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  ひとつ前にもどる  
SUPER GT Round 3
開催日
2013年6月15日-16日
開催場所
セパン・サーキット
(マレーシア)
天 候
曇り
路 面
ドライ
決勝周回数
54周
(1Lap = 5,543m)
参加台数
39台
(ヨコハマタイヤ装着車 19台)
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第2戦の富士から約1ヶ月半のインターバルを置いて迎えた「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」。南国マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われる、シリーズ唯一の海外戦だ。赤道に近いその立地から、毎年のように厳しい暑さがマシン、ドライバー、そしてタイヤに過酷な戦いを強いて来た。
しかし、今年は予選や決勝の開始時間を例年よりも遅らせるなどしたこともあり、比較的しのぎやすいコンディションでのレースとなった。

土曜の公式予選は、気温33℃、路面温度40℃と例年より涼しいコンディションとなる中、まずはGT300のQ1から行われたが、ここではヨコハマタイヤ勢最上位の3番手に「ラ・セーヌ ランボルギーニGT3」を駆る山内英輝選手が、また5番手に「マネパ ランボルギーニGT3」の青木孝行選手、8番手に「クリスタルクロコ ランボルギーニGT3」の山西康司選手がつけ、JLOC勢が好調。Q2では3台揃っての上位進出が期待された。

このセッションに続いてスタートしたGT500のQ1では、「WedsSport ADVAN SC430」がアンドレ・クート選手、「D'station ADVAN GT-R」がミハエル・クルム選手と、両陣営ともに外国人ドライバーにQ2進出を託す結果となったが、予想外に低い気温と路面温度にセットアップも相まって、狙ったような走りが出来ぬまま、「D'station ADVAN GT-R」は1分57秒245で14番手、「WedsSport ADVAN SC430」は1分57秒427の15番手でチェッカー。2台はともにQ2進出が叶わず、Q1敗退となってしまう。

午後5時10分に始まったGT300のQ2では、JLOC勢がタイヤの温存をはかったこともあり、「マネパ ランボルギーニGT3」の織戸学選手が、5番手につけるに留まる。これをヨコハマタイヤ勢で唯一上回ったのは「ENDLESS TAISAN PORSCHE」で、横溝直輝選手が4番手につけ、ディフェンディングチャンピオンが逆襲を誓うことに。なお、前回優勝の「Panasonic apr PRIUS GT」は、40kgものウエイトハンデが影響し、あと一歩のところでQ2進出ならず、決勝には14番手から挑むこととなった。

日曜のセパンは前日よりもやや南国らしい日差しが戻り、午前11時からのフリー走行の時点で既に路面温度は40℃を超える。この30分という短いセッションと、後に続いたサーキットサファリの時間帯を有効活用し、GT500、GT300ともに決勝への手応えをつかんだヨコハマタイヤ勢は、いよいよ決勝レースを迎えた。
決勝も例年より開始時間が遅くなり、フォーメイションラップのスタートは午後4時。この段階では気温33℃、路面温度42℃ながら、グリッド上では例年のような暑さも感じず、過ごしやすい中で54周のレースが始まった。

GT500では後方からのスタートとなったヨコハマタイヤ勢だが、「D'station ADVAN GT-R」はクルム選手、「WedsSport ADVAN SC430」はクート選手がスタートを担当。まずまずのスタートを見せた2台は、序盤から僅差での走行を続けながら前を行く「Epson HSV-010」を追って行く。
8周目に「ZENT CERUMO SC430」がアクシデントで後退したため、「D'station ADVAN GT-R」は13番手、「WedsSport ADVAN SC430」は14番手とポジションアップを果たすが、10周を過ぎたあたりから、じりじりと前との間隔が開き始めることに。
11周目にはクート選手がクルム選手をパスし、その順位を入れ替えた2台のヨコハマタイヤ勢だったが、安定したラップタイムを刻むものの、前とのギャップは徐々に拡大してしまう。

こうした苦しい展開の中、「WedsSport ADVAN SC430」は21周目にクート選手から荒聖治選手に交代。「D'station ADVAN GT-R」は3番手まで浮上した26周目にピットに入り、クルム選手から安田裕信選手にバトンが渡されることに。
これで「D'station ADVAN GT-R」14番手、「WedsSport ADVAN SC430」15番手となるも、31周目に「ZENT CERUMO SC430」が2度目のピットインをしたため、再び「D'station ADVAN GT-R」と「WedsSport ADVAN SC430」は13〜14番手に。さらに「D'station ADVAN GT-R」の安田選手は、2分00〜01秒の安定したラップを刻みつつ、「Epson HSV-010」とのギャップをどんどん詰めて行くが、惜しくも4秒差となったところでチェッカー。「D'station ADVAN GT-R」は13位でのフィニッシュとなった。

また、同様に「WedsSport ADVAN SC430」の荒選手も安定したラップを刻みつつ、このまま14番手でのフィニッシュかと思われたが、ラストラップにペースに勝る「ZENT CERUMO SC430」の逆転を許し、15位でのチェッカーとなった。

一方、GT300の決勝レースでは「ENDLESS TAISAN PORSCHE」の横溝選手こそスタートでひとつ順位を落とすも、絶妙のダッシュで「マネパ ランボルギーニGT3」の織戸選手が、オープニングラップのうちに3番手に浮上。そのままポジションをキープして22周目にピットに戻り、タイヤを4本換え、そして青木孝行選手に交代する。

ところが同じ周にピットに入った「MUGEN CR-Z GT」はリアタイヤ2本の交換に留めたばかりか、好燃費を活かして30秒足らずでピットを離れていったのに対し、青木選手がコースに戻るまでは、実に1分以上を要してしまう。トップの「ARTA CR-Z GT」もリヤ2本交換で37秒ほどの停止で済み、この2台はポジションを入れ替えたとはいえ、後続との差をより広げていた。

一方、「マネパ ランボルギーニGT3」も順位を落としたとはいえ、5番手で踏み留まり、青木選手がポジションをキープ。そして、6番手には「GSR初音ミクBMW」が予選こそ16番手ながら、片岡龍也選手の着実な追い上げ、そして素早いピットワークによって浮上。後半を担当した谷口信輝選手も、しっかりとポジションをキープし続けることとなった。

結局「マネパ ランボルギーニ GT3」、「GSR 初音ミク BMW」に次ぐ7位でゴールしたのは、黒澤治樹選手と黒澤翼選手の駆る「LEON SLS」。予選ではブレーキトラブルによって15番手に甘んじたものの、日曜朝のフリー走行で2番手につけた勢いそのままに、レースはきっちりまとめた格好。特に翼選手は、これが久々のレース参戦ながら、まったくブランクを感じさせない走りが光っていた。
 
Driver's Voice
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 13位】
終盤Epson HSV-010にかなり迫って行くことが出来ていたので、なんとかこの1台は抜いてやろうとプッシュしたのですが、向こうも意地を見せたのか、後少しのところで届きませんでした。予選ではコンディションとマシン、クルマのマッチングが今ひとつで苦戦してしまいましたが、決勝では決して良くはないけれど、ベストラップなどはそこそこ前のマシンに追いついて行けたので、次戦につながるレースが出来たんじゃないかと思います。
今は正直に言って苦戦しているし、何かチームと打開策を見つけて次戦のSUGOでは頑張りたいですね。
アンドレ・クート 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 15位】
レースは非常にハードなものとなってしまったね。序盤は前について行けたから良かったんだけれど、終盤の状況はとても我々にとってキツいものだった。しかし、こうした状況はフリープラクティスや予選を通じて似たようなもので、残念ながら我々は予選でも良いペースをつかむことが出来なかったし、決勝でも速さを見つけることが出来なかった。
ポイントを目指していただけに、とてもがっかりした週末となってしまったけれど、前を向いて次の菅生に臨まなければならない。そこでは状況が良くなることを期待しているよ。
織戸 学 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 5位】
単純に僕らのクルマとしては、タイヤのパフォーマンスはすごくあって。なぜか原因不明のフィーリングの悪化がちょっとあったけど、かなり序盤もいい感じで走ることが出来たんですが……。いかんせんピット時間が長く、そこが一番厳しかったところですね。
でも、タイヤ的にはすごく良かったけれど、トップの2台はタイヤというよりCR-Zというクルマの開発だよね、その強さだったと思います。ピットの長さはどうしようもなかったけれど、これからも作戦を考えて2本交換や無交換で行かないとレースにならないから、次のSUGOは作戦を切り替えて、いいレースをしたいと思います
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 6位】
リザルトを見ると上位を他社に獲られてしまって……。周囲もなのか、ウチだけなのか確かではないですが、今年に入ってしっくり来ていない部分もあるのかな、と。ただ、去年の比較でも決して落ちているわけではないので、そういう意味で他チームがレベルアップしている、と僕は思っています。
あとはこういう現実を受け入れた上で、今後のテストなり、いろいろやりながらヨコハマタイヤとも力を合わせて、さらなるレベルアップをしていかないと厳しいんじゃないかな、というふうに思っています。結局、自分たちの中で出来ることをやったけれど、ちょっと今のままでは、なかなか厳しいなというのが見えるレースでしたね。
 
TOPICS
■前戦富士でハイブリッド勢の初優勝を飾った「Panasonic apr PRIUS GT」
 嵯峨宏紀選手に聞く、そのドライブフィール


富士スピードウェイが舞台となった、第2戦のGT300で優勝を飾った「Panasonic apr PRIUS GT」。今回のセパンでは予期せぬトラブルからリタイアとなってしまったが、そのマシンの最大の特徴はハイブリッドシステムを備えることで、昨年のデビュー以来、着実に進化を遂げてきた。
同じハイブリッドGTで、しかもライバルメーカーのタイヤを装着する「CR-Z」勢に先駆けて勝ったことにより、この上もない喜びと感動を、ドライバーのみならずプロジェクトに関わったスタッフ全員が味わえたに違いない。

近頃ではモーターのアシストによってストレートも速い、ともっぱらの評判。もとよりJAF GT車両とあって旋回速度の高さに定評があっただけに、今や鬼に金棒の状態か。
ともあれ、このハイブリッドシステムを手なずけるのは、そう容易くないことのように思えてしまうが、実際にはそうではないという。そこでベテラン新田守男選手とともに、「Panasonic apr PRIUS GT」をデビュー以来ドライブする、嵯峨宏紀選手にその扱い方をレクチャーしてもらうこととした。

「ハイブリッドだからといって、何か特別なことは何もなく、このクルマだけにあるものはステアリングの右下側にある黒いダイヤル、それと左上側の赤いボタンだけなんです。その他のスイッチなどは、以前僕らが乗っていたカローラGTのものを踏襲していますし、操作系としては同じものがついています。ちなみに黒いダイヤルはハイブリッドのマップを変更する際に使い、赤いボタンはハイブリッドのアシストを得たい時に押すんです。
そんなハイブリッドの応用法ですが、通常は電気を貯めて、使って、貯めて、使って……、というのを繰り返しているんですが、たとえば予選の1周だけアタックする時の前のアウトラップなどはモーターで充電だけをして、アタックラップの時にパワーを出すようにするとか。まぁ、そのあたりをマップで調整するわけです」

マップ調整以外の操作、純粋なドライビングの違いに関してはどうなのだろう?

「回生ブレーキなので、基本的にリアの制動に関してはブレーキローターによる普通の油圧制動に加え、モーターの回生による制動、これがふたつ合わさっていますので、普通のクルマとはブレーキの効き方が若干違います。例えば、回生をたくさんしている時は回生ブレーキが強く効くので、回生を入れている時とそうでない時ではブレーキバランスが違ってきてしまいます。
だから、このクルマの油圧ブレーキだけで言うと、リヤは回生分が入っているからフロント寄りにしてバランスを取っています。そのためモーターが機能しなくなってしまうと、急にフロントブレーキばかり強くなってしまいますが、だからといって危険な状態にまで陥ることはないですね」

ところで噂では、かなりモーターのアシストがあると言われているが、実際にはどれほどのパワーフィールを感じるのだろう?

「このクルマのハイブリッドなしで走ったのは昨年のセパンだけで、それ以降は慣れてしまって今では分かりにくいんですが、ない時より明らかにあるっていう感覚がひとつと、アタックの時にマップを変更するとシフトアップが少し早くなったり、クルマが押されたりするような感覚はあります。実際、体感できるレベルにはありますよ!」

半ば控えめに嵯峨選手は語っているようだが、それでも頼もしい武器であるのは明らか。今後、より進化させることによってヨコハマタイヤ勢の勝利をひとつでも増やしてくれることを、期待せずにはいられない。
 
ENGINEER VOICE
今回のセパンに向けては、GT500ではオフシーズン中に行ったのセパンでのテストのデータに岡山、富士の2戦の結果を加味してタイヤを用意してきました。
構造に関しては、「WedsSport ADVAN SC430」は前回富士と同様ですが、「D'station ADVAN GT-R」には一部見直したものを準備しました。テストでの他社メーカーのレースラップの安定度が際立っていましたので、今回はその後の開発の中で、どれだけその差が縮まったのか、あるいは広がったのかといったところを見極める良いチャンスでした。

しかし、予選では予想外に涼しい路気温となった上、セットアップ等も合わせ込みが今ひとつだったのか、厳しい結果となりました。そこから挽回すべく、決勝に臨んだのですが、やはりそこでのレースラップも、上位陣に比べると1秒ほどの差が見受けられる状況で、まだまだ大きな課題があるなと感じました。
結果の面でもポイントに届かず、非常に悔しい思いをしましたが、効果のありそうな部分も見つけられたので、そういう部分での収穫はありました。ただ、次戦SUGOの前に鈴鹿でタイヤテストがあるのですが、レースウィークまでに日数がなく、テスト結果をSUGOのタイヤに反映出来ないのが残念です。しかしSUGOも精一杯戦うしかないと考えています。

一方GT300では、JAF GT勢が速いだろうという想定はしてきたのですが、本当にその通りの結果となってしまいました。しかも、上2台のCR-Zはフロントタイヤを交換せずに、あのペースで走り切ったのですから、我々も気を引き締め直さないと。
GT300はGT500よりは安定していたとは思いますが、やはり予選で上位に行けるような一発の出るタイヤという課題を突き詰めて行かなければならないなと感じました
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