルム選手だったが、僅かコンマ5秒差で再逆転には届かず、6位でのチェッカーとなった。
なお、「WedsSport ADVAN SC430」は2度のピットインが響き、13位でのフィニッシュとなっている。
 
一方、GT300の決勝では、好スタートを切ったポールシッター「S Road NDDP GT-R」の佐々木大樹選手の背後に、オープニングラップに「Exe Aston Martin」の安岡選手が浮上。また、集団を巧みにかいくぐり、「GSR 初音ミク BMW」の片岡龍也選手が3周目には5番手に。さらに「IWASAKI OGT Racing GT-R」の岩崎祐貴選手が6番手で続く。
ペースに勝る「Exe Aston Martin」は、徐々に「S Road NDDP GT-R」を追いつめ、6周目には安岡選手が佐々木選手をオーバ―テイク。「Exe Aston Martin」はその勢いのまま、後続を引き離し続けていく。また勢いに乗る片岡選手も8周目には4番手に浮上。10周目には岩崎選手も5番手に上がり、ヨコハマタイヤ勢が上位を独占する展開となった。
 
この上位陣の中で、26周目と最もドライバー交代が早かったのは「GSR 初音ミク BMW」。
次の周には「S Road NDDP GT-R」もピットに入るが、給油に時間がかかったこともあり、代わって出た星野選手は谷口信輝選手の逆転を許してしまう。ここから必死に「GSR 初音ミク BMW」を追った「S Road NDDP GT-R」だったが、電気系トラブルにより37周目の最終コーナーで突然ストップ。無念のリタイアとなってしまう。
 
安岡選手が築いた大量のリードに守られた「Exe Aston Martin」は、左フロントのみのタイヤ交換に留め、ピットストップを短縮したことも奏功し加納政樹選手に交代してもトップをキープしていたが、そこに迫ってきたのが谷口選手。差はあっという間に詰まり、45周目の1コーナーでついに順位は逆転。「GSR 初音ミク BMW」がトップに躍り出た。
さらに、全車がピットを終えた段階で4番手には「OKINAWA-IMP SLS」が浮上。22周目に早々と竹内浩典選手から交代、着実に順位を上げて来た土屋武士選手は、50周目に「HANKOOK PORSCHE」をも捕らえて3番手に。これで、再びヨコハマタイヤ勢がトップ3を独占する。
 
その後快調に周回を重ね続けた「GSR 初音ミク BMW」は、唯一62周を走って前回の富士に続く2連勝。「Exe Aston Martin」と「OKINAWA-IMP SLS」のドライバーたちとともに表彰台でヨコハマタイヤのキャップを誇らしげに被っていた。また、6位には「IWASAKI OGT Racing GT-R」がつけた。
 
なお、今回の結果により、ランキングトップの「MUGEN CR-Z GT」に「GSR 初音ミク BMW」が8ポイント差にまで接近。また「OKINAWA-IMP SLS」にも王座獲得のチャンスが残されることとなった。
 
Driver's Voice
荒  聖 治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 13位】
僕のスティントでは最初につけたタイヤが合っていなかったのか、すぐに厳しい状況になってしまって。それで急遽ピットに入ることになったことが、後半はいい感じで走れただけに非常に痛かったですね。オートポリスには良い結果を狙っていただけに残念です。
もてぎも今日のような気温の低い中でのレースになると思いますし、みんなウエイトがなくなる中で、そう簡単に前には行けないかもしれませんが、持っている材料をフルに使っていいレースをしたいと思います。
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 6位】
予選で選択したタイヤが決勝に対してはソフトだと思っていたので、スタート前にそのあたりの状況は想定していました。場合によっては2ピットもあるかもしれないという中で決勝をスタートし、意外に他のタイヤメーカーのマシンも同様に苦しんでいて、GT300の周回遅れの状況にも助けられる形でうまく25周まで走ることができました。
後半のクルム選手には硬めのタイヤをチョイスしたのですが、とても粘り強く走ってくれて6位でのフィニッシュに。スピード的には4位あたりまでいけるほどのパフォーマンスがあったと思いますし、後半頑張ってくれたクルム選手に感謝です。
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
予選こそ8番手でしたが、前半のうちに片岡(龍也)選手が3番手に上がってくれたから、これは僕も頑張らなくてはと。素早いピットワークとアウトラップの頑張りで、絶対にトップのアストンマーチンはつかまえてやろうと思っていたんですが、まさに思い描いていたとおり、つかまえることができました。最後差を広げられたのはタイヤも良かったし、チームの人たちもいい仕事をしてくれたし、僕たちも完璧な走りができたから。
富士で勝ったから、オートポリスともてぎで3連勝なんて薄い希望は抱いていたけれど、今回勝つことだってすごく難しかったこと。この勝利によってランキングも上がったし、最後も勝ってチャンピオンも獲りたいですね。
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
今回はスケジュールが変則的で、タイヤ選択ができず、予選は苦しかったんですが、レースが始まってみると周りに対して、よりコンスタントに走れたのが大きかったですね。できるだけ前に離されず、もともとの作戦で早めにピットに入ったのですが、そのタイミングもいい結果を生み出す要素となったと思います。
ここまでは大きな差があって、チャンピオンは難しいと思っていましたが、一気に8ポイント差にまで詰められたからには、一番を目指したいですね。ただ、自力では決められない差でもあるのですが、自分たちの力を出し切れば大丈夫だと思っています。
安岡秀徒 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
誰が予想したでしょう、この結果を(笑)。
予選はインター(ミディエイト)で行けるなら、絶対ポールだと思っていたんですよ。だけど、乾いちゃって『5〜6番手かな』って思っていたんですが、3番手になれて。決勝も僕がスタートを担当して、1台をすぐ抜けたんですね。トップのGT-Rも追いつくのは可能だと思っていたんですが、意外にあっさり抜けたんで、その後はマイペースで行けるだけ行ってやろうと思って。
予選の時には左フロント(タイヤ)をけっこう使ったんで、とにかく使わないでリヤで走ろうと。そしたら案外リヤが落ちちゃって。当初は無交換も考えていたんですが、マージンもあるから左フロントだけ交換することにしました。ピットも今までで最速でしたし、後半を担当した加納(政樹)さんも安定したペースで走ってくれたので、こういう結果になったんでしょうね!
土屋武士 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
タイヤはすごく良かったですね。テストには来ていなかったから、今回初めて履くタイヤだったんですが。今回は自分たちのやれることをやって、ここまでドライバーのミスってないんですよね。戦略ミスこそ少しあったけれど、いい戦いがずっとできていて。
落ち着いてレースをできる環境ができているんで、今年の結果というのは環境がいいから。レース展開としては読みどおりというか、こうなったらいいなっていう、タイヤの判断にしてもうまくいきました。それに尽きますね、僕らはただ走っただけなので。
 
TOPICS
■「オートポリスに強いヨコハマタイヤ」を今年も実証した「GSR 初音ミク BMW」
  九州の地で積み重ねた連勝はこれで「7」に


谷口信輝選手と片岡龍也選手のドライブする「GSR 初音ミク BMW」がGT300で優勝を飾ったが、これでオートポリスにおけるヨコハマタイヤ勢は7連勝(通算9勝)を達成することとなった。

オートポリスのオープンは1990年で、SUPER GTより長い歴史を誇るサーキットながら、いわゆるビッグレースは'92年以来開催されていない。初めてGTレースが開催されたのは'99年で、この時はオールスター戦として行われた。シリーズの一戦として初めて開催されたのは2003年。同年以来、'10年にこそ開催されなかったが、今年でオートポリスのGTレースはちょうど10回目。

冒頭でヨコハマタイヤ勢が7連勝と紹介したが、敗れたのは'05年と'03年の2回のみで、オールスター戦も含めると9勝をマークしており、この九州の山岳コースとヨコハマタイヤの相性は抜群。来年は通算10勝目の期待もかかることとなった。


●オートポリスにおけるGT300ヨコハマタイヤ勢の全勝利

1999年 オールスター 小林且雄/谷川達也 スバル・インプレッサ
2004年 第6戦  山路慎一/井入宏之  マツダ・RX-7 (写真)
2006年 第8戦  高橋一穂/加藤寛規  紫電
2007年 第8戦  柴原眞介/黒澤治樹  ヴィーマック・408R
2008年 第8戦  青木孝行/藤井誠暢  日産・フェアレディZ
2009年 第8戦  田中哲也/平中克幸  フェラーリ・F430
2011年 第7戦  山野哲也/佐々木孝太  スバル・レガシィB4
2012年 第7戦  吉本大樹/星野一樹  アストンマーティン・V12ヴァンテージ
2013年 第7戦  谷口信輝/片岡龍也  BMW・Z4 GT3
 
ENGINEER VOICE
藤代秀一
土曜の悪天候により、予選〜決勝を日曜の1Dayで行うという変則的なスケジュールとなったわけですが、路面が出来ていない中での予選、そして決勝を戦う中で難しい部分があったかと思います。特に「D'station ADVAN GT-R」については、スタート時のタイヤが決勝では少し苦しく、安田選手は短めのスティントになりましたが、これは決勝序盤はどのタイヤメーカーさんでも似た状況だったようです。ただ、早めのピットインというチームの判断も的確だったと思いますし、クルム選手には安田選手とは異なる硬めのコンパウンドを選んだところ、クルム選手の好ドライブもあって、ずっとペースも安定していましたし、結果として6位入賞につながったと思います。

ただ、「WedsSport ADVAN SC430」については、序盤クート選手が頑張って長めのスティントをこなし、上位に進出して荒選手に交代したのですが、そこで硬めのタイヤを選択したものの、想定外に消耗が進んでしまい、もう一度ピットインしてタイヤを換えるという残念な状況となってしまいました。

一方GT300では2戦連続で表彰台を独占することが出来ました。連勝となった「GSR 初音ミク BMW」はもちろん、「Exe Aston Martin」の2位入賞は素晴らしかったと思います。なんとか最終戦までチャンピオンの可能性を残すことができてよかったですね。

1Dayレースとなり、各車満足にセットアップもできない中での戦いでしたし、コンディション的に持ち込んだタイヤの温度レンジとは違う状況でのレースでしたので、ユーザーの多くが難しい判断を強いられたと思いますが、その中でGT500、GT300ともにまずまずのパフォーマンスを示すことができたのではないかと。特にGT500では後半戦に向けて構造など新しく投入している部分の効果が出ているように思います。もちろんまだまだ足りない部分はありますので、最終戦もてぎに向けても頑張りたいですね。
ひとつ前にもどる