Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / WTCC 2011 / Round 15 & 16 News Index
  ひとつ前にもどる  
WTCC Round 15&16
開催日
2011年7月30日〜31日
開催場所
オッシャーズレーベン
(ドイツ)
天 候
第1レース : 雨
第2レース : 曇り
路 面
第1レース : ウェット
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 14周
第2レース : 15周
(1周 = 3,696m)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
7月最後の週末、ドイツのオッシャーズレーベンを舞台にWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の第15戦と第16戦が開催された。WTCCは例年、8月は夏休みとなりレースは開催されない。ゆえに夏休み前最後のレースとなったわけだが、WTCC発足から欠かさず戦いの舞台となってきたオッシャーズレーベンはBMWにとっての地元。戦績を見てもBMWが圧倒的に高い勝率を誇ってきたが、今年はこの地でまた新しい歴史の1ページが刻まれることになった。

レースウィークに入ったドイツのマグデブルガー・ボーデ地方は、生憎の空模様が続いていた。予選が行われる土曜日は朝から冷たい雨が降り、朝方は外に出て吐く息が白くなるほどであった。
ただ幸いなことに朝一番のフリープラクティス1回目こそウェットコンディションとなったものの、その後は雨が止んで、2回目のプラクティスから公式予選まではドライコンディションの下で行われた。

オッシャーズレーベンは過去の大会を振り返ると、スタート直後の1コーナー周辺で多重クラッシュが頻繁に発生している。つまりこのアクシデントをかわす最善の方法はポールポジションを獲得することに他ならないわけで、予選がいつも以上に重要な一戦となる。
注目の予選1回目、ここでトップタイムを奪ったのはボルボのロバート・ダールグレン選手。予選2回目へと駒を進められるトップ10には常勝街道を走るシボレー勢の3選手らも名を連ね、さらにYOKOHAMAトロフィー勢からはミシェル・ニュケア選手(セアト)、ノルベルト・ミケリス選手(BMW)、フランツ・エングストラー選手(BMW)の3人も食い込んだ。これにより第2レース(第16戦)のポールポジションはエングストラー選手が獲得する。

予選2回目のトップタイムは、前戦イギリスで2レース連勝を飾っているシボレーのイヴァン・ミューラー選手。そしてこれに続いたのはダールグレン選手、シボレーによるフロントロー独占にボルボが「待った」をかけることに成功した。


一夜あけた日曜日も残念ながら寒い雨の朝となったオッシャーズレーベン。気温は前日よりも低く、厚手のジャンパーが手放せないというおよそ7月下旬とは思えない寒さになった。
そして降り続く雨は残念ながら止むことなく第1レース(第15戦)が現地時間の11時20分にスタートを迎える。この時点で気温は13.3度、路面温度は僅かに15度のヘビーウェットコンディションだ。

ローリング方式でスタートする第1レース、マーシャルカーの先導でフォーメーションラップがスタート。3.696kmのコースゆっくり1周、先導車がコースを離れミューラー選手を筆頭に各車が最終コーナーからメインストレートへ進む。しかしスタートラインに近づいてもレッドシグナルは消灯せず、そのままスタートはディレイ。
仕切り直しとなった2回目のフォーメーションラップを終えてもレッドシグナルが消えることはなく、隊列走行が結果的には3周に渡って続けられた。

“3度目の正直”でレースがスタート、激しいウォータースプラッシュを上げた各車が1コーナーへと飛び込む。ほぼ直角の左カーブとなる1コーナーに向けて、アウト側からシボレーのミューラー選手とロブ・ハフ選手、イン側からは4番手スタートのガブリエレ・タルクィーニ選手(セアト)、そしてセンターにダールグレン選手という4ワイドのかたちとなった。さらに5番手スタートのトム・コロネル選手(BMW)が絶妙なスタートを見せて一気にポジションを上げにかかってくる。

1コーナー飛び込みではメニュ選手とダールグレン選手が接触、これによりダールグレン選手は8番手までポジションを下げてしまう。一方で先頭集団は1周目の半ばを過ぎて既にシボレーの2台がややリードを拡げつつあり、その後方ではタルクィーニ選手とコロネル選手が3番手争いを演じていた。

雨は勢いを弱めることがなくタフな展開が続いていくが、そんな中で確実に後続を引き離して行ったのはシボレー勢の2台。5周を終えて2位のハフ選手と3位のタルクィーニ選手は2.004秒差、さらにハフ選手とトップのミューラー選手は4.339秒もの差がついていた。
この後はハフ選手がミューラー選手との差を詰めて行ったが、3番手以降とはより間隔が開き、終盤にはシボレーの2台が1コーナーに入るころに、3番手集団がコントロールラインを通過するというほどの独走態勢に。

レース終盤には雨が勢いを弱め、最終ラップではテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込んでハフ選手がプレッシャーをかけていったが、ミューラー選手のポジションを脅かすには至らず。ミューラー選手が3連勝を飾り、選手権争いでトップに立っているハフ選手との得点差を15から8へと縮めることに成功した。
YOKOHAMAトロフィーはポルトガル以来の参戦となったステファノ・ディアステ選手(BMW)が優勝を飾って、王座獲得経験者らしい貫祿を難しいコンディションの一戦で見せつけた。


サポートレースをはさんで現地時間の15時05分にスタートを迎えた第2レース(第16戦)。幸いに長いインターバルの間に雨はあがり、路面はドライコンディションへと転じていた。
スタンディング方式のスタート、ポールポジションに陣取ったのは7月25日に50歳の誕生日を迎えたばかりのエングストラー選手。2番手はセアトのティアゴ・モンテイロ選手、3番手はBMWのミケリス選手となる。気になるシボレー勢はミューラー選手が9番手、ハフ選手が7番手、そしてメニュ選手は5番手のグリッドとなっている。

フォーメーションを終えてグリッドについた各車、一瞬の静寂をはさんでレッドシグナルが消灯。スタンディング方式ということでFR(後輪駆動)のBMWに利があるところだが、ポールポジションのエングストラー選手が駆るBMW以上にロケットスタートを演じたのは、ミケリス選手のBMW。オレンジ色のマシンはエングストラー選手とモンテイロ選手の間をかいくぐってトップを奪い、1コーナーを制した。

その瞬間、ミケリス選手のピットガレージはモニターを食い入るように見つめていた全てのスタッフから歓喜の声があがる。しかし同時に、ストレート上ではクリスチャン・ポールセン選手とメルディ・ベナニ選手が接触、マシンはコンクリートウォールにヒットして大破してしまっていた。
このアクシデントでコース上にはパーツが散乱したため、セーフティカーが導入される。1周を終えてミケリス選手はエングストラー選手に0.429秒、3番手のモンテイロ選手には0.903秒のリードを築いて好調なペースを保っていただけに、仕切り直しとなるセーフティカー導入にミケリス選手のピットは残念そうな表情を浮かべるスタッフが目立つ。

4周目からレースは再開、トップの2台はポジションを変えずに1コーナーをクリア。そしてメニュ選手がモンテイロ選手をかわして3番手に浮上した。
続く5周目は、モンテイロ選手とタルクィーニ選手、セアト同士の激しい4番手争いが展開された。1コーナー進入手前のストレートエンドでモンテイロ選手をかわして前に出たタルクィーニ選手。イン側から再びモンテイロ選手が仕掛けて1コーナーをクリア、次の2コーナーではイン/アウトを入れ替えるかたちになって、ここはタルクィーニ選手が奪取した4番手を守りきることに成功する。

続く6周目、5番手のモンテイロ選手に対してストレートで迫ったのはコロネル選手、インをさして1コーナーで前に出る。その後ろにいたハフ選手もコロネル選手に続き、イン側から接触を伴いつつモンテイロ選手をかわしにかかる。ここでサイド・バイ・サイド状態になった両者、左ターンの1コーナーから次の2コーナーは右ターンに転じる。そこで1コーナーをアウト側から一気に攻めたミューラー選手が、そのまま2コーナーのインを制して一気に2台を抜き去る、世界選手権に相応しい見事なバトルを披露。これでミューラー選手は6番手に浮上した。

こうした激しいポジション争いとは無縁だったのがトップを走るYOKOHAMAトロフィー登録の2台。しかしなんと8周目、トップを快走していたミケリス選手が第13コーナーで単独スピンを喫し、エングストラー選手が労せずしてトップを奪う。

10周を終えてトップのエングストラー選手と2番手のメニュ選手は1.106秒差、11周目には少しテールをスライドさせてアウトに膨らみヒヤリとさせる場面もあったが、エングストラー選手の粘り強い力走が続く。
好走はそのまま続き、50歳の誕生日を祝うかのようにウィニングチェッカーがエングストラー選手に振り下ろされた。自身初のWTCC総合優勝、そして2005年のWTCC発足以来初めてとなる非マニュファクチャラー登録扱い選手による総合優勝の獲得という偉業を達成。またBMWの1,600ccターボエンジン車による初優勝でもあり、エングストラー選手は地元でこの上ないビッグな誕生日プレゼントを自らの手で獲得した。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第15戦 優勝/第16戦 5位】
目まぐるしく路面のグリップが変わる、とてもタフなレースでした。ハフ選手との差が開いて少し安心したのですが、ちょっと油断した部分があったかもしれません。私のマシンはフルウェットのコンディションに合わせたセットアップを施してありましたが、路面が乾きはじめるとハフ選手が差を詰めてきましたから。
ハフ選手に詰め寄られた時、再びペースを取り戻すのには苦労しました。しかし私は自分自身に「ポルトガル戦のようにはならないでゴールするぞ」と言い聞かせながら走っていました。
 
フランツ・エングストラー 選手
 【今回の成績 : 第15戦 16位(YOKOHAMAトロフィー 10位)/第16戦 優勝(YOKOHAMAトロフィー 優勝)】
はじめてに、第1レースのアクシデントでダメージを埋めた車を、見事に修復してくれたチームのみんなにお礼を述べたいです。WTCCで初めての勝利をドイツで実現できたことを、心から嬉しく思っています。本当に素晴らしい経験でした。
またシボレーに対してBMWは対等に戦えることを実証できたことも、とても意味のあることです。次のレースも、この勢いを持続して頑張ります。
ひとつ前にもどる