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JRC Round 4
開催日
2011年6月11日〜12日
開催場所
福島県・棚倉町 近郊
天候/路面
DAY1 :
雨 のち 晴れ/ウェット
DAY2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
363.00km
SS総距離
55.86km (12SS)
得点係数
1.5
(非舗装路 50km-100km)
参加台数
全日本選手権 44台
(ADVAN装着車 23台)
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全8戦のカレンダーで競われる2011年の全日本ラリー選手権。開幕の佐賀から、愛媛、宮崎と西日本を転戦してきたが、今季初の東日本での開催は福島県が舞台。
3月に発生した東日本大震災からの復興をラリー界としても支援するべく、開催名称に「がんばろう!福島」という文言を加え、主催者と選手がともに復興支援の思いを抱いて臨んだ大会となった。

競技の拠点は例年と同じ棚倉町。今回は震災の影響にも配慮してラリー全体はコンパクトな設定とされ、SS(スペシャルステージ)の総距離は50kmを僅かに超える程度。しかしサービスパークに隣接するショートステージの「ルネサンス」を、DAY1で順走と逆走あわせて4回走るアイテナリーが組まれ、より手軽に迫力ある走りを観戦できる大会とされた。
さらに初の試みとしてはDAY2のSS10とSS11の間にラリーパークを設定。棚倉町のお隣、鮫川村の「鹿角平観光牧場」では、短い時間であるが地元の方々が間近で選手たちに声援を送っていた。


さらに今回はIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)に参戦する新井敏弘選手が、スポット参戦ながら実に14年ぶりとなる全日本ラリー選手権への復活を果たした。これまでも自ら被災地支援の義援金活動などを行ってきている新井選手。今回は一人でも多くの選手が参加し、観客が集まることこそ福島県復興の第一歩になるという思いを抱いての出場である。

新井選手は海外を走ってきたスバルWRX STIを全日本仕様に急きょ適合させたマシンでの参戦。シリーズは奴田原文雄選手が目下のところ2連勝中、こちらはランサー・エボリューション]での参戦だ。
二人はIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)に参戦することでも大いに話題を集めているが、7月のラリー・アソーレスを前に実現した両者の揃い踏みは、俄然注目の的となる。


11日(土)は、朝から生憎の雨模様。午前7時ころには雨足が勢いを強め、この日の林道ステージとなる「真名畑八溝」は完全なウェットコンディションとなった。
競技はSS1「真名畑八溝リバース1」からスタート。当地のラリーではお馴染みのステージだが、例年とは異なり逆走の下りで今回は競う。これを1日に3回リピートするため、終盤には路面が深く掘れることも予想される上、13.64kmという2日間を通じて最も距離の長いステージが初っぱなに設定されていることも勝負の行方を占う上で興味深い。

このステージで圧倒的な速さを見せつけたのは奴田原選手組。そのタイムは11分46秒3、2番手の新井選手組を10.6秒、キロ0.8秒近く上回る快走で大きなマージンを獲得した。
対する新井選手組は突貫で全日本仕様とした車輛だったがゆえにセットアップが煮詰まっていない。そこで走り終える毎に微修正を自ら可能な範囲で施していく。
その効果はタイムに確実に反映され、SS2・「ルネサンス1」(0.50km)では奴田原選手組を0.7秒抑えてステージベストをマーク。その後もステージ毎に少しずつ差を縮め、トップ争いは完全にADVANとともに世界を戦う、この日本を代表する二人に絞られていった。

そしてDAY1最後のロングステージとなったSS6。3回目の走行ということで荒れた路面も影響したか、奴田原選手組は痛恨のスローパンクチャーでペースダウンを強いられ3番手のタイム。対する新井選手組は2番手を10.8秒上回って、この日4回目のステージベストを奪う。ここで奴田原選手組を逆転してトップに立つと、最終のギャラリーステージ・SS7でもベストを奪って、DAY1をトップであがりデイポイントも3点を獲得した。


一夜明けた12日(日)のDAY2。DAY1を終えて新井選手組と奴田原選手組の差は5秒。奴田原選手組と3番手との差は既に10秒近いため、やはりこの両者の一騎討ちがどちらに軍配となるかが話題の中心となる。残るSSの合計距離は12.99km。単純計算でキロ0.4秒ずつ奴田原選手組が速ければ逆転、というシナリオになる。

そんなストーリーに忠実な走りを見せたのは奴田原選手組。SS8「東野牧野・リバース1」(2.81km)で新井選手を1.7秒上回る。さらに続くSS9「東前田1」(2.28km)でも新井選手を0.8秒抑えて、これでその差を2.5秒にまで縮めてきた。
対する新井選手もラストスパートで逃げきりを図り、SS8のリピートリピートとなるSS10では奴田原選手組を1.2秒上回るタイムをマーク。
結局、このまま逃げきって新井選手が14年ぶりの全日本復帰戦を堂々の優勝で飾り、奴田原選手組が2番手というリザルトになった。

また、この二人に対してDAY2で「自分のことも忘れてもらっては困る」とばかりに存在感を見せる走りをしたのが柳澤宏至選手組。APRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)などへの参戦でも知られ、今季久しぶりの全日本本格参戦となっている柳澤選手組は、SS8と最終のSS12で堂々のステージベストを奪取。総合5番手でフィニッシュして表彰台の一角を飾った。


この他のクラスでは、JN3クラスで明治慎太郎選手組が3位表彰台を獲得。今季デビューしたマレーシア製のプロトン・サトリアネオ、荒れ模様となった大会でADVANラリータイヤがその走りを支えて粘り強く走りきり、デビュー3戦目にして堂々の表彰台獲得となった。
 
Driver's Voice
新井敏弘 選手
 【今回の成績 : 総合優勝 (JN4クラス : 優勝)】
SS1を走って「なんでタイムが出ないんだろう?」というところから、14年ぶりの全日本ラリーは始まりました。
マシンのセットが海外仕様のままなので、足回りのセットを合わせる必要がありましたね。特に真名畑八溝のように下りのきついコーナーが続くところは厳しい。なので、サスペンションを硬くしていく方向にセットアップしていきました。2本目は霧が出てなんだか良くわからなかったのですが、3本目で一気にキロ2秒近く速く走れるようになりました。
  
明治慎太郎 選手
 【今回の成績 : 15位 (JN3クラス : 3位)】
サトリアネオはどんどん良くなって、速くなってきています。今回からはドグミッションを投入していますが、やはりクロスになっているので扱いやすいですね。
DAY1は雨の影響で路面が滑りやすく、真名畑八溝のステージは怖かったですね。それでもしっかり攻めていけて3回目の走行(SS6)では3番手のタイムも残せているので、タイヤにも助けられましたね。
 
Featured Driver
ラリーステージで一際目を惹く、鮮やかなピンク色のマツダ・デミオ。
JN2クラスを戦うこのマシンを駆るのは、いとうりな選手。全日本ラリーに選手として参戦している女性は多いが、そのほとんどはコ・ドライバー。自らステアリングを握るドライバーでの参戦は、今季ここまでで唯一の存在だ。

しかも、いとう選手はSUPER GTやスーパー耐久でレースクィーンとして人気を集め、テレビ出演やDVDもリリースしてタレントとしても活躍している。ラリー・ドライバーとしては異色の存在とも言えるが、そもそもラリーを始めたきっかけは何なのだろうか。

「きっかけは、ドライビングを教えてもらっている先生(南野保選手)がラリーをやっている方だからなんです。元々はカートをやっていて、SUPER GTのレースクィーンなどもやっていたので、本当はサーキットを走りたいなと思ってJAFのA級ライセンスを取得しました。
そして、今年は一年を通じてシリーズで何かに参戦してみたいと思っていて、それを南野さんに提案したら、『じゃあ、ラリーがいいんじゃない』っていう話になって。その上で、『ターマックは本当に速い人には敵わないだろうが、グラベルは何があるかわからないし』、ということでグラベルを戦うことになりました」


実際に走ってみての感想、そしてコ・ドライバーの指示で走るというラリーの独特なスタイルに違和感は無かったのだろうか。

「難しいですよね。初めて出場した第2戦は、なんかもうワケがわからなくて『なんで、こんなにいっぱい石が落ちているんだろう?』って。そんな凄い道だとは思っていなかったんで。
逆にコ・ドライバーの指示があるというのは、先に道の様子がわかるので『行けるところは行けるんだな』って安心して走れます」


いとう選手は今回で3戦目の出場となったが、回を重ねる毎にどのドライビングが洗練されて速さが磨かれていることがわかる。デビュー戦こそ見た目にも“おっかなびっくり”走っている様子がうかがえたが、今では果敢にコーナーを攻め込んでいる姿を見ることも珍しくない。特にスムーズで無駄のない走りがタイムアップにつながっているようだ。

「いえいえ、全然まだまだですね。速くなっているっていう実感も無いですし。ただ、運転するのは本当に楽しいです。
今年はグラベルラリー全戦と、ターマックで行われるシリーズ最終戦に出る予定です。うまく行ったら、海外のラリーにも出てみたいと思っています」
 
Technical Information
ADVANとともに世界を戦うトップドライバー同士の対決が実現するかたちになった今回のラリー。DAY1は雨の影響が残る難しいステージとなるなど、タフなラリーとなった。
しかしキャンセルになったSS11を除いた全11のステージ中、ADVANを装着した新井敏弘選手、奴田原文雄選手、柳澤宏至選手が10のステージでベストをマーク(SS9は他社製品装着車と同タイム)。惜しくもシリーズとしてはランキングトップ奪還に至らなかったものの、速さと強さについてはライバルを今回も圧倒する結果となった。
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