スポーツランドSUGOはパッシングポイントが少ない上に、GT500とGT300の速度差も小さくなってきていることから、まずは予選の順位がとても重要になってきます。
少ないなかでパッシングポイントとしては、最終コーナーからの立ち上がりでスリップにつけて、1コーナーで勝負を仕掛けるというパターンが定番になっていますので、予選一発のピークグリップはもちろんのこと、長い最終コーナーでファイナルラップまで安定してトラクションをかけていけるだけの耐久性も、タイヤにとっては重要なポイントとなってきます。
作戦としてはファーストスティントをソフト目、セカンドスティントをハード目にする、といった戦術も考えられるところですね。
また、気候については、例年梅雨明け前後の開催となるので、天候次第でコンディションが激変する難しい一戦です。現時点で予報を見る限り、残念ながら今年は安定した天気は望めそうもありませんね……。
セパンまでの3戦を終えて、残念ながらGT500は振るわない結果となってしまっています。こうした背景から、タイヤ開発についてはSUGO用というこよりは、現状の課題に対してアプローチしていくことが先決であると考えています。直前に行った鈴鹿サーキットでのGTAテストにおいては、現在考えている改善の方向性が間違っていないことを確認しました。
シリーズとしては今週のSUGOが折り返しとなりますが、巻き返しを図れるようにさらに開発を進めていきます。
GT300も激戦が続いていますが、こちらについても鈴鹿のテストで良い方向性を見出せました。早い段階でレースに反映できるようにして、戦績向上を図っていきたいと思っています。
日々進歩を続けるレーシングタイヤですが、実戦投入までには多くの人々の力が結集されています。今回は特に生産工場の協力もあって、通常では考えられないような短い期間でタイヤを準備して持ち込むことが出来ました。このタイヤのパフォーマンスをしっかりと見極め、後半戦での巻き返しに向けて開発に活かしていきます。
■使用するタイヤサイズ
(GT500) 330/710R18、330/710R17
(GT300) 330/710R19、330/680R18、300/680R18、330/.710R18、320/710R18、300/650R18、280/650R18