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  ひとつ前にもどる  
SUPER GT Round 2
開催日
2012年5月3日-4日
開催場所
富士スピードウェイ(静岡県)
天 候
小雨 のち 曇り
路 面
セミウェット&ドライ
決勝周回数
110周
(1Lap = 4,563m)
参加台数
39台
(ヨコハマタイヤ装着車 23台)
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開幕戦から約1カ月のインターバルを置いて迎えた第2戦の舞台は富士スピードウェイ。
日本屈指の高速コースで行われる今大会は、500kmという長丁場の戦いだ。高速コースの富士とあってトップスピードを伸ばすべく、通常よりもダウンフォースを大幅に減らしたセットアップで臨むマシンが多く、その分テクニカルなセクター3を中心にタイヤにはしっかりとしたパフォーマンスが求められる。

不安定な天候となった大型連休の後半、予報では決勝が行われる4日(金)は天候が回復し、完全なドライコンディションと予想されていた決勝。朝のフリー走行がセミウエット路面となったことで、各陣営共にドライではほぼぶっつけ本番という状況で、スリックタイヤを装着しグリッドに向かう。
ところが、決勝スタートが近づいた午後1時50分ごろから、ポツリポツリと予想外の雨粒が。しかし、急激なコンディション悪化は予想されなかったことで、GT500、GT300全車がスリックタイヤでスタートすることに。しかし主催者側はレースをセーフティーカー先導によってスタートすることを決定する。

午後2時、セーフティカー先導のままいきなりオープニングラップが始まるが、コース後半を中心に雨脚が強まる傾向を見て取った「PETRONAS TOM'S SC430」がピットへ飛び込み浅溝に履き替える。翌周には「WedsSport ADVAN SC430」と「D'station ADVAN GT-R」など13台のマシンもピットイン。19号車「WedsSport ADVAN SC430」は深溝、24号車「D'station ADVAN GT-R」は浅溝に履き替えることに。
さらに雨が弱まったのを受けて9周目には全車のトップを切って「D'station ADVAN GT-R」がピットインして浅溝から再びスリックへ。この2周後には「WedsSport ADVAN SC430」もスリックへと履き替えて挽回を図る。

タイヤが温まり始めると、トップと同レベルの1分36秒台前半の好タイムで周回し始めた安田選手と荒選手だったが、上位陣も同様にスリックに履き替えるマシンが続出し、なかなかポイント圏内に浮上を果たすことが出来ない。ようやく28周目に10位に浮上した「D'station ADVAN GT-R」も、30周目にはピットインしてビルドハイム選手に交代し再びポジションを下げる。

ここでやや硬めのミディアムコンパウンドのタイヤでロングスティントをこなし、ポジションアップを狙ったビルドハイム選手は、好ペースで周回を重ね9番手まで浮上を果たしていたものの、58周目(GT300のリザルトより)にホームストレート上で起こった「ART TASTE PORSCHE」のクラッシュによって散らばった破片を踏んでしまったのか、予定されたピットインを目前にした71周目のストレートエンドで突如左リヤタイヤが壊れてしまう。
なんとかピットを目指したビルドハイム選手だったが、ダメージを受けたタイヤの回転によってフェンダー部分に大きな損傷を受けたため、修復に時間がかかり、レースに復帰を果たすも大きくラップダウンとなり、残念ながら勝負権を失い、最終的に14位でのフィニッシュに。
一方「WedsSport ADVAN SC430」も40周目に荒選手からクート選手に交代、順位の挽回を図ったが、惜しくもポイント圏内進出は叶わず13位でのチェッカーとなった。

GT300でもセーフティカースタートから2周後に、ほとんどの車両がピットに入ってタイヤを交換するが、それより早く1周だけでピットに戻ってきたことが功を奏し、「マネパ ランボルギーニGT3」の織戸学選手がトップに浮上。一時は9秒もの差を後続に対してつけた。
だが、弱まっていった雨にいち早く対応し、9周目にスリックタイヤに戻したのが、2番手を走行していた「ART TASTE PORSCHE」のヨルグ・ベルグマイスター選手。ライバルチームがスリックへの交換を行うたびに順位を上げ、16周目に「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の加藤寛規選手がピットに戻った時には、一躍トップに。それどころか大量のリードを奪うことにも成功する。

約30秒にまでリードを広げた「ART TASTE PORSCHE」は、35周目に兄のティム・ベルグマイスター選手にスイッチ。いったん6番手まで退いたものの、ライバルのピットインとともに順位を上げ、51周目には2番手に。前を行く「GSR初音ミクBMW」の片岡龍也選手がピットに入れば、トップ再浮上かと思われた。ところが58周目、想像だにしない光景が目に飛び込んでくる。突然ストレート上でコントロールを失ったティム選手がガードレールに激突。パーツを散乱させてコースを横切ったため、4周に渡ってセーフティカーが導入される。

これでトップに浮上したのは、「triple a Vantage GT3」の吉本大樹選手。他を圧する1分42秒台のハイペースで周回を重ねて、リードを広げ続けたが、それには大きな理由もあった。5番手を走行する「GSR初音ミクBMW」は、スタートも担当した谷口信輝選手が再びステアリングを握っていることから明らかなように、義務づけられているドライバー交代を伴う2回のピットストップをすでに完了していたのだ。逃げ続けた吉本選手は37秒ものリードを築いたが、それも充分ではなく82周目にピットストップを行うと4番手に後退することに。

だが、これによりトップに立ったのは「GSR初音ミクBMW」ではなかった。79周目のプリウスコーナーでGT500に追突されて、2つポジションを落としていたからである。それでも谷口選手は先行する車両との差を徐々に詰めていき、85周目から降り始めた雨も味方につけて、まず92周目に「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」の加藤選手をパス。そして、96周目の300Rで「ARTA Garaiya」も抜いてトップに返り咲く。

そして98周目には「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」が、101周目には「triple a Vantage GT3」もまた「ARTA Garaiya」を抜いて、それぞれ2位、3位でフィニッシュ。谷口選手と片岡選手が今季初優勝を飾ったばかりでなく、GT300の表彰台はヨコハマタイヤのADVANレーシングタイヤユーザーによって独占されることとなったのだった。
 
Driver's Voice
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 14位】
ウエットの公式練習では調子が良かったので、問題なくスーパーラップに残れるという確信があったのですが、予想外に路面が乾き、他車が浅溝でタイムを上げたことではじかれてしまいました。
決勝ではセーフティカー明けの最初の周のペースが良く17号車を抜きに行ったんですが、イン側で粘っていた相手が止まり切れず、当たってスピンしてしまって。その後早めのスリックに賭けて8位まで浮上していったので、このまま上位陣の攻防に絡んで行けるかなと思っていた矢先に、破片かなにかを踏んでビヨンがパンクに見舞われてレースを失いました。大きく周回遅れになったので、終盤は色々テスト的な意味合いでの走行となりました。
ポイントが獲れず残念ですが、その中でマレーシアに向けて良いものが見つかったので、次戦が楽しみですね。
ビヨン・ビルドハイム 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 14位】
タイヤについては僕のスティントでは、ヒロ(安田選手)が最初に履いたミディアムソフトよりも硬めのミディアムを使ったけれど、とてもフィーリングは良かった。タイヤがうまく機能してくれていたので、100号車などと競り合うことも出来た。
レースが後半に入った頃、1号車を追いかけていたときにポルシェのクラッシュが起こったんだ。そのセーフティカーがピットに入ってから3〜4周したところで、1コーナーのブレーキングで突然右リヤが壊れたんだ。たぶん、カーボンかなにか、クラッシュの破片を拾ってしまったんだと思う。それまでクルマは何の問題もなかったし、ちょうどピットに入るように言われたラップだったから、残念で仕方がないけれど、クラッシュやコースアウトしなかっただけラッキーだったのかもしれない。
このあとSUGOでテストがあるし、きっとセパンに向けて良い準備が出来ると思う
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 13位】
ドライでは決勝まであまり走れていなかったにも関わらず、レース中にはかなり良いペースで周回出来ていました。その時点ではトップと比べても遜色のないラップタイムでしたしフィーリングも良かったので、そういうペースで走れることが確認出来たことは収穫でしたが、ちょっとスタート直後や終盤の雨など、コンディションの変化にうまく適応出来なかったように思います。
残念な結果になりましたが、今回は攻め込んだ要素を採り入れるなどして昨年より確実にレベルアップしていることを感じましたし、SUGOでのテストを踏まえ、セパンで巻き返したいと思います。
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
全車スリックタイヤでスタートしたのに、まさかの雨。ザ・泥試合の始まりでしたね(笑)。でも、僕らのチームが立ててくれた作戦がすごく良くて、片岡から僕に再び代わった時は(事実上の)トップだったんです。
それなのに、あと20周ぐらいのところでGT500のクルマに追突されて、ふたつポジションを落としてしまって。それまでは、後ろのクルマが近づいてきたらバトルできるよう、タイヤを温存していたんですが、そこからはね(笑)。鬼プッシュで追いかけている最中に、恵みの雨が降ってきてくれました。
今年のBMWは速さではベスト5にも入っていないけど、チームの作戦と運のおかげで勝てたというのが正直なところ。これからも厳しい戦いが続くと思いますが、チームやヨコハマタイヤと力を合わせて少しでもポイントを獲り続けられるよう頑張ります。
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
富士のレースは厳しそうだけれど、荒れればチャンスあるかな、と思っていたんですが、ちょっと想像以上でしたね。
僕は燃費走行をしながらなるべく長くと、自分が何番なのか分からず淡々と走っていました。それでバトンタッチしたら、谷口さんが事実上のトップだったじゃないですか。それなのに突然何か起こって順位が落ちたり、しばらくするとすごく速かったりと、気持ちの上下が大きいレースでした(笑)。
この体制の2戦目で勝てて、しかもこういう状況の中の勝利は強さの証明! 今後もみんなと一緒に頑張りたいと思います
加藤寛規 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
予選を一発で決めようとしたのに、路面がオイルまみれになっていて結果を残せないところから始まったんですが、戦略とかセッティングはデータがあるんで、それは本当にうまくハマったと思います。
今回、ヨコハマタイヤが持ち込んだインターミディエイト・タイヤをぶっつけで使ったんですが、それが本当にあんなに乾いても保ったんで、あれが2ストップを可能にしてくれたんで非常に大きかったですね。高橋さんも安定したペースで走ってくれたし、チームのストラテジーも良かったと思います。
もうひとつ上を目指して頑張ります、苦しいと思われたJAF-GTで2位を取れたからにはね!
吉本大樹 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
今回、ブッチギリで速かったと思うけど、ちょっとストラテジーの間違いが、結果的にはね。でも、セーフティカーが出ていなければ、そのストラテジーが間違いではなかったと思うし、絶対勝てていたと思います。
セーフティカーが出て、他のクルマが2回交代を済ませているのを知って、とにかくめっちゃプッシュして広げるだけ広げたけれど、当然足りなかったですよね。まぁ、序盤の速さを保っていれば行けると思って、自分もプッシュし続けたし、(星野)一樹選手のペースも良くて、またちょい濡れの状態でも考えられないぐらいタイヤはグリップしてくれたんで、あと1〜2周あれば、もうひとつ上に行けたと思います。
だから嬉しいより、悔しいんですけれど、このクルマで初めてのレースだし、これだけのパフォーマンスを見せられたからには、次からはガンガン行きます!
 
TOPICS
■GT300での若手育成を目指すNDDP RACING
  ヨコハマタイヤのADVANとともに成長する関口選手と千代選手


GT300に今年から挑むこととなったNDDPレーシングとは、正式名称のNISSAN DRIVER DEVELOPMENT PROGRAMからも分かるとおり、ニッサンの若手ドライバー育成プログラム。フォーミュラのFCJ、F3に続く第3ステージとしてGT300が選択された。
F3同様、指揮を執るのは長谷見昌弘監督だ。そして、ドライバーとして起用されたのは同チームでF3のNクラスを戦い、昨年チャンピオンに輝いた千代勝正選手。また、Cクラスのチャンピオンである関口雄飛選手も抜擢を受けて、チームに加入することになった。

マシンは国産車初のFIA-GT3であるGT-R NISMO GT3とあって、注目度も極めて高く、今季最も話題とされるチームといっても過言ではないだろう。初レースとなる前回の岡山国際サーキットでのレースでは、表彰台も夢ではないポジションを走行したものの、S-GTデビューの千代選手が不意にインを開けてしまったことが災いし、GT500車両に追突されてコースアウト。目指した結果を残すことはできなかったとはいえ、高い可能性を示すこととなった。

一方、SUPER GTの経験を既に持つ関口選手の、長谷見監督による評価は極めて高く、緒戦から「100点」とも。それを実証するような展開が、今回は随所に見られた。まずは土曜日最初の練習走行。強い雨に見舞われ、難しいコンディションの中、2番手を1秒3も引き離してトップに立ったのだ。暴れるクルマをまるでロデオのように手なずけて走る様子に感嘆の声が上がったほど。

今回の予選はスーパーラップ(SL)方式だが、予選1回目とSLは同じドライバーが走ることはできない。もちろん、SLは関口選手が担当、予選1回目でトップ10につけることがSL進出の条件だが、千代選手は4番手につけて難なくクリア。注目のSLでは後半に向けて、明らかに条件が良くなる中、期待に答えて関口選手は2番手に。が、本文でも触れたとおり予想だにしなかったアクシデントによって涙を飲む。

それでも決勝はウエットコンディションからの始まりとなっただけに、「関口劇場」が繰り広げられることが期待された。実際、タイヤを再び交換するまでに3番手にまで浮上。その後も千代選手ともども活躍が期待されたのだが……。33周目にピットガレージにおさめられたマシンは、しばらくの間コースに戻れず、復帰はなったもののトップとは18周遅れに。

「ブレーキのトラブルでした」と関口選手。しかし、今回の激走によって、得られたものは限りなく多かったようだ。その後にこうもつけ加えた。「次のセパンは、期待してください」と。育成プログラムであるだけに、いきなり結果が求められるわけではないが、早いに超したことはないのは事実。NDDPレーシングのピットに、笑顔がこぼれる時を心待ちにしたいものだ。
 
ENGINEER VOICE
今回の富士は500kmの長丁場ということでしたが、グリッドポジションも大切ということで、ドライ用には予選でのパフォーマンスと決勝の1スティントをしっかり走りきれる耐久性を両立できるよう調整して来ました。昨年同じ時期の富士で調子の良かったレインタイヤに関しても、さらにパフォーマンスを上げたものを用意して来ましたが、残念ながら土曜のウエットの予選1回目は路面の乾きが早く、結果として19号車と24号車が履いていた深溝のウエットではなく、浅溝が正解だったようです。

決勝はドライでの戦いになると想定していましたが、まさかあれほどトリッキーな状況になるとは思いませんでした。序盤の雨で19号車は深溝を選んだのですが、予想以上に雨が長続きせず、結果的にその後乾き始めると苦戦する結果になりました。また、24号車は浅溝をチョイスしたのですが、接触があってポジションを下げてしまったのが残念でした。

そこから2台ともに作戦を切り替えつつ、ポジションの挽回を狙いましたが、アクシデントなどもあり思うようには行きませんでした。GT500ではまだ今季ポイントが獲れていないのが悔しいですが、結果は伴わなかったものの、良いデータが取れましたし菅生でのテストもありますので、次のセパンでは必ず大量にポイントを稼ぎたいところです。

一方、GT300ではスーパーラップでは全車深溝でアタックしたのですが、終盤に水が少なくなった状況で「GAINER DIXCEL R8 LMS」が浅溝を履いてポールポジションを奪われてしまい残念だったものの、決勝では「GSR 初音ミク BMW」、「エヴァンゲリオンRT 初号機アップル紫電」、「triple a Vantage GT3」が難しい状況の中、ライバル勢を抑えて表彰台を独占してくれました。最後に降って来た雨が、GT300ではちょっと我々の味方になったように思います。こちらもGT500同様、セパンでも上位を独占出来るようしっかり準備をして臨みたいと思います。
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