■2年前の衝撃再び!
18歳1か月の若さでデビューウィンを果たした平川亮選手
記録破りのドライバーが登場した。鈴鹿サーキットが舞台の開幕ラウンドにおいて、連勝を飾っただけでも大きな話題なのに、それがルーキーによって達成されたのだから。言うまでもなくデビューウィンで、F3では1991年の道上龍選手、2004年の中嶋一貴選手に続く3人目の記録である。
その記録を達成した、平川亮選手がしかも18歳のドライバーだと言えば!
誕生日は1994年3月7日だから、正確にはこの週末で18歳1か月。これは間違いなく全日本選手権レースにおける、最年少優勝記録であるはずだ。
それだけではない。平川選手にはもうひとつ記録がある。
今から2年前の、ちょうどいま時分。カートレースで実績を残したドライバーに対しては、16歳以上であれば、限定A級ライセンスが発給され、Super-FJやF4、FCJに参戦することが可能。彼はこれを手にしてSuper-FJ・富士シリーズの開幕戦に出場し、やはりデビューウィンを果たしている。16歳と1か月で獲得した勝利は、おそらく未来永劫やぶられることはないのではないか。
この時、履いていたタイヤも今日のF3同様、ADVANであり、何か浅からぬ縁を感じずにはいられないし、この時から一躍注目のドライバーにもなった。この年から参戦したFCJも、今年で3年目。開幕ラウンドでは連勝を飾って、もちろんのことランキングのトップ。昨年はまた、F4西日本シリーズでチャンピオンを獲得している。少なくとも記録に残るドライバーではある。F3という舞台で結果を残したからは、もう確実に記憶にも残るはず。
第2戦の予選でポールポジションを獲得した後、「得意のウェットでしたから、何とかなりましたけど、ハンドルが重いので、決勝がドライになったら厳しいでしょう。腕が5周で上がってしまうので……」と語っていた平川選手だが、決勝レースは2戦ともドライコンディション。第1戦は上位の脱落にも助けられた格好ではあったが、より周回数の長い第2戦はポール・トゥ・ウィンだ。
「気にしていた体力は?」とたずねると、「そこは気合いで。頑張りました」と。集中していたからこそ、不安など一切吹き飛んでしまったのだろう。
全日本F3選手権に、いや日本のレース界に、またひとり気になるドライバーが現れた!