オートポリスは国内有数のテクニカルコースのひとつです。ゆえにタイヤに対しては、高いコーナーリング性能が求められるという特徴があります。中でも終盤のセクター3は、そのほとんどがコーナーによって構成された区間で、マシンとのマッチングによってはタイヤの摩耗進行を早めてしまう可能性も考えられるのです。
こうした特性から、常に安定したグリップを発揮することと、ステア操作に対する応答性の良さが、タイヤ開発のポイントになってきます。
また、もうひとつ今年で言えば、路面改修が行われたことも大きなポイントになります。これまでのオートポリスに比べて路面の荒れやウネリなどが無くなり、コース自体はとてもスムーズになったという印象を受けています。
しかし、事前テストの結果を見ると、昨年の予選タイムを上回っているマシンが多数いたことからも、改修によって路面のμが高くなっていると考えられ、ラップタイムの向上と路面μのアップによって、タイヤへの負荷は昨年以上に厳しくなると予想しています。
さらにオートポリスのレースは、パッシングポイントが多いことからコース上でのバトルが白熱することも多いのです。これは観戦されるファンのみなさんにとっては「とても見応えのあるレース」になるわけですが、一方でタイヤにとっては厳しさを一層増す要因のひとつになります。
こうした要素を全て含めて、レースを戦う上で必要な耐久性を確保させることが重要になってくるのは言うまでもありません。そのため、高いコーナーリング性能と必要十分な耐摩耗性能といったことも、開発のポイントとなってきます。
ただ、残念ながら事前テストの天候が不安定だったこともあり、ロングランの確認が十分にとれていない部分もあります。しかし、シリーズ後半戦の結果が示しているように、ロングラン性能に対する不安は無いと考えています。
最後に私自身とオートポリスについてですが、実はレースでオートポリスを訪れたのは今年の事前テストが初めてなのです。ですから、週末の実戦が2回目ということになりますから、新鮮な気持ちで臨んでいこうと思います。
ちなみに“レースで”とあえて言うのは、全日本ラリー選手権を担当していた頃に足を運んでいるからなのです。1999年の「第16回
ACKラリー」でしたが、この頃はオートポリスを舞台にして全日本ラリーが行われていました。本コースやレイクサイドコース、回によっては場内連絡路などもSS(スペシャルステージ)として使われたんですよ。
■使用するタイヤサイズ
(GT500) 330/710R18、330/710R17
(GT300) 280/650R18、280/680R18、280/710R18、300/650R18、300/680R18、330/680R18、330/710R18、330/710R19