■苦闘の末、今季初ポイントゲットの「WedsSport ADVAN SC430」
これからの巻き返しに期待
不運なトラブルによって「D'station ADVAN GT-R」が早々に戦列を離れた決勝で、一時は12番手まで後退しながらも粘り強く周回を重ね、最終的に9位フィニッシュを飾り待望の今季初ポイントを獲得した「WedsSport ADVAN SC430」。
昨年はチームとしてGT500に昇格、初戦の富士でいきなり3位表彰台を奪うという華々しいデビューを飾るも、その後参戦初年度ということから苦戦を強いられたが、シーズン後半にはライバル勢とのギャップを着実に詰めて行っていた。その流れの中で、満を持して迎えた今季序盤だったが、思いのほか苦戦を強いられて来た。
「ここまで歯車が合っていなかったというか、いつもワンテンポ対応が遅れてしまっている」と語るのは坂東正敬監督(写真)。
「今回持って来ていたタイヤも、セットアップもそうですが、例えば決勝のような苦しい状況が土曜の段階で想定出来ていれば、もっとセットアップで対処出来ていたはずだし、もっと先を見据えて攻めて行く姿勢も必要なのかなと」
レクサス陣営の中にあって、11年仕様のままでここまで戦って来た「WedsSport ADVAN SC430」だが、次回の鈴鹿でのタイヤテストからは12年仕様にアップデートを予定している。
「鈴鹿のテストでクルマを12年仕様に一新するので、そうすればもう少しタイヤにも優しくなるはず。時間的にはそこで得られたデータがすぐ菅生でのタイヤに反映出来るわけではないと思いますが、そういった部分でも少しずつ課題をクリアしてレベルを上げて行かないと。そうすることで、徐々にセルモさんやサードさんといった、同じレクサス勢で強さを見せているチームから色々吸収していきたいですね」
こうした坂東監督の思いに、荒選手も「あとほんのちょっとしたところだと思いますが、そのちょっとを稼ぎ出すのが結構大変だと思います。けれど、今年は初ポイント獲得まで時間が掛かりましたし、今回も想定よりは苦しいレースウィークになってしまったので、次の菅生に向けてはまたしっかりとミーティングをして、自分たちの持っている中でベストのものを用意して、レースに挑めるようにしっかり準備をしたいと思います」と語っており、中盤戦以降の「WedsSport ADVAN SC430」の挽回に期待が高まる。