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JRC Round 3
開催日
2011年5月21日〜22日
開催場所
宮崎県・美郷町 近郊
天候/路面
DAY1 : 曇り 時々 雨
DAY2 : 曇り
総走行距離
370.15km
SS総距離
102.14km (11SS)
得点係数
2.0
(非舗装路 100km-150km)
参加台数
48台 (ADVAN装着車 18台) 
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佐賀県で開幕した全日本ラリー選手権は、前戦の四国・愛媛県から再び戦いの舞台を九州に移して第3戦が開催された。宮崎県の美郷町をホストタウンとして行われた「HIMUKA RALLY '11 in 美郷」は、お隣の椎葉村を舞台とした「ひえつき」からの伝統ある一戦で、全日本としては1986年から続いている。

前戦に続いてのグラベル(非舗装路)ラリーとなるHIMUKAだが、スペシャルステージ(SS)の距離が合計で100kmを超えているために、シリーズポイントの係数は2.0と前回よりも大きな設定になっている。
久万高原で快勝を飾った奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手には、チャンピオン奪還に向けてますます重要な一戦であり、その戦いぶりには注目が集まった。


競技は21日(土)の朝からスタート。この週末は天候が下り坂という予報が出されていたが、地元の皆さんから大きな声援も送られたセレモニアルスタートの段階で雨は降っていない。しかし未明にはステージを雨が濡らしており、「SS1・山神下 1(13.72km)」はこの地域特有の赤土が濡れた状態でスリッピーなコンディションとなっていた。
このステージで奴田原選手組はマシンセッティングが少々合っていなかったことから我慢のドライビングを強いられ、ライバルの先行を許してしまった。ステージタイムは11分45秒2の3番手で、トップに対して15秒3という大きなビハインドを背負う厳しい出だしとなってしまう。

続く「SS2・長迫 1(2.98km)」では2番手タイムをマークしたが、ライバルとの差は0.9秒拡大。しかし奴田原選手組はステージを走り終えると自ら足回りの調整を行ってセットアップを改善していく。
タイヤは構造の最適化によって更なる進化を遂げ、デビュー戦の四国で勝利を飾っているADVAN A035のMコンパウンド。その優れたポテンシャルは、SS1のリピートとなる「SS3・山神下」から遺憾なく発揮され、ライバルに3.4秒勝る待望のステージベストを叩き出すと、奴田原選手組がここから怒濤の猛チャージを展開していく。

3本を走り終えて45分間のサービス、ここで細部に渡ってセッティングを最適化して奴田原選手組は、午後のセクション2に臨む。SS2のリピートとなる「SS4・長迫 2」もステージベストを奪うと、ギャラリーステージとなる「SS5・珍神 1(13.45km)」で0.9秒、3回目のリピートとなるために路面が荒れ気味になっていた「SS6・長迫 3」ではショートステージながら2.5秒、そしてDAY1最終の「SS7・珍神 2」で4.9秒と、ライバルとの差をどんどん詰めていく。

珍神のステージは雨の影響でウェットとなり、時折濃い霧がステージを包んだことも影響してDAY1のうちに逆転することこそ叶わなかったものの、終わってみればトップとの差は僅かに2.6秒にまで縮まり、流れは完全に奴田原選手組へと傾いていた。


一夜明けた22日(日)のDAY2。雨は幸いに本降りにならず、未明のうちにステージでは若干の降雨もあったようだが、DAY2がスタートした時点では土埃が立たない程度の湿り具合というコンディションであった。

SSのトータルが102.14kmという今回のラリー、DAY2は40.10kmで競われる。奴田原選手組は4本のステージが設定されたDAY2、まずその皮切りとなる「SS8・珍神リバース 1(6.77km)」でトップを奪い、主導権を完全に握ってそのまま逃げきるというシナリオを描いていた。

注目のSS8。やはり奴田原選手組の予想通り、ここが勝敗を分けるステージとなった。
四国の久万高原に比べれば道幅がやや広くスピードが乗るものの、路面には大きめの石も出ていることが多く、ところどころにギャップもあり、マシンやタイヤにとってはタフなHIMUKAのステージ。
そんな中でトップでDAY1を折り返したライバルは、迫り来る奴田原選手組からのプレッシャーも強かったのか、SS8でフロント左のタイヤをパンクさせて大きく後退、対する奴田原選手組は速さを見せつつも慎重かつ的確に路面の状態を見極めてノートラブルでフィニッシュ、47秒2という大きな遅れをとったライバルをあっさり逆転してラリーリーダーの座を奪った。

事実上、トップ2台による争いとなっていたため大量マージンを背景に連勝に向けて残る3つのステージを走るだけとなった奴田原選手組。しかし手綱を全く緩めることなくステージベストを連発する好走を最後まで見せ続け、最終的にはSS3から最終のSS11まで9連続ステージベストという圧勝で今季2回目のウィナーとなった。

また、JN4クラスでは柳澤宏至選手/中原祥雅選手組が3位、大西康弘選手/市野諮選手組が4位、今井聡選手/宮城孝仁選手組が5位と、ADVAN勢が上位にズラリを顔を揃えた。主力級を含めて多くの選手がリタイアを喫したカーブレイク・ラリーとなったが、ADVANラリータイヤがガッチリと走りを支えて、高い信頼性を証明した結果となった。

このほかでは、JN3クラスでカローラ・レビンを駆る山口清司選手/高橋巧選手組が3位、話題のプロトン・サトリアネオで出場している牟田周平選手/加勢直毅選手組が5位と入賞を飾った。
JN2クラスは中西昌人選手/北川紗衣選手組が3位表彰台を獲得。
そしてJN1クラスでは大西康弘選手に続いて17年ぶりの現役復帰となった葛西一省選手/安田弘美選手組が、復帰して最初のステージとなったSS1でベストタイムを奪うなどDAY1でブランクを感じさせない速さを見せて、堂々の3位表彰台を飾った。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : 総合優勝 (JN4クラス : 優勝)】
今回は描いていた筋書きの通りに、逆転して勝つことが出来ました。昨日の段階でキロあたりコンマ5秒くらいずつ速く走っていたので、雨さえなければ充分に逆転出来ると思っていました。その上でDAY2では、やはり1本目が勝負と睨んでいました。1本目で流れは決まるだろうと思っていたので、予想外の展開ではありましたがここが大きな勝負どころになりましたね。
雨と赤土で路面が滑りやすくなったり、石がゴロゴロしている箇所があったりと様々なコンディションがありましたが、全くトラブル無く走りきれましたので、バージョンアップしたADVAN A035の高い実力も改めて確認することが出来ました。
まだシリーズの先は長いのであまりポイントのことは考えていませんが、しっかり連勝できて良かったです。良い流れを掴みつつあるので、次の福島もこの調子で三連勝といきたいですね。
   
葛西一省 選手
 【今回の成績 : 35位 (JN1クラス : 3位)】
1994年の全日本ラリー、北海道の旭川で行われた第2戦以来の実戦復帰です。復活した理由は、コ・ドライバーとしてコンビを組んでいたこともある大西康弘選手の存在なんです。大西選手が先に復帰されましたが、「青森から一人で出るのはさびしいから、お前も出ろ」という話になって、車などを含めてお膳立てを整えてくれたんです。
事前の練習は、本番車でちょっと走って、先週になって大西選手の練習車であるランサー・エボリューションIXを走らせて。走った距離の合計は2kmくらいでしょうか(笑)。久しぶりに参戦してみると、走れば走るほど昔の感覚が戻ってきました。ところが後半になると腕があがってしまって(笑)。
「Rally Hokkaido」などを視野に入れて、まずは国際ライセンスを取るつもりです。実は急きょ復帰することになってライセンスを取り直したので、今の時点では仮ライセンスなんです。だからもちろん、次の福島にも出場します!
 
Featured Driver
マレーシア製のプロトン・サトリアネオで参戦する牟田周平選手。
2007年に久留米で開催された全日本ラリー選手権でラリーへのデビューを飾った、福岡出身の25歳という期待の若手だ。

「サトリアネオという車は変な癖が無くて、とても乗りやすいんです。とても素直なハンドリングなので、パワーが小さくてもこのくらいの順位を獲得するポテンシャルは充分に持っていると言えますね。
僕の乗り方に合わせてセッティングしてもらって、上手く乗れるようになってきました。まだまだ伸びしろもあると思うので、セッティングを詰めてさらにタイムアップしていきたいですね。自分自身の乗り方もまだロスしている部分があるので、そこも改善していくことで、さらに速さに磨きをかけられると思います。サトリアネオは3台が出場していますが、明治選手と石川選手には絶対に負けていらせません」

サトリアネオのパフォーマンスに加えて、それぞれを駆る3選手による“サトリアネオ対決”も見どころになるJN3クラス。
その中で牟田選手は、今ではラリーで最終的に新井敏弘選手を超えたいという夢を抱いて挑戦を続けているが、モータースポーツのキャリアはレーシングカートからスタートさせている。

「最初は全くラリーをやる気が無かったんです。元々はカートをやっていたのですが、大学の4年間はカートもやめて車で遊んでいて。高校生のころは、僕がカートを始めたころに全日本カートで速さを見せていた小林可夢緯さんに憧れて、レーシングドライバーを目指そうと思っていたこともありました。
しかし、父親がラリーをやっていたこともあるのですが、『サポートするからラリーをやってみなよ』と言ってくれる方もいて、それがラリーを始めるきっかけになりました。
ダートはラリーを始めるまで走る機会も無かったのですが、やってみると車を滑らせることも出来て率直に面白いですね(笑)」

日本のラリーを将来背負うトップラリーストへの成長に期待が集まる存在として、これからもその走りを多くの人が見守る牟田選手には要注目だ。
 
Technical Information
真夏のように急な温度上昇から、小雨まで空模様が目まぐるしく変わる場面もあった今回の一戦。路面は元々が滑りやすく、雨によってよりスリッピーになったかと思えば、急な天候の回復でドライに転じていくなど、タイヤには対応領域の幅の広さが求められる場面も多かった。
今回は路面に足をすくわれてコースオフやクラッシュを喫したり、タイヤにトラブルが生じるケースが少なくなかったが、ADVAN A035を装着したマシンについては着実にステージを走りきって結果的にほとんどが完走。このADVAN勢の完走率の高さと、総合上位に多くの選手が顔を揃えたことから、ADVAN A035の高い性能が改めて実証された大会だったと言えるだろう。
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