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Super Taikyu Round 4
開催日程
2011年10月22日-23日
開催場所
鈴鹿サーキット (三重県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
決勝距離
300km
(1周 = 5,807m)
参加台数
32台
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カレンダーも10月の後半に入り、SUPER GTなどのカテゴリーは既にシリーズ戦の日程を全て消化している中、全6戦のスーパー耐久シリーズはようやく折り返しを迎えた。第4戦はWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)との併催というかたちで鈴鹿サーキットを舞台に開催され、日曜の午前中に、フリー走行を終えてから短いインターバルをはさんで決勝レースを行うという変則的なタイムスケジュールでの一戦となった。

そのため今回の決勝は300kmとやや短め。しかしながら2回のドライバー交代を伴うピットインが義務づけられているのは他のシリーズ戦と同様、ゆえに燃費的な要素からいつもより戦略面の選択肢に幅のある展開になるが、ここが勝敗をわけるひとつのポイントとなった。

ST-Xクラスの開催が無いために、総合優勝争いの主役となったST-1クラス。開幕戦から連勝街道を独走している1号車の「PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE」に対して、チームメイトの28号車が今回は予選から好調な走りで一歩リード。前戦・岡山に続いてポールポジションを手中におさめた。

決勝でも速さに勝る28号車は、スタートの片岡龍也選手が搭載燃料を60リットルに抑えて軽量化、先行逃げきりを図る作戦に出る。対する1号車は柳田真孝選手が満タンでスタート、重さのハンデを背負いながらも力走を見せて食らい付いていく。
最初のピットインは18周を走ったトップの28号車が先で、片岡選手からファリーク・ハイルマン選手に交代。ここで給油とタイヤ交換を行った28号車に対して、翌周にピットインした1号車はドミニク・アン選手に交代するがタイヤ交換のみでマシンはコースに復帰したためポジションを入れ替えてトップを奪い、およそ10秒のマージンを稼ぎだす。

そして1号車はセカンドスティントを10周とショートに設定して、早々にアンカーの谷口信輝選手にスイッチ。ここではタイヤを交換しなかった1号車に対して、28号車は2回目のピットで再び片岡選手にステアリングを託すと、左側のタイヤを新品としてピットアウト。
両者の差は12秒ほどとなっていたが、片岡選手が猛追して1周につき1秒程度速いラップを刻んで差を詰めていく。そしてファイナルラップにはコンマ差にまで詰め寄ったが、最後は谷口選手が逃げきりを果たして、堂々の今季4連勝を飾ることに成功した。

ST-2クラスはスタート直後から、クラス3番手からトップに立った20号車「RSオガワADVANランサー」と、クラス2番手スタートの6号車「新菱オート☆DIXCEL☆EVO IX」がテール・トゥ・ノーズの接近戦を展開。
しかしオープニングラップで発生したクラッシュによって導入されたセーフティカーのタイミングで、早々に1回目のピットインをこなしたクラスポールスタートの3号車「エンドレス・アドバン・コルトスピード]」が戦略で勝ることに。

セーフティカー導入を受けて峰尾恭輔選手と高木真一選手の二人で半分ずつの周回数をこなす作戦に切り換えたことが功を奏した3号車に対して、20号車は決勝を通じてタイヤ無交換という戦略で応戦したが軍配は3号車に。また一時はトップを走っていた6号車は、セカンドスティントの終盤にブレーキフルード漏れのトラブルによって修復作業を強いられたため、完走はしたものの順位を大きく下げる結果に。
これによってシリーズランキング争いは予選ポイントも獲得した3号車が20号車と同点で並び、勝ち星でも20号車より2つ多い3勝とした。

ST-3クラスもスタート直後のセーフティカーで戦略がわかれ、クラスポールの14号車「岡部自動車マイロード協新設計RX-7」や34号車「asset テクノ Z34」は早々に1回目のピットイン。この両者がレースをリードしていくが、34号車は2回目のピットで時間を要してタイムロス。対する14号車はタイヤ無交換で最終スティントに臨んでいく。

しかし、この両者をじわじわ追いあげていたのが15号車「岡部自動車ディクセルTeam Tetsuya Z」。予選クラス3番手スタートから田中モジョル選手と長島正明選手が堅実な走りで周回を重ねると、2回目のピットインではリアタイヤを交換して田中哲也選手にステアリングを託す。

田中選手はトップを走っていた14号車との差を詰めると、45周目に接触を伴いながらのバトルを制して14号車をかわしてトップを奪取。そのままフィニッシュまでしっかりとマシンを運び、前戦に続いてウィニングチェッカーを受けることに成功。
ランキング争いでは15号車が、6位に終わった333号車「GPO+KOTA RACING NSX」に対して得点差を11から25へと拡げ、チャンピオン獲得に向けて大きな連勝を掴むこととなった。

ST-4クラスはクラスポールからスタートした41号車「TRACY SPORTS S2000」が最初のスティントでポジションを下げたが、その後にトップを奪い返すと優勝争いは終盤の接近戦にかかる展開に。
その相手はシリーズランキングトップに立っている62号車「ホンダカーズ東京 G/M インテグラ」、こちらはクラス3番手からのスタートだったが、立て続けに10秒のペナルティストップとドライブスルーペナルティを受けたことによるタイムロスが結果的には悔やまれることとなってしまう。
両者の差は終盤で詰まり、最後はサイド・バイ・サイドに至る接近戦となったが、トップを走っていた41号車がしっかりポジションを守りきって62号車の三連勝を阻止することに成功。

オープニングラップでランキング2番手の18号車「コスモソニックFK・ings DC5」がアクシデントに見舞われてしまい完走出来なかったことから、41号車が順位を入れ替えてランキングの2位に浮上。シリーズリーダーは62号車と変わらないものの、得点差は18点差と逆転を十分に狙えるポジションにつけている。

ST-5クラスは参加台数が3台ということで、クラスとしては不成立となった。
しかしフィットとヴィッツによる戦いは今回も白熱、19号車「BRP☆HYPER EUC C72制動屋FFC J'SフィットRS」が速さを武器にレースをリードすると、36号車「エンドレス・アドバン・トラストヴィッツ」は戦略で立ち向かう。

3人のドライバーがほぼ均等に3分の1ずつドライブした19号車に対して、36号車は30周というロングスティントで井尻薫選手が安定したコンスタントラップを刻んでいく。
全く異なるレースの組み立てとなった両者の戦いは最後に接近戦となったが、この勝負は予選でも勝っていた19号車が逃げきるかたちでフィニッシュする結果となった。
 
Driver's Voice
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : ST1クラス : 優勝】
今回は28号車のペースが速くて、こちらをやっつける気が満々という感じだったので、いつも以上にガチンコの勝負でした。ただ、正直なところペースは28号車が勝っていましたが、こっちは作戦が巧くいきましたね。
スタートでは燃料を少なめにした28号車に対して、こっちは重かったにも関わらず柳田選手がしっかり片岡選手に離されることなくついていってくれました。スタート前、柳田選手がマシンに乗り込んでいる時に「流れは向こうにあるけれど、俺は絶対に凌いで見せるぞ」と、お互いに気合いを入れあって決勝に臨んだのです。
自分が乗るスティントではタイヤを変えなかったので苦しい部分もありましたが、苦しいからこそ丁寧な走りを実践しました。途中では厳しいバックマーカーに出会って貯金を大きく使ってしまう場面もありましたが、しっかり連勝に結びつけることが叶いましたね。
 
峰尾恭輔 選手
 【今回の成績 : ST2クラス : 優勝】
今回は作戦の勝利で大きな一勝を挙げることが出来ました。決勝が短いのでセーフティカーが出たらピットインしようというのは最初から考えていましたが、まさかスタート直後に来るとは思ってもいませんでしたが(笑)。
タイヤは決勝の真ん中くらいで一度交換しようという作戦で、フロントだけを変えました。天気が良かったので路面温度がちょっと思っていたよりも高くなりましたが、摩耗的には全然問題ありません。ただ、ドライバーとしては内圧のコントロールをしっかりする必要があるという感じでしたね。
20号車のタイヤ無交換作戦にはビックリでした。頭の中では10%くらいは「無交換で来るかも」という思いもありましたが、結果を見ると交換した僕たちが正解だったように思います。
これでシリーズ争いは20号車と同点になり、優勝回数では上に立ちました。最終戦に向けて、勝っても相手が2位だとチャンピオンに届かないなどというのはモチベーションをなかなか上げられないので、上り調子で最終戦を迎えられるというのは精神的にも良いですね。
 
長島正明 選手
 【今回の成績 : ST3クラス : 優勝】
岡山に続いての優勝ですが、全然実感が無いんですよ(笑)。
でも、これまではライバルに対して速さで一歩譲る面があって、決勝ではなんとかレースをまとめてきたという感じだったのですが、今回はフロントの足回りを今までやったことのないセッティングにしてみたことが当たって、速さをライバルと揃えることが出来たことが大きいですね。さらに速いだけではなくて、乗りやすくもなっています。これまではアクセルをコーナーの立ち上がりで早い段階から踏んでいけなかったのですが、これがどんどん踏んで行けるようになったので鈴鹿で言えば1コーナーや130Rなどに“スカッ”と気持ちよく入って行けるようになりました。
ただ、タイヤに対してはフロントがしっかり入っていく分だけリアが滑るので、今回は2回目のピットインでリアタイヤだけを交換しています。
残りは2戦、14号車のRX-7もシリーズ争いのいい位置につけているので、シリーズランキングのワン・ツーを実現したいですね。それから7号車のRX-7も含めた表彰台独占もしたいです。もし実現したが、号泣しちゃうでしょうけれどね(笑)。
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