■KONDOレーシング、そしてヨコハマタイヤでの初表彰台に立ったビルドハイム選手
これをステップボードに勝利を目指す気持ち新たに
「KEIHIN HSV-010」の予期せぬクラッシュによって導入されたセーフティカーによって、長く暑い戦いの終盤に訪れた千載一遇のチャンスを逃さず、ついに念願の今季初表彰台を勝ち獲った「D'station
ADVAN GT-R」。
中でもひときわこの表彰台を喜んだのは、誰あろうビヨン・ビルドハイム選手だった。
一昨年、レクサス陣営でタイトル争いを展開。昨年からはニッサン陣営に移籍してKONDOレーシング、そしてヨコハマタイヤとともに新たな環境で戦うこととなったが、昨シーズンは4位が2回あったものの、なぜか不運なアクシデントやトラブルにも見舞われ、残念ながら表彰台に立つことなくシーズンを終える。
心機一転迎えた今シーズンも、富士、そしてセパンでは予想外のタイヤバーストに見舞われて開幕3戦はノーポイント。
「クルマにも、タイヤにもパフォーマンスがあるはずなのに、なぜか決勝で問題が起きてしまう。3戦してノーポイントだなんて、予想していなかったよ……」とクールで理知的なその横顔に苦悩の表情を浮かべていたビルドハイム選手だが、前戦SUGOではマシントラブルもあって10位とようやく今季初ポイントを獲得も、若きエース安田選手とのコンビは明らかに喘いでいた。
しかし、ここまでチーム、そしてヨコハマタイヤとともに続けて来た努力がついに実を結び、今大会を前に行われた富士のテストで良いフィーリングを得て波に乗ると、伝統の一戦で終盤に大逆転劇を演じ、ついにKONDOレーシング、そしてヨコハマタイヤでの初表彰台に立ってみせた。
「給油ミスがなければ最低でも2位でフィニッシュ出来たと思う。けれど、そこからひとつだけしかポジションを下げず、KONDOレーシングとヨコハマタイヤでの初の表彰台に立てたことを喜びたい。今週末、優勝した1号車とミシュランは非常に強力だったけれど、ヨコハマタイヤは本当に良いパフォーマンスを発揮してくれたと思う。でも、3位でも2位でも僕にとっては同じ。どちらでも気にしていないよ、狙っているのは優勝だからね」
これで不運続きの流れから脱却したと思えるKONDOレーシングとビルドハイム選手。次戦富士を筆頭に残る3戦では今回よりも上、彼の言葉通り表彰台の頂点へのチャレンジが期待される。