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JRC Round 2
開催日
2012年4月28日-30日
開催場所
愛媛県・久万高原町 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴れ/ドライ
Day 2 : 雨/ウエット
総走行距離
151.52km
SS総距離
58.67km (12SS)
得点係数
1.5
(非舗装路 50km〜100km)
参加台数
46台
(ヨコハマタイヤ装着車 19台)
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九州で開幕した2012年の全日本ラリー選手権は、その舞台を四国に移した。昨年同様、大型連休の前半に開催された「久万高原ラリー」は今シーズンのグラベル(非舗装路)初戦となり、ここから福島、北海道・洞爺と続くグラベル三連戦の行方を占う意味でも重要な一戦となる。

2日間の競技日程、まず4月29日(日)のDay1は2つのステージを3回ずつ走行する設定となる。その内容は7.94kmの大谷支線とギャラリーステージとなる1.21kmの美川スキー場内特設コースで、ロングの林道とショートの特設コースの組み合わせだ。

お昼のセレモニアルスタートで大勢の観客から声援を受けてスタートした各車、開幕戦の唐津で準優勝を飾った奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組はSS1「大谷支線 1」でトップから2.1秒差の4番手とやや出遅れる。一方でインプレッサを駆る柳澤宏至選手/中原祥雅選手組は0.2秒という僅差の2番手で、上々の滑り出しだ。

続くSS2「スキー場 1」ではショートステージを得意とする奴田原選手組がこのラリー最初のステージベストをマークして2番手に浮上、柳澤選手組はステージタイムの順位では4番手ながら上位陣が僅差のためにトータルタイムではトップへと躍り出る。

2本を終えて1回目のサービスイン、ここでADVAN A035のMコンパウンドを履く奴田原選手組はフロントにニュータイヤを投入。柳澤選手組はA035のSコンパウンドをチョイスしてスタートしていたが、こちらは前後ローテーションに留めて再びステージへと向かう。

この後もトップ争いは僅差の接戦が続くが、奴田原選手組はACDのセッティングにやや苦しんだ面こそあったものの粘り強い走りで、柳澤選手組とともにトップ争いの一角を占める。2回目のサービスでは奴田原選手組はタイヤをそのままに、一方の柳澤選手組は4本全てをニュータイヤに交換、ともに最大12本という使用規定の中で6本の使用に留めて翌日に備えつつ、Day1を終えて柳澤選手組が0.8秒差の2番手、奴田原選手組はトップから4.3秒差の3番手につけた。

天気予報では夜中から雨が降るとなっていた久万高原地方。空模様は予報通りに推移し、Day2は前日とは打って変わって朝から冷たい雨が降るコンディションとなった。
この日は9.06kmの大野ヶ原線、5.34kmの西ノ川、そして1.21kmのスキー場という3つのステージを2回ずつ走行するアイテナリー。
ここで奴田原選手組はウェットダートタイヤのADVAN A031をチョイスして勝負に出る。

注目のDay2最初のステージとなるSS7「大野ヶ原線 1」。奴田原選手組は道幅が狭くコーナーが連続するために、どちらかといえばランサーには不利と思われるこのステージで圧倒的な速さを見せつけ、一気に3.8秒を詰めるステージベストを叩き出す。これでトータル順位を2番手にアップすると、続くSS8「西ノ川 1」でも0.5秒を詰めてトップと同タイムに並ぶと、SS9「スキー場 4」でも連続ステージベストで0.1秒の僅差ながら遂に逆転。

サービスでフロントをニュータイヤに交換して残る3本のステージへと向かった奴田原選手組だったが、ここで雨が勢いを弱めてコンディションが微妙な変化を見せる。ウェットタイヤゆえに状況は奴田原選手組に厳しい展開となり、SS10「大野ヶ原 2」で大きくライバルの先行を許す結果となり逆転を喫したが、僅差の勝負はまだまだ予断を許さない。

SS11「西ノ川 2」でステージベストをマーク、3.8秒差に挽回した奴田原選手組は、最終のショートステージ「スキー場 5」もノートラブルでステージベストを出してしっかりと締めくくり、劇的な逆転優勝で今季初勝利を手中におさめた。また、柳澤選手組も3位表彰台を獲得、ヨコハマタイヤのADVANラリータイヤ装着車が1-3フィニッシュを飾る結果となった。

JN-3クラスは宇田圭佑選手/石川恭啓選手組のインテグラと、山口清司選手/島津雅彦選手組のカローラ・レビンが表彰台圏内で接戦を展開。
Day1を終えて2番手だった宇田選手組は、Day2に入ってドライブシャフトのトラブルによりサービスに時間を要したことから山口選手組にポジションを譲る結果となり、最終的に山口選手組が準優勝、宇田選手組が3位フィニッシュで表彰台を飾った。

JN-2クラスはサバイバルな要素も強い展開となったが、そんな中でデミオを駆る南野保選手/加藤辰弥選手組が粘りの走りで4位入賞。5位にはヴィッツの川名賢選手/安東貞敏選手組が入賞した。

JN-1クラスは序盤で好走を見せたのが、青森から参戦している葛西一省選手/安田弘美選手組。SS1をクラス唯一の8分台であがってステージベストを叩き出すと、その後もスキー場のSS4で2回目のベストをマークするなどベテランの底力を見せる。雨によって難しい路面となったDay2も安定した走りでフィニッシュまでマシンを運び、堂々の準優勝獲得という結果を残した。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
久万高原のステージはどちらかというとランサーは苦手なのですが、特に下りが主体の今回は重量のあるランサーにはきつい一面もありました。Day1ではセッティングを確認しながらの走りをした部分もあって、ちょっと外してしまったところもあったのですが、Day1を終えて3番手という順位はデイポイントを獲得出来ませんでしたが、Day2で砂利かきをしなくて済む面もあるので、決して悪いポジションだとは思っていませんでした。
Day2はADVAN A031を選択して、1本目のステージは筋書き通りに走れました。しかし林道の2本目では雨も止んできて、ところどころ乾き始めている感じだったんです。ここでやや逆風気味になってしまいましたが、1ループ目を終えて順位で並んだので、雨が降れば次で逆転出来るという感じでした。ところが青空が覗いてきて……(苦笑)。
A031を履いている自分とライバルでは、自分のタイムは大きく変わりませんが、相手は乾けば速くなるし雨が降ると遅くなるんです。そういう点では使い方が難しいのですが、最終的には私の方に勝利の女神様がこちらに振り向いてくれましたね。
今回は走り勝ったという感じではないので反省材料も多いのですが、最後まで諦めないで走りきって勝利を掴めたので、次以降もしっかり走りきって連勝を飾れるように頑張ります。
柳澤宏至 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 3位】
タイヤについてはADVAN A035のSコンパウンドを使いましたが、A031という選択肢はちょっとギャンブルに過ぎる感じがしたので私の中では選択肢としては出てきませんでした。
Day2についてはちょっと攻めきれなかった部分があって、それが結果に反映されてしまった感じですね。あまり無茶をしてもリスクが高い道ですし、この車でのグラベルラリーは今回が初めてなので。雨に向けては特に何かを変えたという部分はありません。ただ、ドライでは余り気にならなかったのですが、ウエットになってフロントがちょっと逃げるようなフィーリングが顔を出してきたので、ここは改善点でしょうか。
ターマックとグラベルを一戦ずつ終えましたが、次の福島まで少し時間があるので、次までには何とか勝負が出来るように車を煮詰めていこうと思っていますし、その手応えもしっかり感じ取っています。
山口清司 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 2位】
今回のJN-3クラスにはブーンが2台いたので、そのうちの1台がいなくなって2番手になれればいいな、なんて思っていましたから狙いどおりです(笑)。ただ実際にはSSのタイムだけを見ると宇田選手が速くて、そこは敵わなかったから課題ですね。
前戦の唐津で車を壊してしまい、直すだけで精一杯でセッティングも出せなかったので、ステージを走る毎に手をかけていました。とにかく車を壊さないように無理をせず、道が悪かった割りには何もトラブルが起きませんでした。
去年はリタイアが多かったので、今年は完走がまずは第一目標。ここまで3位、2位ときましたから、去年に比べると良いシーズンの出だしという感じですね。
宇田圭佑 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 3位】
Day1はよかったですね。ステージも好きな感じですし、路面もドライだったので、思い切り気持ちよく走ることが出来ました。去年の洞爺以来の参戦だったので、ノートを含めてSS1は全て様子見でクリアして、そこからどこまで詰めていけるかだったのですが、SS3ではコ・ドライバーに怒られるくらい気持ちよいペースで走りました。
Day2になってコンディションがガラリと変わってしまい、2番手だったので山口さん(山口清司選手)が追い上げてくると思ったのですが、完走したかったので序盤は様子を見ていたら一気に詰められてしまって。そこで逃げに出たのですがドライブシャフトを壊してしまいサービスに時間を食ってしまって……。
でも、自分の中では3番手までに入れればと思っていたので、今回の結果には満足しています。次の洞爺も好きな道なので、勝つ気で行きますよ!
葛西一省 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 2位】
久万高原は初めて参加しましたが、腕の痛くなるコースでした。ダルくて背中が痛いんですよ(笑)。
でも、昔の群馬のガレ場を走ったときを思い出す感じで、とても走り応えのあるコースでしたね。SS1などでは昔を思い出して、サイドブレーキも左腕が疲れるくらいに使いました。ドライのDay1、そしてウエットに転じたDay2と二日間を通じて気持ちよく走れましたが、どちらかというと2日目の方が気持ちよかったですね。
Day1は路面の石が車体の底にかなりヒットしていたので、Day2に向けては車高を思い切って上げました。少しハンドリングには悪影響もあるのですが、これは効果がありましたね。
去年のRally Hokkaido以来のグラベルですが、オフシーズン中は車を全く見ることもなく過ごしていました。今回が終わったら練習と、サスペンションのセッティングをしていきたいと思っています。次の福島ではガッツリ行きますよ(笑)。
 
TOPICS
ゴールデンウィーク前半の開催となった「久万高原ラリー」。昨年とは異なり、カレンダーを上手く使って2日間の競技日程はどちらも休日の開催となった。

また、セレモニアルスタートも行われたDay1の29日(日)は朝から好天に恵まれたこともあって、大勢のギャラリーが観戦に足を運んだ。美川スキー場のギャラリー駐車場は早い時間に満車となり、主催者は急遽臨時の駐車スペースを確保した上で、ギャラリーをピストン輸送するなど対応に追われて嬉しい悲鳴をあげることに。

2日間ともに設定されたギャラリーステージはサービスパークに隣接するスキー場のゲレンデを一部使ったもので、アクセスの良さに加えてギャラリーエリアが広く、選手たちが繰り出す豪快な走りをいろいろな角度から観戦できたことが、好評を集めていたようだ。
 
AREA GUIDE
愛媛県の久万高原町は、「四国の軽井沢」とも呼ばれている自然豊かなリゾートの町。松山市内中心部からは車で1時間ほどの距離にあるが、この春には国道33号の三坂道路が開通、峠道をバイパスするトンネルを通れるようになったことで所要時間がそれまでよりも10分ほど短縮されている。

雄大な自然美を楽しめるスポットには標高1,982mの石槌山をはじめ、観光協会の広報誌の表紙も飾ったことがある遅越の滝などがあるが、やはり日本三大カルストのひとつに数えられている四国カルストにはぜひ足を運んでおきたいところ。
久万高原町の中心部から車で1時間ほど走った先にある姫鶴平からは雄大なカルストの風景を一望でき、ゴールデンウィークの時期には一面の緑と石灰岩が織りなす景色を楽しめる。

なお姫鶴平には地芳峠を経由する道のりとなるが、姫鶴平までの区間は道幅が狭く対向車との離合が難しいところも多いので、運転には注意が必要だ。
 
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