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日程・レポート・結果表 カテゴリー&タイヤ解説
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カテゴリー&タイヤ解説
2011年のスーパー耐久は、大きな変革のシーズンを迎えることになった。

まず大いに話題となったのが、海外への本格的な進出である。
これまでにも韓国で2回、特別戦を開催した実績のあるスーパー耐久。しかし2011年は「ASIA ROUND」と銘打って、今後の継続的な開催を見越しての海外進出を果たす計画が実現に向けて動き出したのである。

当初は韓国で1大会、中国本土で2大会の海外戦を予定していたが、3月に発生した震災の影響でカレンダーは大幅な修正を迫られた。
その結果、開幕戦は5月に延期され、海外戦は中国の広東国際サーキットで開催されるイベントが、シリーズの第2戦として組み入れられる運びとなった。
また、シリーズ戦が予定されていた仙台ハイランド大会については、日程はそのままにシリーズ対象外のスペシャルステージという位置づけでの開催を予定することとなった。(2011年3月28日現在)

また、新たにST-XとST-Aという2つのクラスが発足する。
ST-XはFIA GT3車両が基本的には対象となり、各自動車メーカー(または公認チューナー)が販売するレーシングマシンによって競われる。GT3車両はFIA(国際自動車連盟)において性能調整が行なわれるが、これはST-Xクラスにも適用される。ドライバーには「プラチナドライバー制」が導入され、事前に公表された対象ドライバーは参加車両1台に対して1名しか登録できない。さらに決勝レースにおける最大運転距離(時間)も当初のレース距離(時間)の3分の1を超えることは許されず、あくまでもアマチュアのジェントルマン・ドライバーが主人公である。

一方のST-Aクラスは、ワンメイクレースをひとつのクラスとして展開しようというアイディアの基づくもの。現状では具体的な該当車種は発表されていないが、将来的にどのような展開となるのか注目のクラスである。
2010年からオフィシャルタイヤサプライヤーをつとめる横浜ゴムは、2012年シーズンまでの供給継続を決定。引き続き、「ADVANエコレーシングタイヤ」を全ての参加チームに供給する。

今ではWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)など世界中で多くのカテゴリーに供給している「ADVANエコレーシングタイヤ」。
このタイヤの源流、そのひとつがスーパー耐久。2008年7月に開催された「第15回 十勝24時間レース」において、初めて実戦デビューを果たしたプロトタイプのエコレーシングタイヤ。長丁場の決勝中には小雨も降る難しいコンディションの中で終始安定した高いパフォーマンスを発揮し、堂々の総合4位完走を果たした。

以降、さらなる改良を重ねられて現在に至る「ADVANエコレーシングタイヤ」。前身のN1耐久ラウンドシリーズの時代からクラスや車種を問わず強さを見せてきたADVANレーシングタイヤは、“エコ”という時代が求める性能も高いレベルで実現してスーパー耐久を支え続けている。
クラス区分
新たにST-XとST-Aの各クラスを加えて、合計7クラスが設定される2011年のスーパー耐久。

従来からのST-1〜ST-5クラスはエンジン排気量と一部は駆動方式により分類され、ST-XはFIA GT3車両、ST-Aはスーパー耐久を統括するSTO(スーパー耐久機構)が認めたN1レベルのワンメイクレース車両となる。

スーパー耐久は新設のST-Xクラスを除いて原則的にベースの市販車が座席以上の車両で参戦可能と定義されている。ただしSTOが特認車両として認めた場合には2座席車両での参加も可能。この場合は参加クラスに条件が付与される場合もあり、例えばZ34型のフェアレディZは2輪駆動で排気量3,696ccのエンジンを搭載しているが、参加クラスはST-3クラスと定められている。
 
※ST-1〜ST-5クラスの写真は2010年の参戦車両。ST-Xクラスについては東京オートサロン展示車両。
 ST-Aクラスの参考掲載写真はシビックワンメイクレースの車両。
 
ク ラ ス 区 分 (2011年)
クラス
エンジン排気量
ST-X
FIA GT3公認車両、STOが特に認めた車両
ST-A
STOが認めた車両
クラス
エンジン排気量
駆動方式
ST-1
3,501cc以上
-
ST-2
2,001cc 〜 3,500cc
4輪駆動
ST-3
2,001cc 〜 3,500cc
2輪駆動
ST-4
1,501cc 〜 2,000cc
-
ST-5
1,500cc以下
-

ST-X Class
FIA GT3公認車両、STOが特に認めた車両
 
FIA GT3車両を主として発足するST-Xクラス。2011年の東京オートサロンには参戦を予定しているアウディR8 LMSが展示された。
R8 LMSは2009年に登場、2010年から一般カスタマーへの販売が開始された。後輪駆動でV8・10気筒エンジンをミッドシップにレイアウト。ベースマシン仕様で最高出力は500hp、シーケンシャル6速ギアボックスを介してパワーは伝えられる。
ST-1 Class
エンジン排気量 : 3,501cc以上
 
ST-1クラスは2011年、BMW Z4M COUPEで新たに参戦を発表したチームもあり、ポルシェ996を交えた激しいバトルが大いに見応えのあるものになると期待されている。
ST-Xとは異なりSUPER GTでのお馴染みのプロドライバーがコンビネーションを組めるため、総合優勝も視野に入れた熱い走りに一層の注目が集まることになるだろう。
ST-2 Class
エンジン排気量 : 2,001cc〜3,500cc
駆動方式 : 4輪駆動

 
新旧のランサーエボリューションとインプレッサによる、宿命のライバル対決の舞台となっているのがST-2クラス。昨年はエボリューションIXがチャンピオンを奪還、中盤戦ではインプレッサも戦闘力を大幅に向上させて表彰台を獲得した。雨になると4輪駆動のメリットを活かし、総合上位進出にも期待が高まる。
ST-3 Class
エンジン排気量 : 2,001cc〜3,500cc
駆動方式 : 2輪駆動

 
クラス内でのバラエティ豊かな参戦車種による車種間バトルが最も激しいST-3クラス。2010年はE46型のBMW M3が初の王座を獲得したが、2011年は新たにレクサスIS350が戦いに加わることになる模様。新たなる挑戦者のパフォーマンスにも注目が集まり、スーパー耐久屈指の激戦区からは目が離せない。
ST-4 Class
エンジン排気量 : 1,501cc〜2,000cc
 
有力プライベーターや長年に渡ってスーパー耐久に参戦する老舗チーム、そして新興勢力と個性的なチームが集うST-4クラス。
近年はシビック、S2000、インテグラとホンダ車が主流になっているが、それぞれの個性を活かした各チームの戦いぶりが魅力。
2010年はインテグラがシリーズを制したが、強者揃いのクラスだけに2011年の勝負の行方を占うのは難しい。
ST-5 Class
エンジン排気量 : 1,500cc以下
 
参加者の裾野を拡げるべく、コンパクトカーとハイブリッドカーを対象に2010年から発足したST-5クラス。
残念ながら初年度は参加台数が少ないまま終わってしまったが、特にコンパクトカーは安価な経費で参戦できる点が、このクラスの大きな魅力。
2011年はエントリーの増加を期待したいクラスだ。
ST-A Class
STOが認めた車両
 
ST-Xとともに、2011年から新たに発足するST-Aクラス。
開幕前の時点では具体的な参戦車種などは明らかになっていないが、盛んに開催されているワンメイクレースをより盛り上げるためにスーパー耐久とのコラボレーションという手法は注目を集めている。

※左の参考掲載写真はシビックワンメイクレース車両。
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