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Japanese F3 Round 9&10
開催日
2012年8月25日-26日
開催場所
岡山国際サーキット(岡山県)
天候/路面
第9戦 : 晴れ/ドライ
第10戦 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
第9戦 : 18周
第10戦 : 25周
(1Lap = 3.703km)
参加台数
14台
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熱戦続く全日本F3選手権も、いよいよ後半戦に突入。第5ラウンド/第9戦&第10戦が岡山国際サーキットを舞台に、8月25日から26日にかけて開催された。
かつてF1グランプリも行われたテクニカルサーキットの岡山国際サーキットは、コースと観客席が近いことでお馴染み。ファンにとっては臨場感に富み、ドライバーにとっては熱い声援が伝わりやすい、サーキットが一体となって刺激に満ちあふれることでも知られている。

8月も下旬ながら残暑どころか、レースウィークはまだまだ猛暑というべきコンディション。どうやら、もうしばらくは暑さに関して一息つくことは許されないようだ。
さて、この岡山ラウンドにおける最大の話題は、快進撃を重ねる平川亮選手に、早々と王座決定の可能性が生まれたことだった。連勝してなお、ライバルの動向を見なければならないものの、ここまで8戦6勝、目下4連勝の勢いからすれば、むしろ決めてしまうのではと思わせたほどだ。

だが、その平川選手の前に立ちはだかったのが、野尻智紀選手だった。金曜日に行われた練習走行のセッション1ではトップに。セッション2では平川選手がトップで、ターゲットタイムとなる1分26秒921を叩き出して上回ったものの、一時とはいえ強敵を封じ込めたことで野尻選手は、マシンの仕上がりの良さを確認するとともに、自信を得ることにもなっていた。

明けて土曜日、やはり厳しい暑さとも相対することとなった予選では、平川選手がいきなり1分29秒台に乗せてリードする。2周目のアタックで中山雄一選手が1分26秒676をマークしてトップに立つが、その後の伸びを欠いてしまう。
その間、1周クールダウンを入れた平川選手が再度アタックをかけて1分26秒539をマーク。そして、後半重視で攻め続けていた野尻選手も、1分26秒662で中山選手を上回る。
その結果、第9戦は平川選手が7回目のポールを奪い、野尻選手、中山選手の順でグリッドに並ぶことになった。

続く第10戦の予選は、野尻選手が素早くアタックをかけて1分26秒096を叩き出し、1分26秒392の平川選手を上回ることに成功。ともに攻め続けて、さらなるタイムアップを狙ったものの、高温にさらされた路面はそれ以上の短縮を許してはくれなかった。
アタックのタイミングをずらしていた山内選手がラストラップに自己ベストを記録するも、1分26秒616で野尻選手、平川選手を上回ることはできず。その結果、野尻選手が初のポールポジションから、第10戦に臨むこととなった。

一方、Nクラスでは2戦ともに佐々木大樹選手がトップ。第9戦こそ1分27秒211で、ランキングのトップをともに争う平峰一貴選手と1000分の5秒差だったが、第10戦ではクラスで唯一26秒台の1分26秒733にまで叩き込み、今度はコンマ3秒の差をつけていた。しかも、間にはラファエル・スズキ選手も挟んで、俄然決勝レースを有利に戦える構えに。3番手は2戦ともにギャリー・トンプソン選手が獲得している。

土曜日の最終スケジュールとして行われた、決勝レース第9戦。スタート進行の開始は13時05分ながら、暑さには衰えはなく、気温は34度、路面温度は57度に。18周、いかにタイヤをコントロールして走るかも、重要なポイントとされた。
注目されたスタートは、クラッチミートのタイミングは野尻選手の方が早かったが、グリッドの利を活かして平川選手はトップを死守。3番手も中山選手、4番手もラファエル・スズキ選手、5番手も山内選手で予選のまま変わらず。オープニングラップのうちにほぼ1秒の差をつけた平川選手ながら、続く野尻選手も意地を見せた。2周目にはファステストラップとなる1分28秒403をマークし、これは最後まで平川選手にも破られず。
序盤はしっかりタイヤをセーブして走り、中盤からはじわじわと差を広げていった平川選手が、ついに5連勝、7勝目をマーク。続く第10戦も勝てば、タイトルが手に入る公算が一気に高まることに。2位は野尻選手、3位は中山選手で、上位陣に順位の変動はまったくないレースではあった。

一方、Nクラスでは「普通にスタートが切れた」と佐々木選手。逆に平峰選手はトンプソン選手、勝田貴元選手の先行を許してしまう。2周目には勝田選手を抜いた平峰選手ながら、トンプソン選手には封じ込められて、なかなか前に出ることができず。だが、12周目の2コーナーでトンプソン選手のスロットルが突然スティックしてコースアウト。その隙を逃さず、平峰選手は2番手に浮上したが、その時すでに佐々木選手は3秒以上先方に、
その後、差を1秒2にまで詰めこそしたものの、佐々木選手の脅威とはなり得ず。今季4勝目を佐々木選手がマークした。トンプソン選手も何とか3位で踏み留まることに。

日曜日に行われた決勝レース第10戦は、10時15分からのスタート進行で、気温31度、路面温度は41度と、第9戦に比べれば穏やかなコンディションになったものの、25周にも及ぶことが重要なポイントに。体力や集中力をいかに保てるかも試されるレースとなった。

スタートダッシュは2番手の方が優ったが、ポールシッターがしっかり1コーナーにトップで飛び込む光景は、まるで第9戦の再現のよう。しかし、違ったのは野尻選手が平川選手を従えたということだ。
一方、その後方では1コーナーにインから中山選手、間に山内選手、そしてアウトからリチャード・ブラッドレー選手が飛び込んでいったが、山内選手とブラッドレー選手が接触! ブラッドレー選手がその場でストップしてリタイア、山内選手も復帰なったが、大きく順位を落としてしまう。これで中山選手が3番手に、そしてスズキ選手が4番手に浮上。

トップの野尻選手は1周目のうちに平川選手をコンマ9秒引き離し、なおもプッシュを絶やさない。2周目、3周目とファステストラップを連発した後も、アクセルを踏み込み続けて7周目には3秒8のリードを築く。そこがピークで、以降は平川選手のペースが上回るようになるが、野尻選手もミスなく走って接近を許すのみ。最後は1秒を切るまでとされたが、逃げ切りを果たして野尻選手が初優勝。平川選手が2位に。
そして最後まで激しく繰り広げられた中山選手とスズキ選手による3番手争いは、最終ラップのアトウッドコーナーでバックマーカーに行手を阻まれた中山選手が、わずかながらも失速。これを逃さずとらえて鈴木選手が逆転を果たす。その結果、103ポイントにまで達した平川選手に対し、中山選手と野尻選手が45ポイントで並んだことで、王座決定を次回以降に持ち越されることとなった。

Nクラスではまたも佐々木選手がスタートを決めて、トップからレースを開始。しかし、負けず劣らずのスタートで平峰選手も背後に食らいつく。2周目まではテール・トゥ・ノーズ状態で争うも、そこから先はじわりじわりと差が広がるように。さらに11周目からは追い上げてきた山内選手が、2台の間に割って入る。すでに力を使い果たしていた山内選手は、佐々木選手を抜き去ることはできず、結果的に平峰選手に対して壁となってしまう。
逃げ切った佐々木選手は、これで3連勝、今季5勝目をマークした。2位は平峰選手で、3位は勝田選手が獲得している。
 
Driver's Voice
平川亮 選手
 【今回の成績 : 第9戦 優勝 / 第10戦 2位】
抜きづらいコースなので、スタートをきっちり決めることを心掛けていましたが、第9戦はそれを完璧にこなせていいレースができたと思います。予選に比べると、路面温度が高くてタイヤの磨耗などを気にして走っていましたが、それも想定内におさめて最後まで問題なく走れました。
でも、第10戦は悔しいレース。レース後半に、クルマのセットを合わせていたのですが、思ったより近づかず、抜くまでにはいたりませんでしたから。しかも、バックマーカーに2回も引っかかってしまいましたが、それは仕方ないんで。
次のSUGOでは、またしっかりトップが狙えるように頑張ります。
野尻智紀 選手
 【今回の成績 : 第9戦 2位/ 第10戦 優勝】
前回のもてぎラウンドからチームが、いいクルマを与えてくれたので、第9戦ではスタートで前に出ることを狙っていました。でも、逆転できず、最初の1〜2周をプッシュしたことでファステストラップは獲れたけれど、後半のペースの落ち込みは平川選手よりも大きかったように思います。
第10戦はポールからのスタートとあって、スタートを決めることが大前提、というより普通にスタートが切れて、その後も落ち着いて走ることを心掛けました。序盤のうちに約4秒ギャップを広げたのですが、終盤はミスが出始めて、ペースの上下も激しくなってしまったので、一気に差を詰められたんですが……。
苦しいのは自分だけじゃないと、言い聞かせて何とか逃げ切ることができました。
佐々木大樹 選手
 【今回の成績 : 第9戦 7位(Nクラス 優勝)/ 第10戦 5位(Nクラス 優勝)】
金曜日の練習走行から調子は良くて、中古タイヤでもペース良く走れていたので、スタートを決めて序盤からプッシュすれば逃げ切れる自信がありました。第9戦のスタートは普通でしたが、その後のペースも良かったんで、しっかり優勝することができました。
第10戦でもスタートはしっかり決めることができて、トップのまま1コーナーに向かったんですが、目の前のアクシデントに巻き込まれそうになってしまって……。ギリギリで避けられたんですが、そのことで平峰選手の接近を許してしまいました。
それでも、ファステストラップも獲りたかったから、必死にプッシュして、ある程度のマージンができてからは自分の走りを心掛けることもできたし、うまくタイヤを最後まで遣うこともできて、いいレースができたと思います。
 
FEATURED DRIVER
■Nクラスから昇格を果たした2012年シーズン、
 田中弘監督や金石勝智代表のアドバイスも効いての初勝利! - 野尻智紀 選手


F3デビューの昨年は、Nクラスで最後までタイトルを争うも、千代勝正選手と同ポイントながら優勝回数の差で2位に甘んじていた野尻智紀選手。今年はNクラスから昇格を果たし、総合優勝を争うこととなったが、しばらくは表彰台に上がるのがやっとという展開が続いていた。

しかし、前回のもてぎラウンド第8戦で2位につけ、ようやく状況が上向きに。今回の岡山ラウンドは2戦とも予選を決めて、フロントローから決勝に挑み、ポールポジションを奪った第10戦では、ついに初優勝を飾ることとなった。
「チームがすごくいいクルマを準備してくれた」のが最大の勝因というが、ポテンシャルを最大限に引き出せたのは、やはり自分の中にあるはず。そのあたりをたずねてみると……。

「僕の中ではクルマも自分も、もてぎから調子が良かったんです。岡山も昨年は調子が良かったので、正直、今回は自信がありました。さらに夜、ご飯を食べながら田中(弘)監督や金石(勝智)代表が、すごく親身になってドライビングをレクチャーしてくれて、そのおかげで自分のドライビングを見つめ直せたような気がします。
金曜日の練習はドライビングが間違っていたから、午後のセッションでタイムが出なかったんですが、その間違いに気づいたことが、自信にもつながりました。『これでレースも大丈夫』と」

レース中にも毎周のように田中監督の励ましを受け、第10戦では4秒近くあった差を、平川選手に詰められ続けたものの、前向きな気持ちを保って逃げ切れたという野尻選手。唯一にして最大の弱点だったメンタル面も、この初勝利でかなり克服できたのではないか。それを実証するためには、残り5戦どれだけ勝ち星を築けるかにかかっている。もちろん、まだチャンピオン獲得の権利も、わずかながらとはいえ残しているだけに!

なお、ホンダエンジンユーザーによる勝利は、09年の第12戦もてぎのケイ・コッツォリーノ選手以来。実に3年ぶりとなる。
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