セパンサーキットでは例年、シーズンオフにテストを行っています。これは本番のレースに近いコンディションでテストが出来ることと、コースレイアウト的にも長いストレートと複合コーナーで構成されているので、タイヤの評価にも適しているといった理由からです。
ただ、気温と路面温度の高さは、タイヤにも人間にも、とても過酷です。しかも今年はこれまでの2戦を見てもわかるように、GT500/GT300の両クラスともに昨年比でタイムアップしており、セパンではタイヤにとってより厳しい状況になる事が予想されています。
また、天気も予報によると安定しない可能性があります。マレーシアの雨は「ドサッと降って、サッと止む」といったことが多いのですが、路面が乾くのも早いために単純にウェット性能だけを狙ったコンパウンドではなく、ある程度乾いていく路面にも対応出来るものを用意する必要があるでしょうね。
さて、先にも触れた高温対策ですが、これは人にも車にも必須です。タイヤにかかる負担は年々増してきていますが、そんな中でタイヤとしては高温で安定している事はもちろんですが、タイヤ自身がなるべくヒートアップしないような対策も必要になってきます。
そんな過酷なセパンですが、私たちヨコハマタイヤはこれまでに良い結果を残してきています。実力が伯仲した現在のSUPER
GTはどこが勝ってもおかしくないと思いますが、クラスを問わず今回のセパンは例年以上に厳しいレースになると予想しています。暑さに負けることなく安定したタイムを刻めるかがひとつのポイント、しっかりレースを走りきって上位でフィニッシュ出来るように頑張ります。
シリーズとして見た時には、このセパンで第3戦ということでカレンダーも中盤にさしかかろうとしています。これから夏を迎えることを考えると、タイヤとしてはタレを少なくすることが大切。しかし、第4戦のSUGOまでは、開幕戦の前に実施した富士でのテスト以降、7月に実施される鈴鹿までテストの機会がありません。そこで、今あるタイヤの中で何が出来るのかを見極めながら戦っていくことになります。
そして7月の鈴鹿でのテスト以降、大きく流れを変えられるように開発のスピードを加速させて行きたいと思っています。
■使用するタイヤサイズ
(GT500) 330/710R18、330/710R17
(GT300) 330/710R19、330/680R18、300/680R18、330/.710R18、320/710R18、300/650R18、280/650R18