■Nクラスから昇格を果たした2012年シーズン、
田中弘監督や金石勝智代表のアドバイスも効いての初勝利! - 野尻智紀 選手
F3デビューの昨年は、Nクラスで最後までタイトルを争うも、千代勝正選手と同ポイントながら優勝回数の差で2位に甘んじていた野尻智紀選手。今年はNクラスから昇格を果たし、総合優勝を争うこととなったが、しばらくは表彰台に上がるのがやっとという展開が続いていた。
しかし、前回のもてぎラウンド第8戦で2位につけ、ようやく状況が上向きに。今回の岡山ラウンドは2戦とも予選を決めて、フロントローから決勝に挑み、ポールポジションを奪った第10戦では、ついに初優勝を飾ることとなった。
「チームがすごくいいクルマを準備してくれた」のが最大の勝因というが、ポテンシャルを最大限に引き出せたのは、やはり自分の中にあるはず。そのあたりをたずねてみると……。
「僕の中ではクルマも自分も、もてぎから調子が良かったんです。岡山も昨年は調子が良かったので、正直、今回は自信がありました。さらに夜、ご飯を食べながら田中(弘)監督や金石(勝智)代表が、すごく親身になってドライビングをレクチャーしてくれて、そのおかげで自分のドライビングを見つめ直せたような気がします。
金曜日の練習はドライビングが間違っていたから、午後のセッションでタイムが出なかったんですが、その間違いに気づいたことが、自信にもつながりました。『これでレースも大丈夫』と」
レース中にも毎周のように田中監督の励ましを受け、第10戦では4秒近くあった差を、平川選手に詰められ続けたものの、前向きな気持ちを保って逃げ切れたという野尻選手。唯一にして最大の弱点だったメンタル面も、この初勝利でかなり克服できたのではないか。それを実証するためには、残り5戦どれだけ勝ち星を築けるかにかかっている。もちろん、まだチャンピオン獲得の権利も、わずかながらとはいえ残しているだけに!
なお、ホンダエンジンユーザーによる勝利は、09年の第12戦もてぎのケイ・コッツォリーノ選手以来。実に3年ぶりとなる。