■直前の鈴鹿テストデータを反映させるべく、休日返上でレーシングタイヤを製造
工場スタッフの奮闘がGT500今季初ポイントに結実
激戦のGT500にあって、開幕以来苦しい戦いを続けて来た「D'station ADVAN GT-R」と「WedsSport
ADVAN SC430」。しかし、その2台がこのSUGOでともに入賞を果たした陰には、ヨコハマのレーシングタイヤ開発陣の努力はもちろん、工場スタッフたちのバックアップがあった。
今大会のSUGOに先駆けて、7月19〜20日には鈴鹿でオフィシャルテストが開催されたが、そこでは「GT500のドライ用タイヤに関してコンパウンド、構造の両面について新たなトライをした結果、予想通り非常に有効なものが見つかりました」というのはSUPER
GT用タイヤの開発総括を務めるヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナルのエンジニア・藤代秀一。
「しかし、SUGOまでの日にちがあまりにも短いためにタイヤの生産が間に合わず、当初は鈴鹿テストでのデータ等はSUGOには盛り込めないだろうと覚悟していました。7月20日の土曜に終わったテストの内容を盛り込もうとすると、通常なら急いでも8月1日の木〜金曜くらいにしかタイヤは出来上がってこないのです」
だが、鈴鹿で見つかった良い部分を100%は無理でも、少しでもSUGOで使いたい、という思いに生産部門のスタッフが応えてくれた。
「無理を承知で、生産に携わる工場管理課、技術課、製造1課など、3つのセクションの協力を仰ぎました。鈴鹿のデータをすぐに送り、このタイヤを作ってください、と。彼らが一所懸命休日返上で、突貫でタイヤを作ってくれたお陰で、なんと菅生への積み込み直前の水曜日には鈴鹿のデータを一部盛り込んだタイヤが間に合ったのです」
スタッフたちの頑張りにより、通常より1週間以上も短いスケジュールで出来上がったタイヤは、期待通りにSUGOでの「D'station
ADVAN GT-R」と「WedsSport ADVAN SC430」の初ポイント獲得につながった。
「頑張ってくれたスタッフたちに、良い報告が出来ます。きっと彼らも喜んでくれると思います」と藤代。
まだまだトップを目指すために越えるべき課題は多いが、ユーザーチームとドライバー、開発スタッフ、そして生産部門の頑張りが、見事にSUGOで結果として結実したのだった。