Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / SUPER GT 2012 / Round 3 News Index
  ひとつ前にもどる  
SUPER GT Round 3
開催日
2012年6月9日-10日
開催場所
セパンサーキット
(マレーシア)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
決勝周回数
53周
(1Lap = 5,542m)
参加台数
36台
(ヨコハマタイヤ装着車 20台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
南国マレーシアでのセパンラウンドといえば、例年路面温度が50℃にも達しようかと言う灼熱の戦いがドライバーやマシン、そしてタイヤを苦しめることでお馴染みだが、今年のセパンは週末を通じての予報で雨の気配が伝えられるなど、天候は不安定な様相。
走行初日となった土曜も曇りがちで、路面温度も40度台半ばが最高という中での予選〜スーパーラップが行われた。

スーパーラップまでを行った結果、GT300クラスのADVANユーザーでは「JLOC ランボルギーニ GT3」、「ENDLESS TAISAN 911」、「マネパ ランボルギーニ GT3」、「GREEN TEC & LEON SLS」、「S Road NDDP GT-R」が予選トップ6入りを果たすこととなった。

また、GT500では「D'station ADVAN GT-R」と「WedsSport ADVAN SC430」、2台のADVANユーザーが、今季初めて揃って決勝をトップ10圏内からスタートすることとなった。

日曜のセパンは、雲間から青空が覗くなど、土曜より強い日差しがサーキットに照り付けた結果、午後4時という遅い時間帯の決勝スタートにも関わらず決勝のグリッド上の路面温度は55度と、前日から一転して猛暑の中での攻防となった。

隊列が整わなかったか、通常より1周長く2周のフォーメーションラップが行われた後、午後4時09分、決勝がスタートした。オープニングラップ、上位陣には大きな順位変動はなくビルドハイム選手が駆る「D'station ADVAN GT-R」は6番手、クート選手が駆る「WedsSport ADVAN SC430」は9番手で1周目を終えるが、なんと2周目に予想外のアクシデントが発生する。

「RAYBRIG HSV-010」と競り合いながらバックストレッチを走行していた「D'station ADVAN GT-R」の右リアタイヤが突如破損、その衝撃で外板部品などが大きなダメージを負ってしまったのである。ビルドハイム選手はなんとかピットに戻るが、あまりにも大きなダメージを追ってしまったため、「D'station ADVAN GT-R」は僅か2周で戦列を去ることとなってしまう。

このアクシデントによって7番手に繰り上がったクート選手の「WedsSport ADVAN SC430」は、前を行く「RAYBRIG HSV-010」を粘り強く追走したが、12周目に後方から追い上げて来た「ENEOS SUSTINA SC430」にかわされ8番手に後退。その後、予想外にペースが上がらなくなり、さらに18周目にふたつポジションを落とし、結局22周目と早めのピットインで荒選手にステアリングを託すことに。

上位陣のピットインが落ち着いた28周目、「WedsSport ADVAN SC430」は12番手を走行。徐々に路面温度が下がって行く中、前を行く「KEIHIN HSV-010」とのギャップはなかなか詰まらないものの、荒選手は安定したラップを刻んで行く。

すると、45周目に先行していた2台がストップしたことで、「WedsSport ADVAN SC430」は10番手とポイント圏内に進出。周囲のマシンが大きくタイムを落とす中、終始安定したラップを刻み続けた荒選手はそのまま10位でチェッカーを受ける。
終了後には、上位にいた1台が接触によるタイム加算のペナルティーを受けたことで「WedsSport ADVAN SC430」はさらにひとつ順位が繰り上がり、9位に。苦しい戦いの果てに、ようやく今季初ポイントを獲得することとなった。

一方GT300では、予選3番手だった「ENDLESS TAISAN 911」の横溝直輝選手が好スタートを切り、先行する「JLOCランボルギーニGT3」の山西康司選手にも迫らんばかりの勢いを見せたが、1コーナーで痛恨のスピン。これで横溝選手は順位を落としてしまったが、その一方で「マネパ ランボルギーニGT3」の織戸学選手がひとつ順位を上げ、ランボルギーニ勢が2〜3番手に。
また、「apr HASEPRO PRIUS GT」の新田守男選手も、一気に4番手に浮上する。

3周目には織戸選手が2番手に躍り出た後、後続をやや引き離す形となったが、やがて山西選手、そしてじわじわと順位を上げてきた「EVANGELION RT TEST-01 PETRONAS Shiden」の加藤寛規選手が激しい3番手争いを繰り広げるようになる。

この上位争いで最初に動いたのはランボルギーニの2台ながら、不運にも揃ってエアジャッキトラブルで後れを取ってしまう。これで流れは一気に変わり、1周目に最後尾まで後退したはずの横溝選手、そして予選で1〜2速を失い、この日も2速の無いまま決勝に挑んでいた「triple a vantage GT3」の星野一樹選手が、それぞれ激しい追い上げによって上位に浮上することにもなっていた。

しかし、迎えた終盤に2番手に躍り出たのは、なんと「GSR初音ミクBMW」の谷口信輝選手だった。ランキングトップの勲章であるウエイトハンデ、さらに今回から変更されたBOPによってさらに足かせを科せられ、予選は7番手に留まっていたものの、暑さが厳しいセパンでは難しいとされるタイヤ無交換作戦を敢行。スタートから18周を担当した片岡龍也選手、そこから中盤と後半のステアリングを握った谷口選手、ともにタイヤを労りつつコンスタントにラップを刻む走りで2番手までポジションを上げてきた。
これに続いて「ENDLESS TAISAN 911」の峰尾恭輔選手も3番手に浮上。ADVAN勢の上位独占も、あと一歩と迫った。

プッシュを重ね、着実にトップを行くライバルを追い詰めていった谷口選手。しかし、最終ラップに入ってその「GSR初音ミクBMW」が突然ストップ!
「給油は、拭くくらい満タンに入れた」とスタッフは語るものの、想定外の事態によってガス欠状態に陥ったのだ。これにより、「ENDLESS TAISAN 911」が2番手に浮上。1周目でスピンを喫した横溝選手の無念を晴らすことになった。

そして、さらに最終ラップの最終コーナーでは「triple a vantage GT3」の吉本大樹選手が、「S Road NDDP GT-R」の関口雄飛選手を逆転し、土壇場で3位を獲得。
この2台は、いずれも今回の優勝候補と目されていたものの、不運なトラブルでいったんは上位戦線から離脱したかに見えたが、まさに不屈の精神でもぎ取った起死回生の表彰台といえるだろう。
 
Driver's Voice
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 9位】
決勝がかなり暑くなったことで、難しいレースを強いられましたね。予選を含めて思うように行かなかったというか、開幕前のテストとかなり雰囲気が違っていた。路面のコンディションが一番大きいですが、気温や路面温度も異なっていたために、テストの時に得られたようなフィーリングがなかなか得られないまま、思うような走りが出来ませんでした。
決勝中もすごくタイヤのマネージメントには気を遣って、なんとかペースを安定させることは出来ましたが、もうちょっとレベルを上げて行かないといけませんね。
ビヨン・ビルドハイム 選手
 【今回の成績 : GT500クラス リタイア】
前回の富士とまったく同じように、右リヤタイヤが壊れてしまった。何が起こったのか分からないが、何の前触れもなく振動が出て……。あまりに一瞬の出来事でなんの反応も出来ないほどだった。土曜は走り出しこそ今ひとつだったが、徐々にフィーリングが良くなり、6番グリッドから臨む決勝では表彰台を争える可能性さえ感じていただけに、残念というしかないアクシデントだ。
ここまで3戦を終えてノーポイントという信じられない展開となっているけれど、チーム、そしてヨコハマタイヤとともに体勢を立て直し、次の菅生では必ず好リザルトを残せると信じているよ。
横溝直輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
1周目の1コーナーではスピンしちゃったんですが、正直何が起こったのか分からないんですよ。ぶつけられたのかもしれないし……。とりあえず、ひたすら行くしかないと必死にプッシュして、できるだけ前に行くことを心がけました。
その結果、5番手でバトンをパスできたんですが、そのせいで峰尾さんには厳しいレースをさせてしまいました。申し訳なく思う一方で、非常に頼もしい先輩の走りで勇気づけさせてもらえて、すごくうれしいです。
チームもヨコハマタイヤも非常に気合いが入っていたので、優勝は出来なかったけれど、ホッとしましたね。
星野一樹 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
今回は完璧に勝ちにきて、最初の走行でトップタイムを出せたのに、その時にギアボックスにトラブルが見つかって……。一回諦めたんですが、懸命の作業と吉本選手が1速、2速がない中、予選で14番手につけてくれたので、もう一回頑張ろうということになったんです。
何とか直してもらって2速は無いままでしたが、1速と3速はあったので、飛ばしてやればなんとかなるんじゃないかと1ポイントを目指して頑張ったんですが、思いのほかペースも良く、最後は行けるとは思っていなかった表彰台まで獲得することが出来ました。こんな価値のある3位はないと思うし、本当に前回の3位は悔しかったですが、今回の3位は100%うれしいです!
 
TOPICS
■苦闘の末、今季初ポイントゲットの「WedsSport ADVAN SC430」
  これからの巻き返しに期待


不運なトラブルによって「D'station ADVAN GT-R」が早々に戦列を離れた決勝で、一時は12番手まで後退しながらも粘り強く周回を重ね、最終的に9位フィニッシュを飾り待望の今季初ポイントを獲得した「WedsSport ADVAN SC430」。

昨年はチームとしてGT500に昇格、初戦の富士でいきなり3位表彰台を奪うという華々しいデビューを飾るも、その後参戦初年度ということから苦戦を強いられたが、シーズン後半にはライバル勢とのギャップを着実に詰めて行っていた。その流れの中で、満を持して迎えた今季序盤だったが、思いのほか苦戦を強いられて来た。

「ここまで歯車が合っていなかったというか、いつもワンテンポ対応が遅れてしまっている」と語るのは坂東正敬監督(写真)。

「今回持って来ていたタイヤも、セットアップもそうですが、例えば決勝のような苦しい状況が土曜の段階で想定出来ていれば、もっとセットアップで対処出来ていたはずだし、もっと先を見据えて攻めて行く姿勢も必要なのかなと」

レクサス陣営の中にあって、11年仕様のままでここまで戦って来た「WedsSport ADVAN SC430」だが、次回の鈴鹿でのタイヤテストからは12年仕様にアップデートを予定している。

「鈴鹿のテストでクルマを12年仕様に一新するので、そうすればもう少しタイヤにも優しくなるはず。時間的にはそこで得られたデータがすぐ菅生でのタイヤに反映出来るわけではないと思いますが、そういった部分でも少しずつ課題をクリアしてレベルを上げて行かないと。そうすることで、徐々にセルモさんやサードさんといった、同じレクサス勢で強さを見せているチームから色々吸収していきたいですね」

こうした坂東監督の思いに、荒選手も「あとほんのちょっとしたところだと思いますが、そのちょっとを稼ぎ出すのが結構大変だと思います。けれど、今年は初ポイント獲得まで時間が掛かりましたし、今回も想定よりは苦しいレースウィークになってしまったので、次の菅生に向けてはまたしっかりとミーティングをして、自分たちの持っている中でベストのものを用意して、レースに挑めるようにしっかり準備をしたいと思います」と語っており、中盤戦以降の「WedsSport ADVAN SC430」の挽回に期待が高まる。
 
ENGINEER VOICE
今回のセパンには1月にテストを敢行し、そこで得られたデータやセパン特有の高い気温などの気象条件を踏まえたタイヤを用意してきました。土曜の予選が曇りがちで路面温度が44度程度に留まったのに対し、日曜の決勝ではスタート時点で55度くらいまで上昇するなど、2日間で大きくコンディションが変化するレースウィークになったのですが、「D'station ADVAN GT-R」のアクシデントに関しては、まだ現在のところ調査中です。何かを踏んでしまったのかも知れませんが、原因を含めしっかりと検証したいと考えています。
一方「WedsSport ADVAN SC430」は前半のクート選手が高い路面温度の中で、少し苦戦したためにピットインが予定より早くなったようですが、その後荒選手がうまくタイヤをマネージメントして安定した周回を重ねてくれたおかげでポイントを獲得出来たと思います。しかし、我々としては今回の結果以上のリザルトを期待していたので悔しさが残る週末となりました。

また、GT300ではスタート直後の1コーナーで「ENDLESS TAISAN 911」がスピンするなど、もったいない部分はありましたが、結果的に2位にまで挽回してくれましたし、「triple a vantage GT3」も厳しい状況の中、良いレースをしてくれました。終盤まで2番手に粘っていた「GSR 初音ミク BMW」も、ポイントリーダーとしてここでしっかりポイントを稼ぎたかったと思うだけに、ガス欠は惜しかったですね。

本来ならこのセパンできっちりと結果を出して菅生に臨みたかったのですが、GT500はもちろん、GT300でも優勝が獲れなかったことに関しては、しっかりデータも取れているので、それを充分に活かして菅生に臨みたいと思います。
ひとつ前にもどる