Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / JRC 2012 / Round 5 News Index
  ひとつ前にもどる  
JRC Round 5
開催日
2012年7月27日-7月29日
開催場所
群馬県・渋川市 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴れ/ドライ
Day 2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
299.50km
SS総距離
71.64km (15SS)
得点係数
1.0
(舗装路 50km〜100km)
参加台数
全日本選手権 51台
(ヨコハマタイヤ装着車 28台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
全9戦で競われる2012年の全日本ラリー選手権も折り返しを迎えた。今季は新しい大会が2つカレンダーに加わっているが、第5戦・第6戦と中盤戦の2大会が該当する。中でもシーズン当初から話題を集めていたのが、第5戦として開催される「モントレー2012 in 渋川」。9年ぶりに全日本戦として復活したモントレー、過去幾多の名勝負が繰りひろげられた伝統の一戦は、群馬県渋川市の渋川市総合公園をベースに、赤城や榛名といったラリーのメッカを舞台に開催された。

全国的に猛暑となった週末、群馬県も35℃を優に超える暑さに見舞われた。そんな中、サービスパークに加えて、自動車関連企業や地元観光PRなど多くのブースが出展したラリーパーク、さらに約400mと距離は短いものの、ラリーマシンの迫力ある走りを間近に出来るギャラリーステージが集約された渋川総合公園には、2日間で2万人ほどの観客が足を運び、大いに盛り上がりを見せた。

開幕戦の唐津以来となるターマック(舗装路)戦は、深山をDay1で2回、赤城をDay1とDay2で各1回、そしてハイスピードな榛名をDay1とDay2で各2回の計4回、公園に設けられたショートステージをDay1で3回とDay2で2回の計5回走る、合計13本・SS総距離71.64kmで競われる。
これらのステージのうち、公園と榛名は順走と逆走の両方が設けられており、バラエティ豊かなステージも特徴であり、同時に攻略のポイントとなる。

28日(土)のオープニング、SS1「Haruna-1(6.509km)」から快調な走りを見せたのは、「ADVAN-PIAAランサー」の奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手。3分05秒4のステージベストで幸先よいスタートを切る。続くSS2「Shibukawa Park R-1(0.397km)」は、このラリー最初のギャラリーステージ。好天にも誘われたか大勢のギャラリーが見守る中、1989年のモントレーでギャランVR-4を駆って優勝を飾っている大西康弘選手が、コ・ドライバーの市野諮選手との息もピッタリにベストを奪い、ヨコハマタイヤ勢が速さを見せる。

SS3は僅差でライバルにベストを譲ったものの、榛名の2走目となるSS4では再び奴田原文雄選手組がベストを奪取。この後、13時10分に1号車がスタートした「Shibukawa Park-1(0.408km)」は暑さも厳しさのピークを迎えようとする時間帯だったが、「CUSCO ADVAN LANCER」の炭山裕矢選手/加勢直毅選手がこの日初めてのベストを奪ったのを筆頭に、大西選手組、奴田原選手組、そして牟田周平選手/星野元選手組と、ヨコハマタイヤ装着選手が上位を独占する。

SS5を終えてトップは奴田原選手組、2番手との差は7.2秒。しかしSS6「Akagi-1(6.895km)」で奴田原選手組が若干遅れてしまい、続くSS7「Miyama-2(12.128km)」でライバルに逆転を喫してしまった。
3.2秒を追う立場に変わった奴田原選手組はSS8をステージベスト、SS9も大西選手組に続く2番手であがったが、惜しくも0.6秒届かず2番手でDay1を終了。

一夜明けた29日(日)も晴天には恵まれたが、前夜のうちに雨が降ったこともありステージの路面状態が気がかりな展開でDay2は幕を明けた。
まずは奴田原選手組がDay1で順行・逆走ともに3本全てを制している「Haruna」のリバース2。ここで奴田原選手らしい朝一番の猛プッシュが披露され、ライバルに2.5秒差をつけるステージベストを叩き出して文句なしのトップ奪還。

その後も手綱を緩めることなくSS11のギャラリーステージも制すると、SS12「Akagi-2」は2番手タイムながら優勝争いで追いすがるライバルには3秒差をつけてリードを拡大。最終のSS13も大勢のギャラリーが見守る中でしっかりとフィニッシュまでマシンを運び、第2戦・久万高原以来となる今季2勝目を奴田原選手組らしい戦いぶりで飾ることに成功した。
また、2番手でフィニッシュしたクルーが早着でペナルティを科せられたことから、セレモニアルフィニッシュでは4番手として紹介された柳澤宏至選手/中原祥雅選手組が3位に繰り上がり、シーズンを戦う上で大きな結果を残した。

JN3クラスは序盤からタフな展開となるなか、好走を見せたのは三好秀昌選手/保井隆宏選手組の「CUSCO ADVAN 86」。SS3からクラスリーダーとして主導権を握っていく。しかし残念ながらSS8で駆動系トラブルからリタイア、代わってトップに立ったのはロータス・エキシージの松本琢史選手/三谷良一選手組。SS6からSS8まで3連続ステージベストを奪い、Day1をトップであがった。
そんな松本選手組を淡々と追い上げていったのは、インテグラを駆る青柳勉選手/箕作裕子選手組。久しぶりの全日本参戦となった青柳選手だが、Day1を終えて3.1秒あった松本選手組との差をDay2オープニングのSS10で一気に逆転。SS12とあわせてこの日のロングステージ2本を制した青柳選手組が逆転で優勝を飾り、松本選手組は2番手でフィニッシュした。

JN2クラスは川名賢選手/小坂典嵩選手が3戦連続、今季4回目の準優勝。Day1終了時点で19.1秒つけられていたトップとの差を、16.979kmで競われたDay2で約10秒詰める快走は、待望の初優勝への期待も高まるものだった。また、前戦・洞爺で立ったランキングトップの座は、今回のモントレーを終えてもしっかりキープしている。

JN1クラスはヨコハマタイヤ装着選手同士の戦いが熱い展開に。
Day1をトップであがったのはポイントリーダーの葛西一省選手/安田弘美選手組。しかしDay2に入ると初代ストーリアの×4(クロス・フォー)を駆る篠原正行選手/馬瀬耕平選手組がチャージ、10.5秒あった差を着々と詰めてくる。朝一番のSS10で葛西選手組を8.3秒上回るステージベストで2.2秒差とすると、SS11で0.4秒縮めて差を1.8秒にまで詰める。
残すステージは2本、迎えたSS12の「Akagi-2(6.895km)」では2番手タイムながら葛西選手組を2.8秒上回って逆転に成功。
最終のSS13もステージベストで締めくくった篠原選手組が優勝、葛西選手組は2番手、そして3番手ではマーチで参戦する小泉茂選手/小泉由起選手がフィニッシュして、ヨコハマタイヤ勢が表彰台を独占した。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
今回はとても順調にラリーウィークを過ごせました。今季2勝目を挙げられましたが、タイヤがこの暑さにもマッチしていました。37℃を超えるような猛暑になり、路面温度も50℃近くまで上昇したと思われる中、全くタレることもなく良いグリップを発揮してくれたことが、一番の勝因だと思います。
このラリー、結果論的な部分もありますが、私にとって勝負どころは榛名のステージだったと思います。2日間で4回走りますし、両日ともにオープニングステージでもありますし。Day2は夜半に雨が降りましたが、路面そのものは競技が始まるころには乾いていました。しかしDay1より気温・路面温度ともに低かったこともあってから、全体的にグリップが低めでした。これは赤城のステージも似たような感じだったという印象です。そんな中でADVAN A050は対応する温度域の幅がとても広いので、強い武器になってくれましたね。
今回はしっかり走りきっての勝利、これは次の京都・丹後半島ラリーに向けても大きな手応えのある一戦でした。
青柳勉 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 優勝】
全日本選手権には3回目、7年ぶりくらいの参戦です。ターマックの全日本は今回のモントレーが初めてですね。
久しぶりに出てみての印象は、やはり全日本は"しんどい"な、と(笑)。私は東日本シリーズのタイトル争いをしたこともありますが、やはり全日本戦は参戦している顔ぶれも錚々たるものですし、なによりレベルの差は大きいですよね。
そんな中、JN3は上位陣がどんどんリタイアしていく一方、松本(琢史)選手の追い上げも激しくて、フィニッシュまで必死でした。それこそ最後のSSも酸欠になってしまうかと思うくらいに、息をつく暇もありませんでした。
タイヤについては、Day1が終わって夜のうちに雨が降ったこともあって選択に悩んだ部分もありましたが、結果的には天気も回復傾向で暑さも厳しいですから、G/Sコンパウンドをチョイスして正解でした。
僕自身のポテンシャルよりも、タイヤのポテンシャルの方が高くて、走っていてとても楽しかったですね(笑)。
川名賢 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 2位】
Day1のオープニングから「今日は完璧だ!」と思いました。マシンのセッティングもしっかり出ていて、とても自信がありました。それでも、結果は2位ですけれど……。
Day2では、Day1の走りを色々と検証して、1速を使える場所を増やしました。最近はリピードステージでタイムがあがるようになってきていて、ブレーキングで無理に突っ込んだりしないで、「ここはもっと踏めたな」という箇所についてペースノートの微修正をしてDay2に臨んでいます。例えばずっと全開で行けるような箇所があったなら、手前のコーナーで立ち上がりをより重視する、というように。
今回、結果は2位で悔しいですが、ラリーそのものはとても楽しめました。勝てないことで悔しい思いもありますが、勝つまでに大変だった方が、勝ったときに自分のレベルはとても高いところにあると思います。こうしてJN2クラスで揉まれていることは辛い面もありますが、自分にとって良い経験になっていると思います。
篠原正行 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 優勝】
開幕戦・唐津のリベンジが出来て良かったです!
唐津が終わって、グラベルが3つ続いている間は悶々とした日々を過ごしていました。ポイントランキングを見て、自分の順位が一戦終わる毎に落ちていくのは、見ていられなかったですね。実は元々は次の丹後半島ラリーに出ようと思っていたのですが、コ・ドライバーの都合がついたこともあって急遽参戦を決めました。参加申込みも締め切り直前のタイミングでしたし(笑)。
7月の下旬、場所は群馬ということで暑さも厳しかったですが、私が住む鹿児島も暑いので、それほど気にはなりませんでした。タイヤについては、12kmのロングステージがあるので不安に感じていた面もありましたが、ヘルプサービスの大庭誠介監督から「こんなの全然大丈夫!」と太鼓判を押されたことで安心出来ましたね。
これから積載車にマシンを載せて、鹿児島までオール自走で1,500kmの一人旅です。でも、何といっても優勝しての帰り道ですから、気持ちよく帰ることが出来ますね!
 
TOPICS
今回のモントレーではトヨタ86/スバルBRZの参加台数が大きく増えたが、その中で注目を集めたのがイノベーションクラスに出場した小橋正典選手だ。
1992年6月26日生れ、弱冠20歳ながらチームオレンジの一員としてドリフトでは広くその名を知られた存在。D1ストリートリーガルの優勝経験も持ち、実家が青森県でサーキット場を営んでいることもあり、14歳からドリフトを始めている。

今回はトヨタ86を駆ってラリーへの初参戦を果たした小橋選手。規定により運転免許取得から1年に満たない選手は全日本ラリー選手権での参戦が出来ないため、イノベーションクラスでの出場となった。

「ホントにラリーは楽しいですね! でも、やっはり難しいものでもあるというのが、初めて走っての素直な実感です。特にペースノートを作ることもそうですし、走っている間も読み上げられるノートを聞き慣れていないので、難しかったですね」

ラリー独特のペースノートには戸惑いもあったという小橋選手だが、大勢のギャラリーが見守っていた公園内のギャラリーステージでは、迫力あるドリフトでコーナーを駆け抜ける場面もあって大いに観客を沸かせてくれた。

「それはもう、ギャラリーステージはやっぱり『やらなくちゃ』と思っていました。ドリフトをやっている身としては、見てくれているお客さんがいっぱいいるのなら、こっちも期待に応えなければいけないと思いますしね(笑)
ただ、いつものドリフトならADVAN NEOVA AD08を使うのですが、今回のタイヤはADVAN A050。これが凄くグリップも高くていいんですよ。なにしろ、ドリフトしようとしても全然テールが出てくれないんですから(笑)」

このモントレーを皮切りに、残る全日本ラリー全戦への出場を予定している小橋選手。ペースノート作りをしっかり勉強していきたいと次に向けての課題も語ってくれたが、エンターテイナーとしての才能も持ち合わせる若き注目株の躍進には、ぜひ注目していただきたい。
 
AREA GUIDE
伝統の「モントレー」は、群馬県の渋川市をホストタウンとして開催された。28日(土)には渋川市で「第29回 渋川へそ祭り」が中心部で開催され、お腹に絵を描いて踊るユニークな「へそ踊り」などで盛り上がりを見せていた。

ラリーの拠点は渋川市総合公園に設けられたが、ここはロケーション的に名湯として広く知られる伊香保温泉にもほど近い。365段の石段も有名な伊香保は万葉集にも名前が出てくるほどに歴史ある名湯。モントレーに参戦した選手やチーム関係者の多くも宿泊し、名湯で疲れを癒しつつ英気を養っていた。

また、総合公園には二日間で2万人近いギャラリーが訪れたが、会場内のラリーパークには渋川市や伊香保温泉を初めとした地元の観光PRブースも出展。
7月1日から9月30日までは「ググっとぐんま観光キャンペーン」が展開されており、このキャンペーンをPRするために、ポニーをモチーフとした群馬県のマスコットである「ぐんまちゃん(写真)」もラリーパークに来場。会場を訪れた子どもたちから人気を集め、記念撮影に大忙しの様子だった。
 
TECHNICAL INFORMATION
9年ぶりの復活となったモントレーだが、オールターマックのステージについてはスリッピーな路面という事前情報もあった。しかし、実際にはラインを外さなければ極端に路面ミューが低いということもなく、主催者も事前に路面清掃を行うなど開催に向けて準備を整えたこともあり、路面そのものはそれほど特種なものではなかった。

35℃を超える猛暑の中ではタイヤの摩耗やタレが気になるところ。同じように暑さが厳しかった昨年のハイランドマスターズ(岐阜県)でも全くトラブルがなかったが、より猛暑となったモントレーでもタイヤについて熱が要因となるトラブルは皆無で、むしろ車両そのものの方が暑さの影響が大きかったようだ。

JN4クラスでの奴田原選手の優勝を筆頭に、全クラス制覇にあと一歩と迫る3クラスでヨコハマタイヤ装着車が優勝を飾ったことは、猛暑のなかでもADVAN A050が優れたパフォーマンスを発揮した結果であると言える。
ひとつ前にもどる