■背水の陣「triple a vantage GT3」がヨコハマタイヤのバックアップを活かし
大逆転勝利でランキングトップに肉薄!
富士での第2戦からアストン・マーティンV12ヴァンテージGT3を投入したA speedにとって、ここまでの道のりはまさに山あり谷あり。6戦出場して完走したレースでは、すべて表彰台に上がっているのに、3戦をメカニカルトラブルでリタイアしているからだ。
だが、完走したレースで高得点を稼ぎ続けていたことからラスト2戦、タイトル獲得の権利を失うことなく臨めることに。ただし、「もう1戦も落とせない」と星野選手が語るとおり、今大会は完全に背水の陣となっていた。
そんな中、今回のレースは予選2番手。「S Road NDDP GT-R」が雨の中、速さを見せ続けていただけに、決勝も水しぶきが絶えず上がる状態だったなら、また違った展開になっていたかもしれない。その意味で、天は彼らに味方した。
「決勝も雨だったら、簡単にはいかないと思っていました」と吉本選手。しかし、スタートを担当する星野選手がトップに食らいついて、やがて逆転に成功。ピットで再逆転を許したものの、相手のトラブルに乗じてトップに立った格好だが、「終盤になって路面状態が変わり、濡れているところが少なくなってタイヤの攻撃性にも変化が出たので、傷めても仕方がないから、最後に仕掛けようと思っていました」と吉本選手。
「スタートの直前までタイヤ選択には悩んで、スリックタイヤも考えたんですが、YOKOHAMAのアドバイスで『インターミディエイトでも保つから』と言われ、その言葉を信じたのが良かった」と星野選手。今回マークした2勝目によって、トップの「HANKOOK
PORSCHE」とは4ポイント差にまで肉薄。つまり、相手の順位を気にすることなく、次戦もてぎで勝てばチャンピオンが決まることとなった。
「ポイント差がほとんどなくなり、勝ったところがチャンピオンになると思います。今回同様もう、最終戦のもてぎでも優勝だけ目指します」と星野選手が言えば、「一樹君はGT300で2回もチャンピオンを獲っているので、獲り方を知っているはず。一樹君の力でチャンピオンをプレゼントしてもらいます!」と吉本選手も自信を伺わせた。
果たして有言実行なるか? 最後の戦いが注目される。