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WTCC Round 17&18
開催日
2012年9月21日〜23日
開催場所
ソノマ (アメリカ)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 13周
第2レース : 15周
(1周 = 4,032m)
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およそ2ヶ月の夏休みを経て、2012年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)はカレンダーが再び始動した。後半4大会では2大会が初開催コースとなるが、第17戦&第18戦の舞台はアメリカ・カリフォルニア州のソノマレースウェイ、2005年のWTCC発足以来初となるアメリカ大陸への上陸となる。

シボレー、さらに今季から加わったフォードにとっては、ともに故郷への凱旋レースともなるアメリカ戦。ソノマレースウェイはNASCARやインディも開催されるコースで、それぞれのカテゴリーに応じたレイアウトをとれるようになっているが、今回は4.032kmのフルコースで戦われることになる。

初開催ということもあり、金曜日にはテストセッションが設けられたソノマ。ここではバンブー・レーシングのアレックス・マクドワル選手(シボレー)がトップタイム、セアトを駆るペペ・オリオラ選手とフェルナンド・モンヘ選手が続いて、YOKOHAMAトロフィー勢がトップ3を占めた。

しかし土曜日になって様相は一変。1回目のフリー走行はシボレーのイヴァン・ミューラー選手がトップタイムを叩き出すと、フォード・フォーカスを駆るトム・チルトン選手が続いて、アメリカのファンを喜ばせるリザルトに。
これが2回目のフリー走行になるとトップタイムのガブリエレ・タルクィーニ選手にはじまり、3番手にティアゴ・モンテイロ選手、4番手はトム・ボードマン選手と、セアト勢が上位に名を連ね、勝負の行方を予想するのはとても難しくなっていく。

土曜日の午後にはいよいよ公式予選。QF1で上位12台を絞り込んでQF2へと進む流れだが、最終的にトップタイムをマークしたのは、初開催コースの勝率が高いシボレーのアラン・メニュ選手。2番手にはタルクィーニ選手が食い込み、3位のミューラー選手、4位のロブ・ハフ選手を抑えてシボレー勢による上位グリッドの独占を阻止した。マニュファクチャラー勢からはもう一人、ティアゴ・モンテイロ選手が7位に入った一方、5位のノルベルト・ミケリス選手を筆頭にYOKOHAMAトロフィー勢も6台がQF2への進出を果たす活躍ぶりを見せた。

日曜日、現地時間のお昼・12時20分にスタートを迎える第17戦。スタート時点の気温は28度、路面温度は32度のドライコンディション、朝から上空を覆っていた雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせ始めたことから、暑さも感じさせる陽気となっていた。
各車がグリッドにつくと上空にヘリコプターが現れ、そこからカラースモークを出しながらパラシュートでダイバーが降りてくるというアメリカらしい演出もある賑やかな中で、いよいよ初開催のアメリカ戦がスタートの時を迎えた。

メニュ選手を先頭にフォーメーションラップを終えた隊列は、レッドシグナル消灯と同時に上り勾配の第1ターンへ。しかし、さらに好スタートを切ったのがタルクィーニ選手、1ターン進入までにメニュ選手に並びかけ、そのままサイド・バイ・サイドで第2ターンにアプローチ。ところがここで両車は接触、タルクィーニ選手は第2ターンのアウト側にはじかれる形となり、5番手にポジションを下げてしまう。

さらにターン3では後方でも数台が接触やコースオフを喫したが、この区間にイエローフラッグが提示されるのみでセーフティカーの導入は無くレースは続行される。タルクィーニ選手が後退したことでトップ3はシボレー勢同士の戦いとなり、3周目には2番手のミューラー選手が、トップのメニュ選手を激しくプッシュするなど、テール・トゥ・ノーズの"ブルートレイン"がソノマのコースを駆けていく。

ところが4周目、トップを行くメニュ選手がターン3で若干挙動を乱す。路面は先程の各車のコースオフなどでややダスティであるが、メニュ選手のマシンは明らかにおかしな動きを見せ、ターン6でインからミューラー選手とハフ選手の先行を許してしまう。その後、メニュ選手のマシンはピットに戻され、ステアリングのトラブルによってリタイアを喫してしまった。

このままレースはミューラー選手をハフ選手が追う展開が終盤まで続く。13周のレース、ラスト2周あたりでのハフ選手の攻めに注目が集まるところだったが、12周目にストレート上の左端にトラブルを起こしたペペ・オリオラ選手のマシンがストップ、最終セクターがイエローコーション区間となってしまった。
そのような背景もあってハフ選手はミューラー選手にプレッシャーを与えるまでは至らず。ミューラー選手がアメリカ戦の初ウィナーとなり、今季9勝目を飾った。

YOKOHAMAトロフィーは、クラストップからスタートしたミケリス選手が、危なげない走りでマクドワル選手やフランツ・エングストラー選手らを寄せつけない独走ぶり。最終的には総合3位表彰台も獲得、ランキング争いでもリタイアしたオリオラ選手に対して、さらに得点差を17へと広げた。

第17戦が終わって、30分ほどの短いインターバルでスタートを迎える第18戦。第17戦のレーシングアクシデントでマシンにダメージを負ったアレクセイ・デュデュカロ選手(セアト)は、残念ながら修復叶わず第18戦のグリッドにつくことが出来なかった。

QF2のトップ10台をリバースグリッドで配する第18戦、ポールポジションについたのはステファノ・ディアステ選手。この後ろにメルディ・ベナニ選手、フランツ・エングストラー選手と続き、トップ3をスタンディングスタートを得意とするBMW勢が占める興味深い配置となった。

注目のスタート、レッドシグナル消灯と同時にめざましいロケットスタートを見せたのは、確かにFR(後輪駆動)のBMWだった。しかし、それはトップ3グリッドの中の一台ではなく、6番グリッドにつけていたノルベルト・ミケリス選手である。スタートと同時にアウト側にマシンを振ったミケリス選手は一気にマクドワル選手とモンテイロ選手をパス、ターン1で4番手に浮上する。

さらにその後方では7番手スタートのハフ選手と8番手スタートのミューラー選手、シボレー勢が猛追を開始、スタート早々にモンテイロ選手らをかわすと、1周目を終えずしてミケリス選手をもパスしていく。
対してポールポジションからスタートしたディアステ選手は、オープニングラップの後半でまさかの単独スピンからコースオフを喫してトップの座から陥落、代わってベナニ選手がレースリーダーとなる。

一方、タルクィーニ選手とモンテイロ選手はサイド・バイ・サイドでストレートを通過して2周目に入り、ターン1でモンテイロ選手がタルクィーニ選手をかわして6番手に浮上。しかしベテランの強さをモンテイロ選手は次の周で見せつけられることになり、一寸の隙をついてインを奪ったタルクィーニ選手が鮮やかにポジションを奪い返して行った。

さて、トップ争いはベナニ選手が先行していたが、なんと4周目に先程のディアステ選手と同様にベナニ選手もスピンを喫して後退。これで再びの繰り上がりでエングストラー選手がレースリーダーの座につき、ミューラー選手とハフ選手が追う展開となる。

6周目、ミューラー選手がターン6でエングストラー選手に襲いかかり、マシンをインに入れた。しかしここで接触が生じてエングストラー選手は押し出される格好でスピン、ミューラー選手とハフ選手が先行する。
その後、後方でベナニ選手がコースオフからストップしたためセーフティカーが導入されるが、この間にミューラー選手の行為に対する審議が行われ、ドライビングスルーペナルティの裁定が下って、ペナルティを消化したミューラー選手に替わりハフ選手がトップに立つ。

このまま後半はハフ選手がリードを保ち、追うミケリス選手やタルクィーニ選手を寄せつけずにチェッカーまでマシンを運び、ウィニングチェッカー。14位に沈んだミューラー選手に対して優勝のポイントを加算したハフ選手、ランキング争いは315点の同点でトップタイに並ぶことに成功した。

YOKOHAMAトロフィーは好スタートから安定したラップを刻んできたミケリス選手が、2戦連続の表彰台を獲得。第17戦からひとつ順位を上げて、堂々の総合2位でフィニッシュ、こちらもクラス6位のオリオラ選手に対して、さらに得点差を広げることに成功した。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第17戦 優勝/第18戦 14位】
今回、私のマシンは素晴らしい仕上がりで、良い仕事をしてくれたチームに感謝しています。
ソノマでは第1コーナーがポイントになると思っていました。そしてメニュ選手とタルクィーニ選手は、まさにその1コーナーで接触しましたが、私はタルクィーニ選手を追い抜く機会を得ることになりました。その後、メニュ選手はマシントラブルに襲われましたが、私は彼をも追い越すことが出来ました。終盤はハフ選手に対してリードをしっかり保つことが出来て、トップでフィニッシュを飾れて良かったです。
第18戦ではエングストラー選手に接触してしまいました。接触そのものは車体に傷もつかないほどの軽微なものでしたが、結果的にはペナルティを科されてしまいました。審査委員の決定だから仕方ありませんが、これで選手権争いは振り出しに戻りましたので、日本が開幕戦のつもりで頑張ります。
ロブ・ハフ 選手
 【今回の成績 : 第17戦 2位/第18戦 優勝】
私はとても素晴らしい週末を過ごすことができて、とても幸せです。
ウォームアップ走行の後、マシンのセットアップでは若干苦しめられました。しかし、決勝では好いペースでラップを刻むことができて満足しています。
それまでは、前にミューラー選手やメニュ選手がいると、それをパスするのは非常に難しいことでした。しかし、リスクを冒すことなく先行することが可能なのかを考えました。そしてミューラー選手がミスを冒し、私はトップに立ったのです。ミケリス選手に詰め寄られた部分もありましたが、タイヤを労りながらチェッカーまでマシンを運びました。
結果として私とミューラー選手は同点に並びました。まるでチャンピオンシップがまた新たにスタートを切ったようです。私はもちろんこのシーズンを勝つために、まだまだ挑戦を続けていきます!
 
FEATURED DRIVER
■ティアゴ・モンテイロ 選手

1976年・ポルトガル出身のティアゴ・モンテイロ選手。
1997年のフランス・ポルシェカレラカップでレースデビュー、フランスF3選手権やFIA F3000選手権などを経て、2005年から2006年にかけてはF1にもシートを獲得。2005年はジョーダンから参戦してアメリカGPでは3位表彰台を獲得、さらに同年はシーズン18戦完走というF1史上最多記録も樹立している。

WTCCには2007年から参戦。セアト一筋のキャリアを重ねており、2008年と2010年にはそれぞれ2勝ずつを挙げて、通算4勝を飾っている。
セアト遣いとして知られてきたモンテイロ選手は、同時に言い換えればWTCCを代表するFF(前輪駆動)遣いの一人。そんなモンテイロ選手はシーズン途中という異例のタイミングで移籍をする運びとなり、セアト(SR・レオン)を駆っての最後の戦いがアメリカ・ソノマ戦となった。

2レースをともに6位入賞でフィニッシュしたモンテイロ選手。次の日本ラウンドからは新天地のホンダレーシング・チームJASに移り、、いよいよ注目のデビューを果たすホンダ・シビックのステアリングを握ることになる。
 
TECHNICAL INFORMATION
欧州のサーキットに比べてコースのグリップは低くないソノマだが、全体的にダスティで結果的にはグリップが低くなってしまっていたようだ。ただ、コースからの入力はそれほど高くないためタイヤにとってはそれほど厳しくないキャラクターであるものの、摩耗の面についてはダスティで滑りやすかったことと、約50mという高低差のあるコースゆえに登りながら左右にステアリングを切る箇所が多かったため、イン側の摩耗が進む傾向が強かった。
この高低差はコースの大きな特徴であったが、登り区間はFRのBMWがやや有利、コーナーリングはシボレーが速さを見せ、相対的に車重が軽いセアトはコンスタントに速く、車種ごとの特徴をそれぞれに活かした戦いぶりも目を惹いた。

第17戦のスタート時は28度、第18戦では30度に上がった気温であるが、やや想定より高めの気温/路面温度となったものの、シリーズの他の夏場の戦いからすれば猛暑というほどの暑さではなかった。
むしろ観戦には適した気候だったようで、アメリカらしく観客の多くはビールを片手にハンバーガーやポテトを食べながら、トップ車両が来るたびに大きな声援をあげて盛り上がっており、初開催のアメリカは大成功におわったと言えるだろう。
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