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IRC Round 9
開催日
2012年8月31日〜9月2日
開催場所
ズリーン市近郊 (チェコ)
天候/路面
LEG1:
曇→雨/ドライ→ウェット
LEG2:
雨→晴/ウェット→ドライ
ターマック(舗装路面)
SS総距離
251.62km (15SS)
総走行距離
587.46km
参加台数
111台(IRC部門)
(ヨコハマタイヤ装着車 3台)
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2012年のIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)第9戦「バルム・チェコ・ラリー・ズリーン」が8月31日〜9月1日、チェコ南東部のズリーンを舞台に開催。トミ・マキネン・レーシングでスバルWRX STI・R4を駆る新井敏弘選手およびヤルコ・ニッカラ選手らも同ラウンドにチャレンジした。

1971年に初開催を迎えた同イベントは今年で42回目の開催を数える伝統のターマック(舗装路面)戦で、IRCはもちろんのこと、ERC(ヨーロッパ・ラリー選手権)においても名物イベントとして定着している。
ヘッドクォーター(大会本部)はスロバキアに面したチェコ南東部の地方都市、ズリーン市に設けられ、その西に位置するオトロコヴィスにサービスパークを設定。ステージはその周辺の森林に設けられたターマックロードだ。
いずれも中高速コーナーを中心とするワイディングで、クレストによる激しいアップダウンが特徴的。さらに路面がバンピーで、砂利の浮き出たスリッピーなセクションも多い。

そのため、毎年のようにクラッシュが続出するサバイバルラリーが展開されるなど、まさに同イベントはIRCのなかでも過酷な一戦となっているのだが、第4戦「ツール・ド・コルス」でプロダクションカップの2位に付けた新井選手、および第7戦「ラリー・サンマリノ」でプロダクションカップを制したニカラ選手はともに初挑戦にも関わらず、31日の午前中にドライ路面で行われたシェイクダウンではターマック用ラリータイヤ「ADVAN A006T」のミディアムコンパウンドを武器に順調な走りを披露していた。

しかし、同日の夜、ズリーン市の市街地を舞台に争われたスーパーSS(スペシャルステージ)のSS1「SSS Zlin(9.36km)」では両ドライバーともに苦戦を強いられる。激しい雨が路面を照らしたことから、両ドライバーともにADVAN A006Tのスーパーソフトコンパウンドを装着していたのだが、車高を低くしすぎたことで新井選手は総合38番手タイム/プロダクションカップ18番手タイムに低迷。一方のニカラ選手は総合11番手タイム/プロダクションカップ3番手タイムをマークするものの、シフトミスによりギアボックスにトラブルを抱えることとなった。

そのため、ニカラ選手は翌9月1日、レグ1の朝のサービスでギアボックスの交換を強いられたことからタイムコントロールを遅着し、計60秒のペナルティを背負うことになる。まさにトップ争いから脱落したかのように見えていたのだが、ニカラ選手はここから脅威の追い上げを披露した。

レグ1の午前中は厚い雲に覆われ、路面はウェットとドライが混在する難しいコンディションとなるなか、ニカラ選手はADVAN A006T のスーパーソフトコンパウンドを武器にSS2「Slusovice1(15.94km)」で総合11番手タイム/プロダクションカップ・トップタイムをマーク。続くSS3「Pindula1(18.43km)」でも総合9番手タイム/プロダクションカップ・トップタイムをマークする。

セカンドループからは雨が降り始め、路面もウェットのセクションが多くなるものの、ニカラ選手はSS4「Slusovice2 (15.94km)」で総合4番手タイム/プロダクションカップ・トップタイムをマークするほか、SS5「Pindula2 (18.43km)」では総合3番手タイム/プロダクションカップ・トップタイムを叩き出すなど、格上のスーパー2000(S2000)仕様車を凌ぐスーパーラップを披露。
SS6「Lukov1 (11.38km)」でもニカラ選手は総合8番手タイム/プロダクションカップ・トップタイムを叩き出すなど爆発的なスプリント能力を披露した。

この結果、総合リザルトでも一時は総合43番手/プロダクションカップ・21番手と出遅れていたニカラ選手が、総合14番手/プロダクションカップ・3番手に浮上する。プロダクションカップのラリーリーダーとのギャップもわずか9秒となっていたことから、首位浮上も時間の問題と思われていたのだが、続くSS7「Tesak1(19.18km)」で予想外のハプニングが発生。スタートから9km地点で足下を救われ、コントロールを失ったニカラ選手はコースアウト。幸い両クルーは無事だったものの、マシンが大破してしまい、そのままリタイアすることとなった。

このようにニカラ選手はレグ1をフィニッシュすることなく、戦線を去ることとなったが、チームメイトの新井選手はADVAN A006Tのスーパーソフトコンパウンドを武器にコンスタントな走りを披露。
サイドブレーキのトラブルに祟られたことから、SS2「Slusovice1 (15.94km)」は総合21番手タイム/プロダクションカップ・6番手タイム、S3「Pindula1 (18.43km)」も総合17番手タイム/プロダクションカップ・4番手タイムに留まるものの、セカンドループで復調。

SS4「Slusovice2 (15.94km)」で総合15番手タイム/プロダクションカップ・4番手タイムをマーク、SS5「Pindula2 (18.43km)」で総合15番手タイム/プロダクションカップ・4番手タイムをマークするなど徐々にペースアップを果たす。
しかし、SS6「Lukov1 (11.38km)」で総合18番手タイム/プロダクションカップ・5番手タイムにペースを落とすほか、SS7「Tesak1 (19.18km)」もコースアウトを喫し、総合18番手タイム/プロダクションカップ・5番手タイムでフィニッシュ。さらにSS8「Lukov2 (11.38km)」でも霧で視界を塞がれたことから総合29番手タイム/プロダクションカップ・12番手タイムに留まるものの、新井選手はその日の最終ステージ、SS9「Tesak2 (19.18km)」を総合14番手タイム/プロダクションカップ・3番手タイムで締めくくり、レグ1を総合15番手/プロダクションカップ・2番手でフィニッシュした。

明けた翌2日のレグ2もファーストループは雨、セカンドループは晴れで路面がめまぐるしく変化するなど過酷なコンディションとなるものの、ADVAN A006Tのスーパーソフトコンパウンドを選択した新井選手は安定した走りを披露している。

SS10「Halenkovice1 (21.40km)」で総合15番手タイム/プロダクションカップ・4番手タイムをマークするほか、SS11「Kudlovice1 (11.42km)」では総合12番手タイム/プロダクションカップ・2番手タイムを叩き出すなど自己ベストリザルトを更新。続くSS12「Majak1 (23.32km)」でも総合14番手タイム/プロダクションカップ・4番手タイムをマークし、ポジションをキープしたままファーストループをフィニッシュした。

そして、新井選手はセカンドループでも好調で、SS13「Halenkovice2 (21.40km)」でも総合12番手タイム/プロダクションカップ・3番手タイムを叩き出している。
しかし、後続の車両がコースアウトを喫し、観客を巻き込む事故が発生したため、主催者は同ステージのほか、残りのSS14「Kudlovice2 (11.42km)」、SS15「Majak2 (23.32km)」のキャンセルを決断。
その結果、新井選手は総合11位で完走を果たし、プロダクションカップで2位に入賞、シーズン2度目の表彰台を獲得した。
 
Driver's Voice
新井敏弘 選手
 【今回の成績 : プロダクションカップ 2位 (総合 11位)】
スピードが速くて道が狭いし、路面もバンピー。それにクレストも多いので本当に難しいラリーでした。金曜日のスーパーSSは車高を低くし過ぎたし、土曜日のファーストループではサイドブレーキが効かなかったので思うように走ることができなかったけれど、それ以外は大きなトラブルもありませんでした。
今大会は金曜日のスーパーSSから雨が降って気温が低かったので、初めてADVAN A006Tのスーパーソフトコンパウンドを装着してみましたが、ウェットとドライが混じっているステージで安定して走れ、コンディションに合っていたと思います。
今大会のステージは本当に難しいので経験値が必要なラリー。実際に地元のドライバーが速さを見せましたが、そのなかでプロダクションカップの2位を獲れたので良かったです。
今大会は事前のテストがありませんでしたが、クルマに関しては前回のコルシカより良くなっていました。ただし、足回りやデフのセッティングを煮詰めることができれば、もっとコーナリングしやすくなると思いますので、この経験を生かして次戦を戦いたいと思います。
ヤルコ・ニッカラ 選手
 【今回の成績 : リタイア】
バルム・チェコ・ラリーは初めてですし、ターマックイベントも3戦しか経験がないので大変なラリーでしたが、シェイクダウンから順調な走りをすることができました。
金曜日のスーパーSSもフィーリングは良かったのですが、シフトミスでギアボックスを壊してしまいました。そのため、土曜日の朝のサービスでギアボックスを交換し、タイムコントロールが遅れたことから60秒のペナルティが加算。逆にそれが良かったのか、トップ争いのプレッシャーはなく、SS2からは思いっきり走ることができました。
マシンのフィーリングも良かったし、ADVAN A006Tのスーパーソフトコンパウンドもコンディションに合っていたので順調な走りができていました。ですが、SS7のスタートから9kmの地点でブラックスポット(低ミュー化した路面)に乗り上げてコースアウト。古い建物のガードにヒットしてしまってリタイアすることになりました。
調子が良かっただけに残念なリザルトになってしまいましたが、十分に手応えを掴むことができたので次戦は頑張りたいと思います。
 
ENGINEER VOICE
今大会は新井選手、ニカラ選手の2台体制でしたが、ターマックイベントはコンパウンドの種類が多いので約400本のADVAN A006Tを用意。ドライ用としてソフト、ミディアム、ミディアムハード、レイン用としてスーパーソフトとスーパースーパーソフトの5種類のコンパウンドをラインナップしました。
シェイクダウンは完全にドライだったのでミディアムを使いましたが、スーパーSSからは雨が降ったり、気温が低いこともあったので結果的に最後までスーパーソフトを装着。路面コンディション的にはウェットのところもあれば、ドライのところもあったりと難しい状況でしたが、両ドライバーともに安定した走りを見せていたので、タイヤ選択としてはベストだったと思います。

残念ながらニカラ選手はリタイアに終わりましたが、抜群のスピードを見せてくれましたし、新井選手も終始コンスタントな走りを披露して、プロダクションカップで今季2度目の2位入賞を果たしてくれました。
それに、技術的に見てもスーパーソフトコンパウンドのパフォーマンスを確認できたことは大きいですね。IRCで本格的にタイヤ開発を行うようになって今年で2年目ですが、実はターマックのウェットは今回が初めて。欲を言えばソフトも確認したかったし、ミディアムを使ってドライで勝負もしてみたかったのですが、スーパーソフトの対応域やスピードを確認できたことは大きな収穫です。この経験を次のターマックラリーに活かしたいと思います。
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