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JRC Round 7
開催日
2012年9月14日-9月16日
開催場所
北海道・帯広市 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴れ/ドライ
Day 2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
1000.99km
SS総距離
220.48km (18SS)
得点係数
2.5
(未舗装路 150km〜)
参加台数
全日本選手権 48台
(ヨコハマタイヤ装着車 24台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
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今年のAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)との併催で、北海道・十勝地方を舞台に「Rally Hokkaido」が盛大に開催された。参加台数はAPRCと全日本選手権あわせて90台、そのうちのほぼ半数がヨコハマタイヤを装着しての参戦となった。

ステージはホストタウンの帯広市にある北愛国交流広場に設けられたサービスパークに隣接する特設ステージの「OBIHIRO (1.2km)」やリモートサービスも設けられた「RIKUBETSU LONG (4.63km)」にはじまり、「NEW KUNNEYWA(28.04km)」、「NEW ASHORO LONG (29.11km)」といった北海道での国際大会らしい長大な林道、ハイスピード・ストレートが名物の「HONBETSU (10.78km)」、ミドルステージの「PAWSE KAMUY (9.98km)」、「OTOFUKE (6.29km)」といった特徴ある道が用意され、雄大な大地の中で変化に富んだステージが選手たちを待ち受けていた。

金曜日には多くのラリーファンが足を運んだラリーショーが北愛国交流広場で催され、選手たちはサインや記念撮影などのファンサービスにつとめた。ファンの激励を受けたラリーショーが終わり、夕方にはセレモニースタートが行われ、そのまま無料のギャラリーステージとなる「OBIHIRO 1」から競技がスタートする。

ラリーウィークは週末になって9月も中旬の北海道とは思えない暑さとなった。帯広市での最高気温は金曜日、さらに林道ステージに主な舞台を移した土曜日ともに30度を超え、厳寒の町として知られる十勝地方北部の陸別町も土曜日は真夏日になるほどだった。

土曜日のLeg1-B、オープニングとなるSS2「NEW KUNNEYWA 1」でステージベストを奪ったのは、昨年のRally Hokkaidoを制している柳澤宏至選手組。これに奴田原文雄選手組が続くと、大勢のギャラリーが待ち受けているSS3「RIKUBETSU LONG 1」は奴田原選手組がベストを叩き出して全日本選手権勢のトップに立つ。

しかし、SS5「NEW KUNNEYWA 2」で、全日本勢のセカンドゼッケンをつける奴田原組がスタートすると、ステージ内でAPRC勢の最終車両の後ろを走るオフィシャル車両(スイーパー)に追いついてしまった。以前のRally Hokkaidoでも同様の出来事があったが、全日本勢のトップゼッケン車はオフィシャル車両を追い越して先行したのに対し、奴田原選手組は抜くタイミングがなく大きくタイムロスを喫してしまう。

このアクシデントについては結果的にJN4クラスの全車に対して同一タイムを与えるという裁定が下ったが、奴田原選手にとっては大きくリズムを乱される要因となってしまった。
SS8で石田正史選手の逆転を許して2番手にドロップ、そのまま折り返して迎えた日曜日のLeg2で逆転に期待が高まったが、最終的に8.5秒差まで追い上げたものの惜しくも優勝にはあと一歩届かず。なれど、シリーズチャンピオン争いではライバルの勝田範彦選手よりもきっちり上位でフィニッシュしたことでポイント差を詰め、残る2戦での逆転王座獲得に向けて大きな意義のある準優勝となった。

JN3クラスは今季デビューを飾って注目を集めてきたニューフェイス、トヨタ86が待望の優勝を飾ることに成功した。
FIAアフリカ・ラリー選手権のチャンピオンも獲得しているベテランの三好秀昌選手は、APRC併催となるためこれまで全日本戦でコンビを組んでいたコ・ドライバーの保井隆宏選手に代わって谷内壽隆選手とのコンビで参戦。

土曜日のオープニング・SS2「NEW KUNNEYWA 1」、続くSS3「RIKUBETSU LONG 1」とステージベストを奪取して、ラリーリーダーの座を固めていく。
土曜日のLeg1-Bを終えて2番手との差は22.5秒、この2番手も同じトヨタ86ということで、北海道の雄大なグラベルステージはJN3クラスにおいて86対決の様相を色濃くして行った。

注目のLeg2。日曜日は一部の林道ステージで雨もあったためスリッピーな路面となったが、三好選手組の86は危なげない走りで好走を披露。駆動系などにも負担の大きいハイスピードグラベルのRally Hokkaidoだが、終盤のロングステージ、29.11kmの「ASHORO LONG 2」ではステージベストを記録してクラスリーダーのポジションを磐石なものとしていく。

最終的には86対決となったJN-3クラスで、後続に56.0秒の差をつけて三好選手組がトヨタ86のラリー初優勝クルーとしてポディウムに登壇。ひときわ大きな歓声を、集まった観客から集めていた。

JN2クラスはリタイアも多く発生するサバイバルな展開の中で、シリーズランキングトップの川名賢選手組が2位を獲得。こちらも熾烈なタイトル争いの舞台となっているクラスだが、過酷な長丁場をしっかり走りきったことで改めて成長も感じさせた川名選手、残る2戦のターマック対決を制してチャンピオン獲得が期待される。

JN1クラスは4WDのライバルに対して、FFのストーリアを駆る葛西一省選手組が、時にステージベストをマークする力走を披露。マシンへの負担も大きいハイスピードステージを巧みに攻略して2位でフィニッシュしすることに成功した。


※Rally Hokkaido、APRC/総合部門のレポートは、改めて後日掲載いたします。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 2位】
SS5ではスタートしてしばらくしたら、オフィシャルカーに追いついてしまいました。後ろから見るとオフィシャルカーが巻き上げる土埃も酷かったので、それがAPRCのスイーパーなのか、それともFIV(レスキュー車両)なのかもわかりにくく、さらに前にいるはずの勝田選手のマシンがいなかったので、「何かアクシデントが起きたのではないか」という可能性も考慮するシチェーションでした。
なかなか抜く事ができず、ここで30秒以上はロスしてしまいましたね。結果としては救済裁定となりましたが、正直なところモチベーションが下がる出来事で残念でした。
ラリー全体としては大きなトラブルやミスも無かったのですが、とにかく今回は石田正史選手が速かったですね。そんな中で勝田範彦選手を抑えて2位でフィニッシュ出来た事は大きいので、残りのターマック2戦でタイトル奪還を目指してしっかり戦っていこうと思います。
三好秀昌 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 優勝】
序盤からリードを保っての展開でしたが、30km近いロングステージではちょっと油断すると簡単に差をひっくり返されることもあり得るので、最後まで手綱をゆるめることなく、荒れた路面に対しては多少抑えたところもありますが、しっかり走りきりました。福島でデビューして、ここまででマシンは本当に回を重ねる毎に大きく進化してきました。駆動系に気をつかって戦った部分もありますが、これだけのタイムを出せましたから。
86同士の優勝争いになりましたが、86を参戦させたこのプロジェクトそのものがRally Hokkaidoでの優勝を目標としていたので嬉しいですね。特に今回はブーンやインテグラとのガチンコ勝負で序盤からトップに立てて速さを見せられたので、そのまま勝ちたいという思いでフィニッシュまでマシンを運びました。結果として上位陣が全員残っている中で走り勝てたので、良かったですね。
川名賢 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 2位】
今回はライバルが予想以上の速さでした(苦笑)。「NEW KUNNEYWA」と「NEW ASHORO LONG」の両方で10秒チギられてしまったので、正直にショックですね。その理由を自己分析すると、練習不足の一言につきます。4回目のRally Hokkaidoですが、ちょっと苦手な部分もあって、課題も見えた感じです。ハイスピードなワダチの攻略を詰めていきたいと思います。
残念ながら優勝には届きませんでしたが、きちんとフィニッシュできたことは大きな収穫です。その上で、去年よりはタイムアップしていますが、高速グラベルをきちんと走れるようにするために、今までとは違った形の練習方法も考えて、しっかりアクセルを踏み込んでいけるようにならなければ、と思います。
もちろん、グラベルが苦手というわけではなく、「NEW KUNNEYWA」の狭くて速いところなどは、目の玉が飛び出るほどの怖さもあるのですが、乗れている時はとっても楽しいんですよね(笑)。
葛西一省 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 2位】
長丁場の過酷なRally Hokkaidoですが、マシンのトラブルも皆無で2番手でフィニッシュすることができました。ただ、ボディが歪んできているようで、後ろのドアが閉まりにくくなってきました。どうしてこうなったのか分かりませんが、しっかり作り込んできてはいるものの、あれだけの長い距離、しかもグレーチングもすごいので、マシンへの負担は大きいのでしょうね。
予想以上の暑さではありましたが、モントレーよりは涼しいですし、今年は足をテインに変えてドライバーの負担も減ったので楽でしたね。去年はストレートでも真っ直ぐ走らせるのが大変だったのですが、今年は全くそんなことなくて。HONBETSUではトップスピードが160km/hまで出ました。去年は140km/hどまりだったので、本当に速くなりました。テインの足、そしてヨコハマタイヤが最高ですね!
ちなみにタイヤはリアに185サイズのSコンパウンド、フロントには175サイズのMコンパウンドを装着しました。いろいろと試してみたのですが、組み合わせとしてこれが当たりましたね。
 
TOPICS
今年もサービスパークやラリーショー、SS1は無料開放され、多くの市民が訪れてラリーマシンやクルーと触れ合った「Rally Hokkaido」。週末の十勝地方は季節外れの猛暑に見舞われたが、親子連れなどの姿も多く見受けられた。
サービスパークのイベントコーナーでは地元の出展テントも並び、名物の豚丼なども販売。豚肉を炭火で焼く香りが、訪れた人々の食欲をそそっていた。

また、"乗り物大好き 2012"と題されたブースでは、福祉車両の展示や手漕ぎ自転車、三輪自転車などの試乗も開催。車椅子の体験コーナーではスラロームコースでの試乗も行われた。

さらに4輪駆動のSUVによる、急な登坂路での試乗体験コーナーも大人気。こちらはドライバーを田口勝彦選手(写真・左)がつとめ、次々にやってくるお客さんを乗せて、普段は体験できないようなSUV車の高い走破性能を披露していた。この試乗は「Rally Hokkaido」の田畑邦博・大会組織委員長(写真・右)も体験していた。
 
AREA GUIDE
WRC(FIA世界ラリー選手権)や、Rally Hokkaidoの開催により、ラリーが地元にしっかり根付いている北海道・十勝地方。地元有志によるサポートにはじまり、政財界をあげての支援体制が充実していることは、参加者も肌で感じているところだろう。

また、見どころや食が充実している十勝地方は、参加者や関係者にとって足を運ぶことが楽しみとされている地域でもある。
今や全国区の人気となった名物の「豚丼」(写真)にはじまり、大地の恵みに夜は舌鼓を打ったという関係者も多く、帯広の夜も飲食店は出場選手や関係者の笑顔が多く見られた。

タイミング的には三連休ということもあり、祝日となったラリーが終了した翌日の月曜日は観光をして帰るという関係者も多い。雄大な十勝平野を実感できる上士幌町のナイタイ高原牧場や、世界的にも珍しい植物性のモール温泉、名店がいくつもあるスイーツ巡りなど、それぞれのスタイルで十勝の魅力を満喫したという声も多いようだ。
 
TECHNICAL INFORMATION
全日本選手権の中では圧倒的なスケールの大きさとハイスピードという特徴を持つRally Hokkaido。林道は良く整備された道であるが、ループする毎に深くワダチが掘れていく傾向もあり、速度域が高いことからマシンやタイヤへの入力も大きく負担は想像以上のものがある。

そんな中、シリーズの中でもっとも過酷と言っても過言ではない一戦で、ヨコハマタイヤを装着するトヨタ86が初優勝を飾った。装着したADVAN A035は定評あるラリータイヤであるが、FR(後輪駆動)の86でも北海道の特徴である柔らかい路面をしっかりとらえ、ノートラブルで最後まで三好選手組の好走を支えたことで、改めてその優れたポテンシャルを実証したと言えるだろう。

また、総合優勝を新井敏弘選手組が獲得したほか、APRCでもアジアカップを炭山裕矢選手組(三菱・ランサーエボリューション])が、APRC部門をカラムジット・シン選手組(プロトン・サトリアネオ)、ジュニアカップを番場彬選手組(プロトン・サトリアネオ)が優勝を飾り、ヨコハマタイヤ勢がAPRCを完全制覇、こちらではADVAN A053が圧倒的な強さを見せつける結果となった。
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