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  ひとつ前にもどる  
SUPER GT Round 4
開催日
2012年7月28日-29日
開催場所
スポーツランドSUGO
(宮城県)
天 候
曇り
路 面
ドライ
決勝周回数
81周
(1Lap = 3,704m)
参加台数
38台
(ヨコハマタイヤ装着車 20台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
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海外ラウンドのマレーシア・セパンを終え、今回から再び国内に舞台を移したSUPER GT。みちのくの山岳コースとして名高い、スポーツランドSUGOでの第4戦は、気温30℃、路面温度50℃を連日越えるような暑さとなる中、マシン、ドライバーはもちろん、タイヤにとっても過酷な状況での戦いとなった。

土曜日の公式予選、GT500のヨコハマタイヤ勢は「D'station ADVAN GT-R」、「WedsSport ADVAN SC430」ともに、惜しくも予選1回目敗退となってしまった。
一方のGT300は10台が生き残るスーパーラップについて、そのうちの実に8台をヨコハマタイヤ装着車が占めて速さを見せる。
途中までトップが入れ替わり続けた激しい攻防となったスーパーラップは、「マネパ ランボルギーニ GT3」2番手を獲得。続く3番手は「apr HASEPRO PRIUS GT」となり、これがJAF-GT勢の最上位。ランキングトップの「ENDLESS TAISAN 911」は66kgものウエイトハンデを積んでなお、4番手につけた。

明けて日曜の菅生も前日同様の暑さとなったが、決勝スタート1時間半前の正午過ぎには予想外のスコールのような降雨が。
このため、路面はいったんウエットとなったものの、10分ほどで降雨がやんだ上、路面温度が高かったこともあり、あっという間に路面状況は改善。8分間のウォームアップのころには部分的に濡れた路面は残っていたものの、スタート進行の間にそれもなくなり、午後2時フォーメイションスタートの決勝は完全なドライコンディションでの戦いとなった。

気温32℃、路面温度42℃でスタートした81周の決勝。GT500ではスタート直後の1コーナーでトップ3台が競り合った結果、2台が絡んでコースアウトからクラッシュ。一気に上位2台が姿を消す波乱の幕開けとなったが、これによりビヨン・ビルドハイム選手の「D'station ADVAN GT-R」は11位、アンドレ・クート選手の「WedsSport ADVAN SC430」も12番手と、ADVANユーザー2台はそろってポジションを上げる。

スタート前、「朝のフリー走行でのフィーリングも悪くなかったし、柔らか目のミディアムコンパウンドを履いてのスタートとはいえそれほど心配していない。30〜35周くらいはこなして安田選手に繋げることが出来れば」と語っていたビルドハイム選手は、序盤から上位陣と遜色のないペースで周回。背後からこの「D'station ADVAN GT-R」を追う「WedsSport ADVAN SC430」のクート選手もペースは良く、ADVANはミディアム、ミディアムハードの両コンパウンドで安定したパフォーマンスを見せた。

ペースはもちろん、タイヤの消耗の点でも期待通りのパフォーマンスを発揮し、予定していた周回数が近づいた34周目、突如11番手を走行していたクート選手が「突然ステアリングが重くなった!」と予期せぬトラブルに見舞われてしまう。このためポジションを落とした「WedsSport ADVAN SC430」は緊急ピットインを強いられてしまい、なんとかトラブルを解消し荒聖治選手がピットアウトも、大きなラップダウンを余儀なくされる。

一方、「D'station ADVAN GT-R」は、予定通りのスティントをこなし、36周目に安田選手へと交代。残りが45周ほどと長いセカンドスティントとなるため、「D'station ADVAN GT-R」はより硬めのミディアムタイヤを履いてピットアウト。安田選手はピットアウト後もトップ10圏内を安定したペースで周回していくが、なんと9番手を走行中の60周目あたりから原因不明の振動が発生。真っすぐ走れないほどの振動に、「D'station ADVAN GT-R」はやむなくペースダウン。このため、一時は25秒ほどのギャップを広げていた10番手「KEIHIN HSV-010」の肉薄を許し、70周目にはついに10番手に後退することに。

しかしながら、安田選手の必死のドライブでそのまま10位でチェッカーを受けた「D'station ADVAN GT-R」は、苦しみながらもようやくここSUGOで今季初ポイントを獲得。一方「WedsSport ADVAN SC430」は荒選手が良いラップタイムを刻んだものの、6周ものラップダウンは埋められず、惜しくも12位での完走にとどまった。

一方、GT500で発生したスタート直後のアクシデントは、GT300の決勝レースにも影響を及ぼした。1コーナーに黄旗が提示され、スタートダッシュによるポジションチェンジが許されなかったからだ。予選トップ車両を先頭に背後が文字どおり数珠つなぎの展開。1コーナーでの黄旗が解除されても、その状態が続いた。

トップグループの中で最も積極的なチャージを見せていたのは「apr HASEPRO PRIUS GT」の新田選手で、何度も何度も「マネパ ランボルギーニ GT3」の青木選手に牽制をかける。しかし、そのつど青木選手はしっかりガードを固めていたこともあり、「apr HASEPRO PRIUS GT」は早めのドライバー交代を決断。28周目には菅生を得意とする嵯峨宏紀選手に後半スティントを託し、しかも左側のタイヤ2本だけの交換に留めてトップに浮上する。31周目には6番手につけていた「GREEN TEC & LEON SLS」が、これがGT100戦目となる竹内浩典選手から黒澤治樹選手に代わり、リヤ2本だけの交換として「apr HASEPRO PRIUS GT」に次ぐポジションに。

37周目には2番手の「マネパ ランボルギーニ GT3」が織戸学選手に、そして38周目には4番手の「ENDLESS TAISAN 911」がピットに滑り込んで峰尾恭輔選手に代わるも、この2台はいずれも給油に時間がかかって約50秒をロスし、「apr HASEPRO PRIUS GT」と「GREEN TEC &LEON SLS」の前に出ることは許されず。逆に千代勝正選手から関口雄飛選手への交代を43周目まで伸ばした「S Road NDDP GT-R」が左側2本交換だったこともあって、一躍3番手に割って入ることとなった。

トップに躍り出た「apr HASEPRO PRIUS GT」の嵯峨選手はリードを広げ続けていたが、やがてペースが鈍り始める。「交換しなかった右側のタイヤが予想以上に摩耗した」ためで、ただでさえハイブリッドシステムを積んで100kg重いことが酷く影響を及ぼしてしまったのだ。そのペースダウンとほぼタイミングを同じくして勢いづいてきたのが「S Road NDDP GT-R」の関口選手。まずは50周目に「GREEN TEC & LEON SLS」の黒澤選手を攻略して2番手に浮上し、さらに57周目には嵯峨選手をも仕留めてトップに立つことに成功する。

そのまま逃げ続けた関口選手に対し、嵯峨選手は徐々に順位を落とし、67周目には「マネパ ランボルギーニ GT3」の織戸選手が3番手に。この結果、2番手の「GREEN TEC & LEON SLS」と合わせ、ヨコハマタイヤユーザーが今季2回目の表彰台独占。奇しくも3チームそろって今季初めて表彰台に立つこととなった。

31秒差での圧勝となった「S Road NDDP GT-R」は、千代選手とGT-Rが初優勝で、関口選手は2007年の同じくSUGOラウンド以来の勝利。また、ランキングのトップは「ENDLESS TAISAN 911」が死守、峰尾選手がゴール間際のバトルを制して5位でゴールしたのが功を奏した格好だ。
一方、左側2本交換でロスを最小限とした「GSR 初音ミク BMW」は谷口選手、片岡龍也選手ともに終始我慢の走りを見せ、気がつけば7位という結果に。この上なく厳しい状況の中でチャンピオンチームの意地を見せた。
 
Driver's Voice
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 10位】
ビヨン(ビルドハイム選手)からステアリングを引き継いで、まずまずのペースで周回をしていたのですが、残り20周というところで突然何の前触れも無くデフか何かが壊れてしまって。真っすぐ走れなくなるほどの振動が出て、最後はもう10秒くらいラップタイムを落とさないと完走出来ないような状況でした。レース終了直後でまだ原因は詳しく分かっていませんが、エンジンが重く感じるほどの負担もあったので駆動系ではないかと思いますが……。
それがなければ確実にひとつ上の9位には入れていたと思いますが、こればかりは仕方が無いですね。1ポイントとはいえ、今季なかなか完走出来ていなかった中でやっと完走出来ましたし、次の鈴鹿1000kmでは戦略面での自由度や効果も大きく僕たちにとっては有利に働くと思います。次戦は今回よりもっと上のポジションを狙いたいですね。
アンドレ・クート 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 12位】
決勝での僕のペースは、ずっと競り合っていた「D'station ADVAN GT-R」と同じ位で、まずまず安定していたと思う。なんとかポイント圏内に入りたかったけれど、僕のスティントの終盤に突然ステアリングが重くなってしまった。パワーステアリング系のトラブルだったけれど、そのせいで予定よりも早めにピットインしなければならなかったんだ。引き継いだ荒選手も原因を探るために余計なピットインをしたし、修復のために多くの時間を失い周回遅れとなってしまったのは残念だったね。
鈴鹿のテストが雨になり、2012年仕様にアップデートしたマシンでのセットアップが進んでいなかったことが今週末の苦戦の原因のひとつだけれど、次の鈴鹿1000kmまでにもっとセットアップを進め、ヨコハマタイヤとともにペースを改善出来るよう頑張るよ。
関口雄飛 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
ここまで最上位はセパンの4位で、3戦とも内容は良かったと思うのに結果が伴わず、表彰台に届かないレースが続いていたので、こうやって勝ててすごくうれしいです。エンジニアのシミュレーションが的確で、ニュートラルな状態から2本だけ交換すると、普通アンダーステアになるものですが、まったくそうはならず、タイヤ本来の性能を最後まで発揮出来るセットにしてくれました。
今までも毎戦優勝するつもりでいたものの、結果が残せずにいて辛かったんですが、これからも毎戦優勝するつもりでレースに臨みます。まだまだチャンピオンは諦めていませんから!
千代勝正 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
本当に優勝出来てうれしいです。今回は練習からベストタイムは良くなくて、予選6番手と決して優勝から近くない位置からのスタートだったんですが、レースでのペースが良いことは分かっていたので、タイヤをいたわって長い周回をこなし、それでもトップ集団についていけたことに満足しています。僕も順位を上げましたが、関口選手はさらに上げてトップにまで立ってくれて……。
これからもふたりそろってイケイケのレースをしたいと思います。
竹内浩典 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
僕は気づいていなかったんですが、今回自身100戦目のGTレースで、こういう節目で結果が残せて良かったです。
開幕からの2戦は苦戦したので、セットを見直したり、重いクルマ用のタイヤをチョイスさせてもらったりして、ようやく前回から普通に走れるようになって、今回はさらにエアコンを取り外させてもらって、ようやく普通の状態になったという感じです。レース前から表彰台は狙えそうだな、という手応えはあったんです。本当にそのとおりになって良かったですよ。
青木孝行 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
本当は優勝したかったんですが、実は満身創痍みたいな状態だったんです。たぶん熱に起因するトラブルだと思うんですが、ギアがちょいちょい落ちなくなってしまって。前のクルマについていくと熱を持って落ちなくなり、離れて冷えるとまた落ちる……、の繰り返しでした。
それで早めの交代をお願いして、織戸(学)選手にはクリアなところを走ってもらおうと。左側2本だけの交換だったんですが、最後までしのいでくれて表彰台に立たせてもらいました。まずひとつ結果が残せたので、うれしいというか、まずホッとしましたね。
 
TOPICS
■ヨコハマタイヤとの強力タッグ活かしてついに表彰台の頂点に立った「S Road NDDP GT-R」
  期待の若手コンビに長谷見昌弘監督も高評価!


日産の若手ドライバー育成プログラムとして、今年から新たにGT300にも挑むこととなったNDDP RACING。
このチームの成り立ちやラインアップは、第2戦のこのコーナーでも紹介し、その時はまだまだ納得のいく成績が収められていないことも伝えた。だが、関口雄飛選手が「期待してください」と語っていた第3戦・セパンラウンドでは4位入賞を果たし、初のポイント獲得に成功。その勢いは衰えることなく、この菅生での4戦目で初優勝が飾られることになった。そこで、指揮を執る長谷見昌弘監督の総評から、今回は紹介することとしよう。

「今回はドライバーがふたりとも計画どおりに走ってくれたし、作戦の方もうまく決まりました。勝てる時って、こんなもんですね(笑)。もともとクルマは素質がありますから、これまでも表彰台に上がれる走りはしてくれていたんです。なのに、なかなかポイントが獲れなくてね。やっとすべてうまくいって勝てたという感じですね」

今年は予選のシステムが若干変更され、今回のようにスーパーラップ方式の場合はQ1とスーパーラップは別々のドライバーが担当せねばならず、なおかつQ1で使用したタイヤをスタート時に用いなくてはならない。スーパーラップを有利に戦うためにはQ1からさらにもう1セット、ニュータイヤを投入するのがセオリーだ。
しかし、スーパーラップを担当する関口選手はあえてそうせず、千代勝正選手が使用したタイヤを引き続き使っている。ということは、6番手というのはある意味、順当な結果なのだ。長谷見監督の言う、うまくいった作戦とはそれがひとつ。

「GT-Rはソフト系のタイヤがあんまり保たないんですよ。ちょっと重いし、ロールも大きいんで。ソフト系でも一発のタイムは出て、土曜日の朝に試したんだけれど、もうコンマ5秒は速く走れる感覚なんですよ。でも、大事なのは決勝だから。それでハード系のタイヤを1セット温存することにしたんです。スタートタイヤも千代がロングいけたでしょう? それでもタイムは安定していたし、2本交換でもその後大丈夫でしたからね」

ドライバーだけでなく、タイヤに関しても高評価を下してくれた長谷見監督。さらなる飛躍が期待される若手の走りも、ヨコハマタイヤが万全の体制で支えていく。
 
ENGINEER VOICE
今回のSUGOもセパン同様にかなりの暑さを想定していましたので、路面温度が56℃というような土曜のコンディションでも、タイヤのレンジ的には問題なく対応出来ていたと思います。

予選では残念ながらGT500はスーパーラップ進出を逃したとはいえ、決勝では追い上げを期待していたのですが、予想外のトラブルに影響を受ける結果となってしまいました。
「D'station ADVAN GT-R」に関しては、スタート直後からビヨン・ビルドハイム選手がまずまずのペースで予定通りの周回数をこなしてポイント圏内に進出、後半引き継いだ安田裕信選手も良いペースで周回し始めたところでトラブルが出てしまい残念でした。あのまま走れていれば、前にいたホンダ勢に詰め寄れた可能性も充分ありましたし、問題なく9位ではフィニッシュ出来ていたと思いますが、それでもなんとか完走し10位で今季初となる1ポイントを獲得してくれました。
一方「WedsSport ADVAN SC430」についても、前半を担当したアンドレ・クート選手のスティント終盤にトラブルが出てしまい、その修復のために大きくラップダウンとなってしまい残念です。こちらもペース的に安定していましたし、後半周回遅れとなったあとの荒聖治選手のペースも良かっただけに、アップデートされた車体のセットアップがさらに煮詰まってくれば、次戦以降さらに良い戦いが出来ると期待しています。

GT300ではポールポジションの「HANKOOK PORSCHE」の独走を許さず、2輪交換などの作戦も決まり、「S Road NDDP GT-R」が逆転で今季初優勝を獲得した他、「GREEN TEC & LEON SLS」、「マネパ ランボルギーニ GT3」と、3台共に今季初表彰台でしたし、YOKOHAMAにとって今季2回目の表彰台独占ということで、非常に良かったと思います。「apr HASEPRO PRIUS GT」も、燃費を活かしてトップに立つなど好レースを見せて頂きました。

今回のSUGOは非常に暑いコンディションの中、GT500に関してはなかなか厳しいレースになってしまいましたが、タイヤ的にはGT500、GT300ともにパフォーマンスは安定していたと感じています。次戦は鈴鹿1000kmということで、暑さ対策はもちろん、路面が全周に渡って改修されてから初めての1000kmレースとなるので、予選には拘らず、しっかりと1000km走り切れるタイヤを中心に準備して臨むつもりです。
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