■初優勝のベースにあるのは強い精神力!
ライバルとの切磋琢磨で、さらなる飛躍を目指す平峰一貴選手
今回のもてぎラウンドで連勝を飾った平峰一貴選手は、FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)出身のルーキー。強豪ひしめくクラスにおいて、わずか3戦目で初優勝を飾った躍進が期待されるドライバーでもある。
しかし、そのFCJでは決して輝かしい成績を収めたわけではない。
1年目の2010年はランキングこそ3位だったものの、優勝には恵まれず、勝負をかけた2011年も前半戦こそ6戦3勝と好調だったものの、その後マシンにトラブルが相次いで最終的なランキングは4位に。結果だけの評価であれば、ステップアップには値しなかったかもしれない。
評価されたのは走りの内容であり、また強い精神力であったのは間違いないだろう。厳しい状況においても諦めることなく。プッシュし続けていたことを「見る人は見ていた」からこそ。
開幕ラウンドの鈴鹿でこそ、3年目の佐々木大樹選手に2戦とも封じ込められ、2位に甘んじた。だが、そんな状況の中でも背後から経験豊富なドライバーの技を盗むことも忘れず、身につけたことをしっかり今回の2レースで表現した。
「監督を始め、チームの人たちといろいろ話し合って、それをレースで試すことができているので、毎回すごく勉強になります。単純に走り方だけでなく、自分の気持ちの持ち方とか。初優勝も嬉しかったんですけど、バトルしていなかったから、何かそういう気持ちがどこかに行っていたんですよ。でも、2勝目はしっかりバトルできたんで、本当に心から嬉しいというか。これからもいっぱい勉強して、もっと強いドライバーになりたいと思います」
今後しばらくは佐々木選手とマッチレースを続けるであろう平峰選手。ライバル同士、切磋琢磨し合って、日本のレースを支える存在にまでなることが期待される。