日本各地で開催されているラリー競技。ジュニアや地区戦クラスをボトムレンジとしたピラミッドにおいて、その頂点に位置しているのが全日本ラリー選手権である。
発足は1979年と30年以上の歴史があるが、特に2006年には大きな変革を受けている。具体的には、それまで駆動方式によって別々に開催されていたシリーズが統合され、国際標準であるSS(スペシャルステージ)の速さを競うSS方式に競技形態を統一した。またクラス毎の成績に加えて総合順位も発表、ポイントを付与して総合チャンピオンも決するようになった。ちなみに初代の総合チャンピオンは、ADVAN-PIAAランサーを駆った奴田原文雄選手(ドライバー)/小田切順之選手(コ・ドライバー)であった。
ラリーは他のモータースポーツカテゴリーと大きく違い、1台の車に2人が乗車して競い合う。マシンを操るドライバーに対して、コ・ドライバーは時間や行程の管理、SSではペースノートの読み上げなどを行う。
ペースノートとは完全に専有された一般公道の林道などに設けられたSSにおいて、競技区間の走り方を記したもの。事前に定められたレッキと呼ばれる走行で各選手たちがおのおの作り上げていく。まず1回目の走行では比較的スローペースでSSを走り、ドライバーが読み上げるコーナーの大小や目標物、注意すべきポイントなどをコ・ドライバーがノートに書き留める。2回目の走行ではペースを上げて、この内容をコ・ドライバーが読み上げていき、ドライバーはその指示に従って走る。最後は微修正を行って競技本番に臨むという流れになる。
こうしてSSを走行したタイムのトータルで順位を競い合う。ただし、各所に設けられた時間管理のポイントへの早着や遅着などにはペナルティが科せられ、これらを加味して最終的な順位は決することになる。
なお2011年からは、シリーズポイントの付与基準が変更となった。各クラス、および総合の1位〜8位までに10点〜1点の得点が与えられるが、これは前年までよりも得点差が小さくなっているので、シリーズ争いは終盤まで大いにもつれることが予想される。
さらに競技が行われた一日ごとの結果に応じてのデイポイント制も導入された。これは1位〜3位に3点〜1点が与えられるもので、仮に初日のDAY1でリタイアを喫しても、マシンを修復出来れば二日目のDAY2に出走してポイントを獲得出来るチャンスがある。もちろん逆に初日でポイントを獲得して、二日目にリタイアを喫したとしても初日分のデイポイントは有効となる。
このポイントについては路面がグラベル(未舗装)かターマック(舗装)なのか、さらにSSの合計距離に応じて係数がかけられ、グラベルの長距離SSが設定される「Rally
Hokkaido」は多めのポイントが与えられる。