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JGC Round 4
開催日
2012年6月17日
開催場所
オートスポーツランドスナガワ
(北海道)
天 候
路 面
ウエット
参加台数
67台 *全日本選手権対象
(ヨコハマタイヤ装着車 21台)
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そろそろ中盤戦に差しかかった全日本ジムカーナ選手権第4戦は、北海道のオートスポーツランドスナガワでの開催となった。今回の出場台数は67台ということでやや寂しい内容となったが、、台数は少なくとも戦いは熱いのが全日本戦だ。特に今回はスタート直前に降り出した雨が選手たちを翻弄し、それだけに各選手がその対策に必死になる姿が会場の雰囲気を盛り上げていた。

その雨というのが、今回は大変な曲者でもあった。それまでまったく降る気配を見せていなかったが、ドライバーズブリーフィング中にいきなり雨雲が空一面を覆い、なんの前触れもなく突戦降り出したからだ。

最初は小降りだったものの、あっという間に本降りとなり、路面は完全ウェット状態。さらにコースレイアウトがかなりのハイスピード設定だったということも難易度を上げることになった。
コースレイアウトは、スタート直後にシケインを経てコース奥まで向かい、中盤は内周のS字コーナーなどを組み合わせているものの、ゴール前の360度ターンが設定されているテクニカルセクションに入る直前には、ロングストレートを設定。
ノーマルミッションでも3速全開、クロスミッションが搭載されていれば4速にも入ろうかという長いストレートだ。このストレートエンドでのハードブレーキングには、とりわけ高度なテクニックが要求されることになった。ブレーキングポイントをはじめ、水たまりを避けつつ無駄のないラインを取らなければならない瞬時の状況判断など、各ドライバーの技量には相当高いレベルが要求されることになった。

また、オートスポーツランドスナガワが持つ特有の路面状態が混乱に拍車をかけた。
ウエット路面となれば通常はADVAN A050のG/2Sコンパウンドが最も得意とするが、このコースの路面はタイヤに対しかなり攻撃性が高く、タイヤの摩耗が早い反面、それだけグリップ力も高い。それはウエット路面になっても同じで、ADVAN A050ユーザーの中には路面が濡れていても高温域に強いG/Sコンパウンドを選択できる可能性があったからだ。

このタイヤコンパウンドの選択は、ここまで3連勝を達成しているSA2クラスの柴田優作選手をも、スタート直前まで迷わせることになる。
そこで柴田選手は、N3クラスに参戦するチームメイトで、出走順が先になる飯塚信男選手の意見も参考にしつつ、徐々に雨が強まっている点も考慮してG/2Sを装着。
そして、その判断は見事に的中した。第1ヒートでは中間タイムから2位以下に1秒近い差をつける好タイムをマークし、フィニッシュラインを超えた時点では2位に1.4秒近い大差をつけてベストタイムをマーク。第2ヒートはさらに雨が激しく降り、路面コンディションが悪化したためタイムアップは不可能となり、柴田選手の4連勝が決まった。

また、SA2クラス2位にはADVAN A050のG/2Sコンパウンドをチョイスした藤本泰則選手が、入賞し、今季初のポディウムを獲得。3位にも同じくADVAN A050のG/2Sコンパウンドを装着した若杉将司選手が入賞し、ADVANが表彰台を独占する強さを発揮してくれた。

一方、N3クラスでは小林辰朗選手が2位に入賞。3位には、開幕戦の本庄ラウンドで初の表彰台となる2位入賞を果たした飯塚信男選手が入賞を果たした。また、SA3クラスの天満清選手も3位に入賞するなどレギュラーメンバーも多くが表彰台を獲得したが、一方で初の表彰台や久しぶりに表彰台の上った選手も多い。

SA1クラスに出場した地元・北海道の阿戸幸成選手は、地元というだけにコースの特徴を知りつくしているドライバーのひとり。今回のウエットコンディションをものともせず、地の利を生かした走りを披露し、見事に自身初となる全日本3位入賞を果たした。

また、PN3クラスの角岡隆志選手は、昨年までSA2クラスに出場していたが、今季よりPN3クラスに移籍。今回は第1ヒートではパイロンタッチとなり上位をうかがえないものの、第2ヒートでは見事にタイムアップを果たし、PN3クラスでは初となる3位表彰台をゲットした。

SCクラスは、開幕戦優勝の西田竜治選手が第1ヒートでコースアウトしてしまいクラッシュするという大波乱が起きた。マシンに大きなダメージを負ってしまい、残念ながら第2ヒートはリタイアとなってしまったが、「みんなにダメだって言われるマシンで上位に入ったときは快感なんです。まだまだシティで頑張りますよ」とパドックで力強いコメントを残してくれた。

そのSCクラス、ランサー勢を相手にGA2シティで健闘する町田和雄選手が、第1ヒートをトップで折り返す。第2ヒートでもさらにタイムアップを果たすが、惜しくも逆転されて2位となった。だが、ランサー勢に対して不利と言われるシティで見せてくれるパフォーマンスはさすがベテランだ。
町田選手は全日本参戦歴がすでに20年という大ベテランドライバーで、過去に何度も表彰台に上っている。今回は2008年以来となる表彰台。これを機に、さらなる飛躍を期待したい。
 
Driver's Voice
柴田優作 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝】
今回は、スタート前にタイヤ選択に悩みました。4年前の砂川も雨でしたけれど、その時はADVAN A050のG/2Sコンパウンドでした。でも、今回はコースがハイスピード設定で、しかも路面の攻撃性も高いのでG/Sコンパウンドもありかな、とは思いました。ただ、特に今回はコースレイアウトがハイスピード設定なので、少しのミスも許されない状況なんです。ハイスピード設定という点に関しては、ブロック剛性の高いG/Sの方が良いのですが、タイヤにマッチする温度域を考えるとG/2Sの方がいい。
すでに3連勝しているので、ここで冒険する必要はないと思ったんです。それに自分の出走する頃にはかなり雨も激しくなっていたので、G/2Sコンパウンドでスタートしました。その選択は間違っていなかったですね。
今回は若杉選手と接戦になると思っていましたが、思った以上にタイム差もつきましたし、自分としては100点の走りですね。このコースは自分やタイヤと相性がいいみたいです(笑)。
小林辰朗 選手
 【今回の成績 : N3クラス 2位】
僕もタイヤ選択には迷いましたが、雨量を考えてADVAN A050のG/2Sコンパウンドを選択しました。G/2Sコンパウンドは開幕戦の本庄ではドライ、タカタではセミウェットからウェット、そして今回はウェットからヘビーウェットといろいろな路面で高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。
ただ、自分としては1本目のトップとの0.2秒差は、決して届かないタイムではなかったのですが、ところどころで細かいミスをしてしまったのが敗因です。第2ヒートはさらに雨が強くなっていましたが、途中まで逆転を諦めてはいませんでした。でも、コース中盤にある大きな水たまりに入り、水の抵抗でスピードが一気に落ちてしまったのが悔やまれますね。
次の鈴鹿は相性が悪くないので頑張ります。
天満清 選手
 【今回の成績 : SA3クラス 3位】
第1ヒートは自分のスタート直前で急に雨が強くなってしまい、ADVAN A050のG/2Sコンパウンドを選びました。この条件でG/Sコンパウンドという選択肢は僕にはなかったですね。地元の選手はG/Sコンパウンドでもいけると言っていましたが、FFはいいですが4WDではないでしょう。
特に1本目の路面はハイドロプレーニング現象(ハイドロ)が起きやすい路面でしたからね。ただし、ハイドロが起きやすい大きな水たまり以外の路面のグリップは良かったですよ。これは滑ってしまうかな、という路面でも結構曲がってくれました。
第2ヒートは水たまり対策のために空気圧を0.5K程度上げてみたのですが、出走直前に雨が小康状態になり、路面状況も第1ヒートよりは好転しました。でも、出走寸前だったので空気圧を元に戻す時間がなかったのが敗因のひとつかもしれません。
このところ連続3位が続いているので、次はぜひ優勝したいですね。
阿戸幸成 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 3位】
ヘビーウェットでしたがタイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを選びました。スナガワの路面はかなりグリップが高く、それがウェットでも変わらないからです。それと、このコース自体がウェット路面になっても極端にタイムが落ちないという特性を持っています。
今回はタイヤの空気圧もドライ路面と同じ数値でスタートしました。ヘビーウェットなら空気圧を高めにすることもありますが、今回はその必要はないと判断したからです。実際に走っても、水たまり以外は問題なかったですね。ヘビーウェットでもかなり高いグリップを発揮してくれたので、その意味ではタイヤに感謝したいですね。
斉藤邦夫 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 4位】
今回はフロントにADVAN A050のG/Sコンパウンド、リアにはG/2Sコンパウンドを装着しました。地元の選手はG/Sコンパウンドがいいはずだと言うのですが、それはこのコースを知り尽くしているから言えることだと思うんです。どこに水たまりができるとか、ギャップではどれくらい飛ぶとか、そういう情報が僕らはまったくない。事前に雨の路面で走ればかなりの情報が得られますが、なにも情報がない中で第1ヒートから攻めるのはかなり勇気がいりましたね。
ただ、実際に走ってみたら、タイヤはかなりグリップしてくれましたが、自分としてはうまく走りをまとめられなかったという感じでした。第2ヒートはかなり大きな水たまりができていて、その水たまりのスプラッシュでパイロンが動いてしまう。それでパイロンタッチを取られてしまいました。豪雨の中でのジムカーナは、そういうことも起こり得ると考えて走らなければならないので難しいですね。
調子は悪くないですが、今年はちょっと歯車が噛み合っていない感じかな。次は頑張ります。
 
FEATURED DRIVER
■SA1クラス : 佐伯 希 選手

今シーズンの全日本ジムカーナ選手権SA1クラスにEK9シビックで転戦しているのが、愛媛県から出場している佐伯希選手だ。

「ジムカーナを始める前はミラージュでジムカーナのマネごとみたいなことをやっていたのですが、地元で走っている女性ドライバーの方に誘われて、本格的にジムカーナを始めました。その時に天満(清)さんのモーティブを紹介されて、それからは天満さんが師匠です」
と語る佐伯選手は、愛媛県の自宅から徳島県のモーティブまで100kmほどもあるというが、メンテナンスのために日々通っているという。

「彼女は練習もよくするし頑張っているよ。あともう少しで地区戦チャンピオンもとれそうやし、乞うご期待ってところやな(笑)」と、師匠の天満選手。成績も2011年は四国地区ジムカーナ選手権NS1クラスでシリーズランキング2位と、かなり健闘している。

「自分ではまだまだ思ったとおりにクルマを動かせていません。でも、ジムカーナを始めてから少しずつ上達していくのも分かりますし、それが面白いですね」
今年は全戦に出場するのではなく、今回のスナガワラウンドは今年で3戦目。今後は鈴鹿ラウンドとおおむたラウンドに出場予定ということだ。

「N3クラスの選手がスピンしたのを見てしまい、怖くなって踏めなくなってしまいましたが、今回の雨はいい経験になりました。北海道に来た甲斐がありましたね」と言うように成績はクラス7位に終わったが、「目標は地区戦チャンピオンと全日本6位入賞です」と、その目標まであと少しのところにまで迫った。「とりあえず長く続けていくことも目標です」と語る佐伯選手、これからも目標達成のために頑張ってほしい。
 
TECHNICAL INFORMATION
北海道を代表するジムカーナコースとして知られているオートスポーツランドスナガワは、もともとは粗い路面が採用されているため、非常に高いグリップを発揮する反面、タイヤへの攻撃性が高いため摩耗も激しいコースとして知られている。パドックから見てコース奥側と手前側では舗装の状態が異なるため、グリップは奥側の方が高い。グリップの高さから考えてもドライ路面であればならADVAN A050のG/Sコンパウンドを選ぶのがセオリーだ。

ただし、今回は地元選手も「これほどの雨はあまり経験したことがない」と言うほどの雨量で、特に第1ヒートのSA2クラスあたりからはかなりのヘビーウェットとなった。はっきり言って、ゴムのグリップを確保できる雨量を超えてしまったとも言えるほどの雨量だった。

朝のスタート前の段階ではG/SコンパウンドとG/2Sコンパウンドで迷う選手もおり、第2ヒートも含めた戦略を立てていたが、第1ヒートの中盤以降は雨量が大幅に増えたこともあり、結果としてG/2Sコンパウンドを選択したドライバーが多かった。
N2クラスやSA1クラスでは、フロントにG/Sコンパウンドを装着する選手が多かったが、それはFF(前輪駆動)がフロントで転舵と駆動を受け持つことで早く発熱するからだ。とはいえ、今回は事前に同コースでの雨のデータが極端に少なかったことも、結果に少なからず影響したと言える。
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