■SC3クラス : 田口勝彦 選手
1990年、18歳の時にダートトライアルを始め、20歳で全日本チャンピオン(当時のA4クラス:三菱ランサーエボリューションT)を獲得し、その後は三菱ワークスの一員として海外ラリーに参戦。
1999年と2006年にはFIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)のシリーズチャンピオンを獲得した田口勝彦選手は、日本を代表するトップラリードライバーのひとりだ。
その田口選手が全日本ダートトライアルに復帰し、その走りに注目を集めたが、電気系トラブルによるエンジン不調により、その実力を発揮するに至らなかった。
「改造クラスに装着が義務付けられているカットオフスイッチが不調になったのが原因です」と田口選手。
シェイクダウンテストも「まるでプールになったような丸和で1回走ったのみで、その後はエンジントラブルもあってなかなか走り込む機会が少なかったんです。今回はセッティング不足であることは確かだったので、ノーマルエンジンとノーマルCPUの書き換えタイプのCPUを装着してきましたが、それでも初期トラブルを抑えることができませんでした。すべてが準備不足でしたが、今はとにかく焦らず、まずはマシンもドライバーも走り込むことが重要だと思います。久々のダートトライアルでしたけど、スタートに並んでいる時の緊張感とか集中力というのは、今も昔も一緒ですね。海外ラリーとは走る距離がまったく違いますが、長距離も短距離も、走る前の気持ちの作り方は一緒です。リラックスした状態で集中するという感じですね」
本番を終え、「ダートラコースを2本ともゆっくりと走ったのは生まれて初めての経験」という田口選手だが、どんな結果に終わっても、注目を集める選手のひとりであることは確か。ダートトライアルの活性化にはかかせない選手のひとりとして、今後の活躍に期待したい。