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JDC Round 1
開催日
2012年3月25日
開催場所
丸和オートランド那須
(栃木県)
天 候
晴れ
路 面
ハーフウェット → ドライ
参加台数
144台
(ヨコハマタイヤ装着車 32台)
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2012年の全日本ダートトライアル選手権は、栃木県の丸和オートランド那須での開幕を皮切りに、全7戦が開催される。2009年以来、3年ぶりの開幕戦を迎えるこの時期の丸和は、周囲の山々にはまだたっぷりと雪が残っている状況。
この日も、天候は晴れで気温が10℃前後と穏やかだったものの、肌に突き刺すような冷たい風が吹き荒れるといった状況だった。

コースレイアウトは、丸和特有の高速S字区間やストレート区間を積極的に採り入れたハイスピード設定となった。だが、勝負どころは後半のテクニカルセクションで、特にゴール手前に360度の島回りでタイムロスしてしまい、涙を飲んだ選手も多かったようだ。

今年の丸和の大きな特徴は路面だ。
ここ数年、路面の荒れや大きな根石がドライバーを苦しめるシーンが多かったが、今年は路面を全面的に改修。「特に今回のコースレイアウトを昨年末にあらかじめ決めておいて、年末から今年にかけてその部分を徹底的に補修しました」と主催者が語るように、最後まで路面が掘れることはなく、特に2本目は水捌けの良い超硬質ダートが現れ、大幅なタイムアップが期待された。

また、例年はドライ路面となれば散水を行わないと猛烈なホコリが舞い上がることでおなじみの丸和だったが、今回はドライ路面でもホコリの量は適度に抑えられ、散水も各ヒートの前に1回ずつ行われたのみ。ただし、第1ヒートは前日の雨による水たまりが部分的に残るという状況となり、刻々と変わる路面状況をどう読むかが勝敗の鍵を握った。

この路面状況を完璧に読み切ったのが、SA2クラスの荒井信介選手だ。
「第1ヒートは、路面的にはADVAN A035でも行けそうな状況だったけれど、温度が低かったことと、一部に水たまりが残っていたこと、それとなによりも勝負所であろうゴール手前の島回りの路面がまだ砂利が掃けていないという状況から、ADVAN A031をチョイスしました」と荒井選手。
この選択が見事に当たり、1本目のベストタイムをマーク。2本目も「ADVAN A035とADVAN A036のどちらかで悩んだけど、タイム的にはADVAN A036の方が期待できる」とADVAN A036を選択し、クラス全体のタイムが一新した2本目にもベストタイムを更新し、結果的にはトップの座を一度も譲ることなく、開幕戦を制した。

一方、Dクラスに参入した谷田川敏幸選手も、路面状況を確実に捉えていた。
「第1ヒートは、ADVAN A035の路面だったかもしれないけど、Dクラスが走行する頃にはラインが狭いながらもADVAN A036で行ける路面も出てくる。その路面をしっかりと捉えられれば、ADVAN A036の方がタイムアップできる可能性があると考えた。
もちろん、2本目は確実にADVAN A036の路面になるから、こういった状況の時は第2ヒートに合わせるという意味も込めてADVAN A036を選択する」と谷田川選手。結果的には第1ヒートは2番手だったが、第2ヒートでの逆転を十分に期待させるトライでもあった。

そして2本目、中間ラップでトップタイムを刻んだ谷田川選手だったが、後半の島回りをわずかにオーバースピード気味で進入。ここでのタイムロスが響き、2位となった。「Dクラス移籍緒戦だっただけに、キッチリ勝ちたかった」と谷田川選手。第2戦九州ラウンドでのリベンジに期待したい。

その谷田川選手がいなくなったSC3クラスには、炭山裕矢選手がエントリーしてきた。今ではアジア・パシフィックラリー選手権で活躍するなど、ラリードライバーとしてのイメージが強い炭山選手だが、1999年は全日本ダートトライアル選手権のC2クラス、2001年はA4クラスのチャンピオンという実力の持ち主だ。その炭山選手が、第1ヒートからライバルを圧倒した。

「今回はキャロッセのワークスチームとしてではなく、社内の有志たちが集まって自動車部的なノリで出場したんです。このクルマも、丸和を走るのは初めて。ちゃんと走るのか、ちょっとだけ心配でした(笑)」と、リラックスモードの炭山選手だったが、第1ヒートは2位に2秒もの大差を付けるベストタイムをマーク。
続く第2ヒートも、「実はADVAN A036を本番で履くのは初めて」と言いながらもベストタイムを更新し、トップを譲ることなく開幕戦を制した。
「出場するのは今回限りのつもりでしたが、ダートトライアルの緊張感もやっぱり面白いし楽しかった。また機会があれば出場したいですね」と炭山選手。全日本ダートトライアル選手権の出場は10年ぶりとなるが、10年のブランクを感じさせないほどの強いインパクトを与えてくれた。

参加台数が一気に倍増し、一躍人気クラスとなったPNクラスは、N2クラスから移籍してきた佐藤秀昭選手が第1ヒートのトップタイムを奪うが、第2ヒートの島回り区間の進入をオーバーランしてしまい一気に9位までポジションダウン。第2ヒートも中間地点まではベストタイムを刻んでいただけに、無念の開幕戦となってしまった。

優勝は、第1ヒートでは2位につけていた太田延昭選手が奪った。
「第1ヒートで島回りを失敗していたので、第2ヒートはそこだけ気を付ければ逆転可能だと思っていました」と太田選手。Z23Aコルトでは3勝目となる開幕戦優勝を飾り、幸先の良いシーズンスタートを切った。
 
Driver's Voice
太田延昭 選手
 【今回の成績 : PNクラス 優勝】
第1ヒートはADVAN A031を装着しました。感触は良かったのですが、最後の島回りでミスをしてしまい2位だったんです。でも、逆にここでのロスを考えると、2本目はイケるかなとも思いました。
第2ヒートはADVAN A035です。前半の高速セクションをキッチリ走れたので、正解だったと思います。実は第2ヒートも島回りの進入をオーバースピードで入ってしまい失敗したんですけど、ここでのロスを最小限に抑えることができたのが勝因だと思います。
こういうコンディションの時はまだまだコルトでも勝てるということを実証できたのが、なによりもうれしいですね。
荒井信介 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝】
第1ヒートはADVAN A035を予定していたのだけれど、路面状況を考えてADVAN A031に変更しました。外周のハイスピード区間はトラクション重視の走りに徹して、路面の砂利がまだあまり履けていないテクニカル区間で勝負しようという作戦が、結果的には功を奏しました。
ADVAN A036を装着した第2ヒートも基本的には同じ戦略で、最後の島回りをキッチリ抑えるというのが最も難しいところだったと思います。
こういったハイスピードレイアウトの場合、メリハリが大事なことはもちろん、路面状況もいつもと変わっていたので、完熟歩行で水たまりや砂利の量をチェックするだけでなく、出走前までどう路面が変わっていくのかを、コースをしっかり見て判断するのが重要だと思います。
炭山裕矢 選手
 【今回の成績 : SC3クラス 優勝】
第1ヒートはADVAN A035で、第2ヒートはADVAN A036を装着しました。
実はADVAN A036を実戦で使うのは初めてだったのですが、固い路面に乗せた時のグリップ力がバツグンでしたね。正直、パワーが食われるくらいでしたから(笑)。ADVAN A036の路面の食い方って、こういう感じなのかということが分かっただけでも、貴重な経験ができたと思います。
今回は社員チームで出場したので、いつもとは違う楽しいプレッシャーというか、自分自身エンジョイすることができました。また機会があれば出場してみたいですね。
谷田川敏幸 選手
 【今回の成績 : Dクラス 2位】
最後の島回りをオーバースピードで入ってタイムロスしたのは、明らかに自分のミス。結果的にはここでのミスが大きかっただけに、悔しいですね。まだSC3クラスの出走順が体に染みついていて、出走前の準備など、間が持たなくて調子が狂ってしまっている。早い時点で修正して、もっと集中しなきゃね。
第1ヒートは確かにADVAN A035の路面だったかもしれないけれど、ADVAN A036が効く路面があったんだよね。自分は本来、アウト目一杯から進入するタイプなんだけど、ラインが狭いなら狭いなりに修正することも必要。
そういった意味では第1ヒートのトライは正解だったと思う。次はしっかりリベンジしたいね。
星盛政 選手
 【今回の成績 : N3クラス 3位】
第1ヒートはADVAN A031を装着しました。この時点でもう勝負は第2ヒートだろうと思っていたので、第1ヒートは特にクルマを壊さないようにという思いだけで走りました。なにせ、昨年の丸和でクラッシュしていますから(笑)。
第2ヒートはADVAN A035とA036のどちらかで悩みましたが、N3クラスが走る頃はまだ路面の一部が濡れている状態だったので、ADVAN A035を選択しました。自分自身、あまりADVAN A036を履いたことがないということもあるのですが、結果的にはこの選択は自分にとって正解でしたね。
星野悟 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 4位】
久々に上位に食い込むことができました。
昨年までN3クラスで走っていたのですが、今年からSA2クラスに移りました。違いは、やっぱりタイヤですね。N3クラスの場合は、出走順の関係で散水してからそれほど時間が経っていないケースが多いので、ADVAN A036を履くことは少なかったですが、SA2クラスの場合は履くことができる。実は昨年末からいろいろテストしていたんです。
こういった路面や気温の場合、ADVAN A036が履けるって。その成果が出たのでうれしいですね。N3クラスでも最上位は4位だったので、今度は表彰台目指して頑張ります。
 
FEATURED DRIVER
■PNクラス : 佐藤秀昭 選手

これまで、一貫してN2クラスに参戦していた2010年N2クラスチャンピオンの佐藤秀昭選手が、今年はDE5FSデミオにスイッチし、PNクラスへ移籍してきた。
第1ヒートは、下馬評どおりベストタイムをマーク。元チャンピオンの実力をしっかりと魅せてくれた。

「今までブーンやストーリアといったコンパクトな4WDターボ車に乗ることが多かったけれど、デミオに乗り換えても違和感はなかったですね。ストレートはちょっと遅いかなと思うくらいで、コーナーが続けば十分速いですから。ハンドルをこじると止まってしまうくらい遅くなるけど、これはブーンやストーリアと一緒。だから運転はラクですね。これまでの経験が活きていると思います。

タイヤも一緒で、第1ヒートのADVAN A031は丁寧に走ることが重要。僕のドライビングにも合っているので、ベストタイムを獲れたのだと思います。逆に2本目は、完全に僕のミス。オーバーランした島回りは、自分的にはオーバースピードという感覚はなく、曲がるつもりでした。

でも、実際にはそこの路面だけが散水量が多く、曲がり切れなかった。実は2本の完熟歩行が終わったあとに、もう一回島回り付近を散水したようだけど、その時の散水状況が分からないままだった。
ドライビングミスというよりも、判断ミスでしたね。いろいろ課題も見つかってきたので、次はしっかりとリベンジしたいと思います」

と佐藤選手。PNクラスの台風の目となるのは間違いない存在だ。
 
TECHNICAL INFORMATION
大幅な路面改修があったことにより、砂利の量も昨年までの丸和よりも多く、1本目の前半ゼッケンはADVAN A031、後半ゼッケンはADVAN A035のSコンパウンドがベターな選択となった。

2本目は路面の砂利が履け硬質ダートとなったが、気温が低かったことも影響して路面の乾きが思ったよりも遅く、前半ゼッケンがADVAN A035のSコンパウンド、後半ゼッケンがADVAN A036という選択となった。

4WDクラスでいえば、前半ゼッケンN3クラスがADVAN A035、後半のSA2クラス以降がADVAN A036を装着する選手が多かった。いずれにしても低温域でもしっかりとタイヤのパフォーマンスを発揮することができた。
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