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JGC Round 8
開催日
2011年10月9日(日)
開催場所
本庄サーキット (埼玉県)
天候/路面
晴れ / ドライ
気 温
18度 〜 26度
路面温度
22度 〜 31度
参加台数
119台
(ADVAN装着車 40台)
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いよいよ最終戦を迎えた2011年の全日本ジムカーナ選手権。シーズンを締めくくる戦いの場に本庄サーキットが選ばれるのは三年連続となるが、ハイブリッドカーなどで構成されるAEクラスが初めて成立し、またチャンピオン争いが最終戦までもつれこんだ各クラスでは、ポイントランキング上位ドライバーによる激しい戦いが演じられた。
ADVANユーザーは既に4つのクラスで全日本チャンピオンを決めているが、まだチャンピオンの決まっていない残り6クラスはこの最終戦でタイトルに争いに決着がつく。6クラスともに僅差でのチャンピオン争いとなっており、それだけに熾烈な戦いが予想され、各車の走りからは目が離せない展開となった。

秋を迎えた関東地方はレースウィークの週末も天候は安定し、土曜日の公開練習、日曜日の決勝ともに絶好の秋晴れとなる。朝のスタート時はやや気温が低かったものの、路面は終始ドライ。天候が大きく変わる予報もなく、安定した気温、路面温度の中で思いきり攻め込めるコンディションとなっていた。

コースは本庄サーキットの特徴を生かした設定で、低速、中速、高速コーナーと長めのストレートがメインとなる、全体的に高速寄りのレイアウト。中盤のストレートでは車種によっては5速まで入り、その高速域から一気に低速コーナーへのブレーキングなど、限界を見極めにくい部分も少なくない。また、今回はターンセクションが設定されず、コーナリング速度とブレーキングが勝負どころとなった。
路面はサーキットとはいえそれほどタイヤへの攻撃性は高くなく、グリップも中程度。高い速度でスライドしながらコーナーを抜けるマシンの姿が多くのギャラリーを魅了したはずだ。

今回もADVANユーザーはNおよびSA車両クラスはADVAN A050、PN車両クラスはADVAN NEOVA AD08、改造車ではA050およびADVANスリックを履くが、コンパウンドが選べるA050では多くの選手がG/Sコンパウンドをチョイス。FF(前輪駆動)車のリアおよび一部の選手がG/2Sコンパウンドを選んだが、ともにそのパフォーマンスが存分に発揮され、今年の総決算といってもいいほどADVAN勢が強さを発揮した一戦となった。

すでにADVANの平田裕三選手(ヴィッツ)がチャンピオンを決めているN1クラスは、その平田選手が1本目にベストタイムを刻んだが、2本目は高速コースを得意とする小倉雅則選手(ヴィッツ)が自己タイムを1秒以 上更新。平田選手も自己タイムを縮めてきたが届かず、ADVANユーザー同士の戦いは小倉選手に軍配があがって約1年ぶりの全日本優勝を果たした

N2クラスはシリーズ後半になって調子を上げ、2連勝中の朝山崇選手(インテグラ)が、ディフェンディング・チャンピオンであるライバルとの一騎討ち。1本目は3番手に甘んじていた朝山選手だったが、2本目でライバル勢が路面温度の上昇などでタイムを落とす中で気を吐いた。
ADVAN A050のG/Sコンパウンドを選んだ朝山選手はアグレッシブな走りで堂々のベストタイムを更新。これにはライバルも追いつけず、逆転で朝山選手が3連勝を遂げるとともに、N2クラスのチャンピオンも獲得。大逆転劇を見せて2007年にN1クラスで獲得して以来2回目、N2クラスでは移行4年目にして悲願のタイトルを手中におさめた。

N3クラスも柴田優作選手(エキシージS)と、他メーカーのタイヤを装着するライバルとの一騎討ちとなったが、今回はライバルが戦いをリード。だが柴田選手も持ち前の粘り強さで好タイムを刻み、確実な試合運びで2位をゲット。その結果、柴田選手は有効ポイントでライバルを上回って年間チャンピオンを決め、激戦のN3クラスを3年連続制覇という快挙を達成する。

N4クラスは1本目に喜勢竜一選手(ランサー・エボリューションIX)がベストタイムを刻み、それに稲木亨選手(ランサー・エボリューションIX)が続く形でADVAN勢が戦いをリード。2本目で喜勢選手がベストタイムを更新するもパイロンタッチの判定を受けて、惜しくもライバルの優勝を許した。
しかし、稲木選手の2位表彰台、喜勢選手の3位表彰台と、2人のADVANユーザーが存在感を示す結果を残した。

SA1クラスはADVAN A050のG/2Sコンパウンドをチョイスした斉藤邦夫選手(シビック)が魅せた。
タテ方向のグリップの高さを生かして1本目からベストタイムを刻み、2本目はわずかにタイムダウンとなったもののライバルの追随を許さず、最終戦を制して年間チャンピオンも獲得。ベテランならではの味わいを見せる走りで2年ぶりに全日本タイトルを奪還した。

森嶋昭時選手(RX-7)と藤本泰則選手(RX-7)のADVAN勢同士のチャンピオン争いとなっていたSA2クラス。1本目は藤本選手がベストタイムをマーク。それに新井大輔選手(NSX)、森嶋選手と続き、ADVANユーザー3人の戦いが繰り広げられることになる。
2本目、新井選手は1分23秒653という1000分の1秒まで藤本選手の1本目と同じベストタイムを叩き出したのに対して、藤本選手はタイムダウン。優勝はセカンドタイムが勝っていた新井選手のものとなり、藤本選手は2位に。そしてチャンピオン争いをする森嶋選手は3位に。
その結果、森嶋選手は1ポイントだけ藤本選手を上回り、2年ぶりにチャンピオンを奪還。ベストタイムを刻みながら優勝とチャンピオンを逃した藤本選手にとっては厳しい結果となったが、終盤の頑張りでシリーズを盛り上げた藤本選手の戦いぶりには周囲から惜しみない称賛が贈られた。

SCクラスは今シーズンを最後に引退表明したチャンピオン谷森雅彦選手(ランサー・エボリューション])の走りに注目が集まる。その期待に応えるように1本目から2位以下を1.8秒以上引き離す走りでベストタイムをマーク。2本目は持ち前のアグレッシブな走りがさらに冴えわたり、自己タイムを0.7秒近く更新。ハコ車のオーバーオールタイムを叩き出して優勝。見事に有終の美を飾る。
試合後の引退セレモニーで涙を見せた谷森選手だが、ADVANと刻んだ自身の10年連続チャンピオンとともにSCクラスを牽引してきた功績は大きい。またいつか、ジムカーナフィールドに戻ってきてくれることを期待しよう。

Dクラスはすでにチャンピオンを決めているADVANスリックの小林キュウテン選手が1本目から1.5秒以上のリードで戦いを圧倒。2本目はさらに自己タイムを縮め、その差を1.6秒以上まで広げてゴール。最終戦に相応しいスーパータイムで優勝し、タイトル獲得に花を添えた。

ADVAN NEOVA AD08を履くPN3クラスではすでにチャンピオンを決めている岡野博史選手(ランサー・エボリューション])が1本目にベストタイムをマーク。そのまま逃げきって優勝し、最終戦も制して強さを見せつけた。

この最終戦でのADVANユーザーの活躍は目ざましく、その結果、今回決まった4クラスを合わせて全12クラス中8クラスを制してシーズンを終えた。ADVAN A050のG/S、G/2S両コンパウンドに加え、ADVAN NEOVA AD08、ADVANスリックともに高いパフォーマンスを持つことが証明されたシーズンだったと言えるだろう。
 
Driver's Voice
岡野博史 選手
 【今回の成績 : PN3クラス 優勝 (シリーズチャンピオン)】
かなり高速寄りのスリリングなコースで、得意のパイロンセクションはありませんでしたが、ブレーキングなどのスキルも要求される面白いコースでしたね。こういったコースでレーサーである山野直也選手に勝てたのも嬉しいですし、今シーズンはADVAN NEOVA AD08の限界を試しながら多くのノウハウを得ることができまし た。この成果は来シーズンにも生かせるはずです。

小倉雅則 選手
 【今回の成績 : N1クラス 優勝】
今年はもう勝てないとも思っていましたが、2本目は走りをコンパクトにまとめず、道幅をいっぱいに使って車速を殺さずに走りきろうと決めてトライしました。その走りにADVAN A050・G/Sコンパウンドが十分に応えてくれましたし、最終戦を勝ちで飾れたのは嬉しいですね。
 
朝山崇 選手
 【今回の成績 : N2クラス 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
2本目も勝ち負けより、精一杯自分の走りができればいい、という気持ちで臨むことができ、それがベストタイム更新につながったと思います。
今シーズンはタイヤで悩むこともなく、今回もADVAN A050のG/Sコンパウンドを選びましたが、気温は低めだった1本目も不安はなく、温度が上がって機能しはじめたらグイグイ出ていく感じで、ベストタイム更新に貢献してくれました。積極的な運転に応えてくれるADVAN A050のバックアップがあってのチャンピオンだと考えています。
    
柴田優作 選手
 【今回の成績 : N3クラス 2位 (シリーズチャンピオン確定)】
シリーズ終盤は追われるつらさもありましたが、他者との勝負云々ではなく自分の走りの精度を上げるのが重要と考えて、ビデオによる比較解析などもやらずに精神面を安定させることに集中して最終戦に臨みました。
ADVAN A050の完成度には文句のつけようがなく、常に安定したパフォーマンスを発揮してくれましたし、タイヤを十分信頼して走ることができたのは大きいですね。
 
斉藤邦夫 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
最後に勝ってチャンピオンを決めることができ、今はホッとしています。やり切ることはやったという満足感もあります。
今回はあえてADVAN A050のG/2Sコンパウンドを選んで走りまし たが、タテ方向のトラクションを上手く使えば最後までタレることもなく、ポテンシャルをより引き出すことができるんですね。本庄のようにややミューが低い路面では、タイムを出すためにこうしたチョイスも考えられると思います。
 
森嶋昭時 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 3位 (シリーズチャンピオン確定)】
今回は勝とうが負けようが、自分との戦いという気持ちで臨みました。
もちろん勝ってチャンピオンを決めるつもりでしたが、この結果も、1年間頑張ってポジションをキープしてきた成果だと考えています。
 
新井大輔 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝】
1本目は失敗していましたので、それを取り返すつもりで2本目は頑張りました。
今シーズンはADVAN A050・G/Sコンパウンドのポテンシャルを引き出す使い方も会得し、クルマのセッティングを合わせて、全体のレベルを一段引き上げることができたと考えています。この勝ちを来シーズンにつなげていきます。
 
谷森雅彦 選手
 【今回の成績 : SCクラス 優勝 (シリーズチャンピオン)】
限界を見極めにくい高速コースで、スリリングなところもあって楽しめました(笑)。最後の全日本戦で、こういったシビれるコースで勝てたのは嬉しいですね。
V10達成が僕にとってちょうど節目となりましたが、今まで協力していただいたすべての方に感謝しています。
 
小林キュウテン 選手
 【今回の成績 : Dクラス 優勝 (シリーズチャンピオン)】
今回はコースに合わせてウイングを調整し、ローダウンフォースで走りきりました。コーナーよりストレート重視のセッティングでドライバーもずいぶん頑張りましたし、マシンのレベルを上げるさまざまな新アイテムの投入も行ない、ここでその成果の一部が得られたと感じています。
 
Turning Point
高速ストレートからのブレーキング、シケインの通過、コーナリング速度の維持など勝負ポイントは多く、サーキットラン的なスキルが要求されるコースとなっていた。
前半の島回りでしっかりタイヤを温めて中盤以降のセクションに思い切って臨むという、全体の組み立てを考えて確実に実行できる能力が欠かせない要素となったようだ。
 
Featured Driver
■PN3クラス : 奈良橋 成美 選手

2010年から全日本選手権のPN3クラスに参戦を始めた奈良橋成美選手。ランサー・エボリューション]を駆って全国を転戦し、その頑張りは多くの女性ドライバーに勇気を与えている。
2年目となった今年はADVAN A050に代えてADVAN NEOVA AD08で戦った。

「女性にとってはADVAN NEOVA AD08は乗りやすく、コントロールしやすいと感じています。
去年は目の前のことをこなすのが精一杯でしたが、今年は周囲を見て勉強しながら、遠征で色々な方と知り合って世界も広がり、自分なりに成長できた年でした。
PN3クラスはタイヤの摩耗も少なくて資金的にも続けやすく、女性でも続けやすいカテゴリーだと思います」
 
Technical Information
路面はフラットながら磨き込まれた状態でラバーの乗りも少なく、やや低めの路面温度でグリップレベルは中程度。決勝ではスタート直後の島回りでタイヤのウォームアップ性能が問われ、アクセル全開で5速まで入るストレート、そこからタイトコーナーへ突っ込むブレーキングなど多彩なシチュエーションで、クルマ、タイヤ、ドライビングの高い次元でのバランスが要求された。
タイムを出すにはコース幅をめいっぱい使い、クリップをしっかりなぞる必要があり、ラインの自由度は小さかったが、ADVAN A050はG/S 、G/2Sの両コンパウンドともに優れたウォーム性に加えて ロングランでのタレにも強く、ドライバーの意志に忠実にラインをトレース。このコースでもその強さを存分に発揮することができた。
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