■チームのGT500デビュー戦以来となる3位表彰台を獲得した
「WedsSport ADVAN SC430」掴んだ"軸となるタイヤ"
第6戦の富士で今季初めてノックアウト方式の予選でQ3に進出、今季最高位となる6番手からスタート、見事3位表彰台を勝ち獲った「WedsSport ADVAN SC430」。
序盤から安定したペースで周回を重ね、スタートドライバーのアンドレ・クート選手が前戦鈴鹿の覇者であり、昨年のチャンピオンマシンである「S Road REITO MOLA GT-R」を13周目に豪快にオーバーテイクし2番手に浮上。一時はトップを行く「カルソニック IMPUL GT-R」を射程にとらえると、終始安定したハイペースで周回を続けて後半の荒聖治選手へバトンタッチ。
荒選手も奮闘し、終盤にかけても2位の「S Road REITO MOLA GT-R」を追いつめる好走を見せた「WedsSport ADVAN SC430」は、惜しくもチーム最高位の更新こそならなかったものの、昨年のチームGT500デビュー戦で雨の中激走、いきなりの表彰台を獲得した思い出の富士で、再び3位フィニッシュを飾った。
この週末を迎えるまで、「WedsSport ADVAN SC430」の戦いは平坦なものではなかった。レクサス陣営にあって唯一のADVANユーザーとあって、タイヤ開発に必要なデータ収集も容易ではなかったが、セパン後の鈴鹿テストから12年仕様にシャシーをアップデート。徐々にシャシー側のセットアップが進んで来ると同時に、タイヤとのマッチングも向上。富士の合同テストで手応えをつかんで迎えた週末だった。
決勝のスタート前、「今回の富士はこれまでで一番大きい手応えを感じて、期待を持って臨めるレース」と語ったのは荒選手。
「今回YOKOHAMAが持ち込んでくれたタイヤとのマッチングも凄く良いですし、クルマもだいぶセッティングが進み、一体感が出て来ているので、朝のフリー走行でも満タンの状態でも悪くない。周りがどうか、という部分はありますが、今回は自分たちが出来ることはすべて良いレベルで準備出来ていると思います。あとはしっかりとこの状態を結果に繋げるだけです」
このコメントの数時間後、まさに有言実行というべきクート選手と荒選手の頑張りで、「WedsSport ADVAN SC430」は見事今季初の表彰台を手にする。
「今回のヨコハマタイヤは、これまで僕たちが基準としていたものと比べても、ヨコハマタイヤが目指した一発の速さとロングランでの耐久性が高いレベルでマッチしていることは間違いない。これを新たなベースとして、さらにラインナップの幅を拡げるとか、進化させて行ければ。良い意味で、レクサスというマシンでのヨコハマタイヤの"軸となるタイヤ"が見つかったという感じです」と荒選手。
激戦のGT500にあっては、3位表彰台獲得とはいえまだまだ上を目指してADVANとともに戦いを続ける必要がある「WedsSport
ADVAN SC430」。しかし、今大会で実証された新たな"軸"の方向性の確かさは、チーム、ドライバー、そしてヨコハマタイヤにとっても大きなステップボードとなりそうだ。