岡山、富士と開幕からの2戦を振り返ってみると、決勝中のタイヤパフォーマンスについては戦闘力のあるものに仕上がってきていると感じています。
そして次は恒例のマレーシア、セパン戦となるわけですが、ここでは毎年1月にタイヤテストを実施していますので、その時点で路面状況の変化も確認してタイヤ開発に反映しています。2007年にコースは全面再舗装されており、この改修でアスファルトも引けて特徴的な白い骨材が目立つようになり、路面のμや表面温度が変化してきていると認識しています。
コースレイアウト的には長いストレートと複合コーナーの組み合わせですが、タイヤから見るとセパン専用開発というものはありませんが、高速セクションでの優位性と安定した性能の持続については重視すべきポイントであると考えています。
そして、なんといっても国内のコースとは比べ物にならない暑さが特徴です。この点についてはレースディスタンスでの安定したパフォーマンスを重視しています。また突然のスコールも赤道に近いロケーションならではですが、セパンの場合は特に雨量が安定せず、雨が止むと路面が乾く のも早いので、状況変化が激しいですね。このため、ハード寄りのコンパウンドを選ぶ場面が多いのではないかと思います。
セパンはGT500/GT300ともにヨコハマタイヤ勢が強さを見せてきているサーキット。
GT500についてはスーパーラップに残って、4列目より前方のポジションから決勝スタートを迎えることが勝つための絶対条件になりますが、後半で着実にポジションアップしていく追い上げ型のレース展開を予想しています。
一方のGT300は、正直なところ戦いの行方を予想するのは難しいですね(笑)。ただ、こちらも先行逃げきりのレース展開は難しいかと思いますので、最後まで持久戦の展開になるのではないでしょうか。
ドライバーやチームにとっても暑さ対策はセパン攻略に欠かせない要素ですが、それは私たちタイヤサービスのスタッフにとっても同様です。サービスガレージの作業環境に注意を払い、食事も食べ慣れた和食系を多くしています。こうして厳しい暑さを乗り切り、体調不良や事故のないように万全の体制を整えて、ヨコハマタイヤユーザーの戦いを全力で支えています。
■使用するタイヤサイズ
(GT500) 330/710R18、330/710R17
(GT300) 280/650R18、280/680R18、280/710R18、300/650R18、300/680R18、330/710R18