今回注目を集めた一台が、K12型・マーチ。参加台数の関係でJN1クラスが不成立となり、JN2クラスに編入されての戦いだったが、このマシンを駆ったのが小泉茂選手(写真・右)と由起選手(写真・左)の夫婦クルーだ。
「マーチはクロスミッションやファイナルギアが発売されていないので、上りは我慢の走りで下り勝負という展開でした。ただ、下りはブレーキが加熱したすいので、ちょっと欲求不満になってしまう場面もありましたね。
ラリーマシンのベースとしてマーチは、とても良い素性の持ち主だと思います。今は足回りも“吊るし”のストリート用車高調を使っているのですが、きちんとラリー向けのセッティングを出していけば、まだまだ速さに磨きをかけていけると思います」
日頃はタイヤガーデンにつとめている小泉茂選手。お店では自らがラリーに参戦していることで、お客様とのコミュニケーションも深まると語る。そして、夫婦での二人三脚での参戦についても、面白いエピソードを語ってくれた。
「ラリーはもう20年くらいやっています。お店にはラリーの写真も飾っていますが、モータースポーツにあまり詳しくないお客様からも『なんだか凄いことをやっているんですね』と声をかけられたりするので、お客様との話のネタにもなっています。ADVANそのものがラリーで強いのイメージも効果があるようですね。
ラリーを始めたときからカミさん(由起選手)を横に乗せていますが、元々クルマにそれほど興味がなかったのに、僕がクルマ大好きなので結婚前から洗脳し続けてきました。結婚してからも何十年もこうしてラリーを続けられているので、洗脳は大成功ですね(笑)。
コ・ドライバーとしてのカミさんはもちろん100点満点。ただ、家計のお財布も管理している立場ゆえ、SSスタートの10秒前に『ぶつけてお金がかかったら、次のラリーは無いよ』なんて言われたこともありました(笑)。もっとも、こうして抑えるべきところをしっかり抑えてくれてきたので、長くラリーを続けられているんだと思っています」