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JAPANESE F3 Round 10&11
開催日
2011年8月27日-28日
開催場所
岡山国際サーキット (岡山県)
天候/路面
第10戦 : 曇→晴/ウェット
第11戦 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
第10戦 : 18周
第11戦 : 25周
(1周 = 3.703km)
参加台数
12台
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いよいよ本格的に終盤戦へと突入した、全日本F3選手権の第10戦、第11戦が岡山国際サーキットを舞台として開催された。

金曜日には公式練習が2セッション行われ、セッション1では安田裕信選手が、セッション2では関口雄飛選手がトップ。それぞれ1分26秒台を記録しており、予選では25秒台への突入が期待された。

その予選は天候にも恵まれ、ドライコンディションで争われることに。第10戦の予選では、関口選手がワンアタックを完璧に決めて、1分25秒232をマーク。1分25秒416で続いていた山内英輝選手が逆転を狙って、チェッカーが振られる周まで攻め続けたものの、タイムアップはならず。これで関口選手が6戦連続でポールポジションを獲得し、山内選手、安田選手を従えることとなった。
10分間のインターバルを経て、第11戦の予選が行われ、1分25秒294をマークした安田選手がセッション終了間際までトップにつけていた。しかし、逃げ切りかと思われた、その直後に関口選手が1分25秒227を叩き出して逆転に成功。その結果、7戦連続でポールポジションから決勝レースに挑むこととなった。2番手は安田選手で、3番手は山内選手。第10戦とポジションを入れ替えた格好だ。

Nクラスでは2戦ともに野尻智紀選手がトップ。第10戦の1分26秒885から、第11戦では1分26秒680にまでタイムアップし、ポイントリーダーの貫禄を示すことになった。2番手には第10戦はギャリー・トンプソン選手、第11戦は佐々木大樹選手がつけていた。

第10戦決勝レースを前にして、思いがけない事態が訪れていた。インターバルにいわゆるゲリラ豪雨が降って、コースは瞬く間に水びたしに。スタート進行の頃には雨こそ上がっていたものの、タイヤ選択に頭を抱える羽目に。
何台かはウォームアップにレインタイヤを履いていくも、ほとんどがスリックタイヤに変更。結局、グリッドにはNクラス4番手の佐々木選手、5番手の千代勝正選手のみレインタイヤを装着して並ぶこととなった。

関口選手がスタートを決めて1コーナーにトップで進入。ここでは全車がクリアしたものの、続く2コーナーではトンプソン選手がコースアウト、そしてモスエスではリチャード・ブラッドリー選手がクラッシュ。これにより、セーフティカーランが2周に渡って行われることとなった。

関口を先頭に、山内選手、ポジションをふたつ上げた蒲生尚弥選手、そして安田選手の順でセーフティカーの背後に並び、またNクラスでは野尻選手がポジションキープの一方で、レインタイヤの効果もあって千代選手、佐々木選手が背後に迫っていた。
しかしながら、セーフティカーランの間に路面もわずかながらも乾いて、せっかくのギャンブルは水の泡に。リスタートから2周後に、千代選手はタイヤをスリックに交換する。

また、リスタート直後のヘアピンでは山内選手を抜こうとして、蒲生選手が接触。自らはコースに留まったものの、山内選手はコースアウトしてリタイア。勢いの止まらない蒲生選手はトップの関口選手にも迫り、何度も牽制を繰り返した後、6周目のモスエスでトップに浮上。逆に関口選手は、ダブルヘアピンで安田選手にも抜かれてしまう。

そのまま逃げ続けた蒲生選手は、終盤になると安田選手の接近を許すが、そうそう簡単には抜かれないものと思われた。が、14周目に蒲生選手には黒旗が。山内選手との接触が危険行為と判定されて、10秒ストップのペナルティを命じられたのだ。これで蒲生選手は総合では大きく順位を落としたものの、Cクラスでは3番手に留まったのは、不幸中の幸いと言うべきか。
代わってトップに躍り出た安田選手は、関口選手を従えて今季4回目のトップチェッカーを受けることとなった。
そして、Nクラスは野尻選手が終始トップを守り続けて圧勝。ポイントリーダーが揃って表彰台の中央に立つこととなった。
またNクラスの2番手は、レインタイヤのまま走り続けた佐々木選手が徐々に順位を落とす中、10周目から中山選手が2番手を走行。スピンから追い上げてきたトンプソン選手を最後まで抑え続けている。

決勝レース第11戦が行われた日曜日は、清々しい青空に恵まれたものの、上空には前日にゲリラ豪雨を降らせた雨もところどころに見られ、気を抜くことは許されない状況ではあった。だが、結論から言えば、この日は雨が一粒たりとも落ちず。レースはすべてドライコンディションで争われた。

フロントローに並んだ関口選手、安田選手ともにスタートダッシュは今ひとつ。しかも、互いに牽制し合って開けてしまった1コーナーのアウトを、ちゅうちょすることなく山内選手が突き進んで、一気にトップへと浮上。その勢いのまま、コーナーをひとつクリアするたび、後ろとの差を広げていった。
一方、Nクラスではトップの野尻選手が、エンジンストールで遅れる波乱が。チームメイトの三浦和樹選手もフォーメイションラップでエンジンが始動せず、ピットスタートを強いられていたため、ふたり揃って後方からのレース開始となっていた。代わってトップに躍り出たのは中山選手だ。

2周目を迎えると、トップの山内選手のみならず、2番手の安田選手も早々と単独走行になる中、逆に激しさを増していたのが蒲生選手と関口選手の3番手争いだ。
オープニングラップのダブルヘアピンで前に出た蒲生選手ながら、引き離すまではいたらず、関口選手を従えたまま周回を重ねていく。

動きのないままゴールを迎えるかと思われたCクラスながら、最終ラップのヘアピンで、蒲生選手が突然のエンジントラブルに見舞われ、マシンを止める。その結果、関口選手が労せずして3番手に返り咲くことに。そんなドラマチックな展開を尻目に、山内選手は終始安定したラップで25周を走り抜き、第1戦以来となる今季2勝目をマーク。そして、2位でフィニッシュの安田選手は、ランキングのトップを引き続き守ることとなった。

Nクラスでは中山選手の背後に佐々木選手が絶えずつける、緊張感溢れるトップ争いが続いたものの、中山選手はプレッシャーに屈せず、ミスのない走りを繰り返した。佐々木選手も逆転の決め手を欠き、そのままの順位でフィニッシュ。中山選手が3勝目をマークした。
なお、野尻選手は5位でのフィニッシュに甘んじたものの、ランキングのトップは死守。しかし、中山選手も急接近し、ますますタイトル争いが熾烈になってきた。
 
Driver's Voice
安田裕信 選手
 【今回の成績 : Cクラス 第10戦 優勝/第11戦 2位】
ドライの予選でもかなり手応えは感じていたのですが、第10戦の決勝はウェットになってしまって。それでもスリックタイヤの選択は正解だったと思います。スタートではものすごくホイールスピンしてしまって出遅れましたが、自分のペース、まわりのペース、路面の状況を見ながら、前半に無理して抜きにいってもクラッシュしてしまうだろうと、様子をうかがいながら走っていました。終盤、蒲生選手にペナルティが出たのですが、なかなかピットに入ってくれなくて、かなりイライラしましたね、関口選手も迫っていましたから。それでも、トップに立ってからはファステストラップも獲れました。
第11戦のスタートはそんなに悪くなかったんですが、左斜め後ろから山内選手がすごい勢いで来て……。リタイアはできないから、ちょっと抑え気味で入ったので抜かれてしまいました。また関口選手が後ろにいたのですが、このコースではインを押さえていれば抜かれないし、ペースを上げられても対処できるよう、タイヤを温存しながら走っていました。
第10戦は攻めるレースができたんですが、第11戦は守りのレースをしてしまいましたね。
 
山内英輝 選手
 【今回の成績 : Cクラス 第10戦 リタイア/第11戦 優勝】
第10戦は悔しい結果に終わってしまいましたが、第11戦では今季いちばん良かったんじゃないかと思うほど、いい感じでスタートが切れて、その段階でレースが決まったと思ったぐらいでした。
後ろの安田選手や関口選手が速いのは予選の段階から分かっていたので、できるだけ序盤で離そうと。後ろを見ないでプッシュし続けたんですが、5周ほどしてミラーを見たら、後ろはついてこなかったんで、その後は鈴鹿に向けて自分の何が問題で、何が足りないのかを考えながら走りました。結果として、次につながる走りができたんじゃないでしょうか。
クルマのバランス的には、走っていく中でどんどん変わっていく部分もあったんですが、そこをうまく自分のドライビングで合わせ込むことができましたし、チームが良いクルマを用意してくれたことが、安定したペースで走れた要因ではないかと思います。久しぶりの優勝なんで、ゴールした時は涙で前が見えなくなりそうになりました(笑)。
 
野尻智紀 選手
 【今回の成績 : Nクラス 第10戦 優勝/第11戦 5位】
このところよくないレースが続いていて、その中から自分の足りないところや課題について、いろいろな方々からアドバイスをいただき、それを克服しようといつもとは違う気持ちで臨んでいました。チームがいいクルマに仕上げてくれたので、予選ではダブルポールが獲れましたし、第10戦の決勝では難しいコンディションの中、良いスタートが切れて落ち着いて走ることができました。
でも、第11戦は……。エンジンをストールさせてしまいました。前のレースを見てもらったとおり、すごくいいクルマを用意してもらっているのに、こんなことをしているようじゃ……。この悔しさを次の鈴鹿ではバネにしていきます。
 
中山雄一 選手
 【今回の成績 : Nクラス 第10戦 2位/第11戦 優勝】
ウエットコンディションの第10戦では、ウェットタイヤを選んでいたドライバーが後ろにいたんですが、スタートしてすぐは速いだろうけど、いずれは……と思っていました。実際、セーフティカーが抜けたあたりから、もうスリックタイヤの方がペースが良い状況になってきたんですが、その中でウェットタイヤを履くマシンを抜くのに時間がかかってしまい、トップが見えなくなってしまったのは誤算でした。
第11戦に関しては路面がこれまでよりさらさらした感じで、回転が食われてしまうようなこともなく、良いスタートを決めることができました。1コーナーでは前で19号車と佐々木選手が競り合う形になっていましたが、19号車のブレーキングが予想以上に早く、ぶつかりそうな状況の中、少しタイヤもロックしてしまったんですが、うまく切り抜けられてトップに立つことができました。第10戦とは違うセットアップをしてもらったんですが、中盤から慣れてきて佐々木選手と同じペースで走れるようになったんで、あとはミスさえしなければ抜かれないだろうと。うまく合わせて走ることができました。
 
FEATURED DRIVER
ルーキーながら、第1戦で優勝をいきなり飾った後、Nクラスのランキングトップを守り続けている野尻智紀選手。カートレースでの華々しい活躍の後、受講したSRS-Fで実力を高く評価され、スカラシップによって09年からFCJに参戦。
しかし、絶えず上位を争うものの、2年間ついに優勝には恵まれることはなかった。その前の'08年にはF4西日本シリーズに挑んでいたが、やはり優勝は飾れず。それがF3に上がった途端、優勝とは見る者が見れば改めて感じさせられたものだ。
同時に野尻選手自身が勝ち方を覚え、3戦連続の2位を経て、第5戦で再び表彰台の頂点に立つこととなった。

安定感に満ちていることが野尻選手の身上ながら、それだけでは満足できなかったようだ。さらなるレベルアップを目指して、多くの関係者にアドバイスを求め、それを自己分析。しっかりレース内容に結びついたのが、第10戦だったと言ってもいいだろう。
不安定なコンディションの中、スタートを決めて状態が変化し続ける中でも冷静に対処。だが、第11戦のスタートミスで、その冷静さを欠いてしまった感も否めず。落としたポジションをカバーできず、レースを終えてしまったからだ。

レース後、涙を見せていた野尻選手。しかし、すぐに気持ちを入れ替えていた。

「今日(第11戦)のようなレースをしていたら、話にならない。予選で分かるとおり、クルマは最高だったんで、決勝のペースは(チームメイトの)三浦選手がひとりで走って良かったように、本当はあんな走りはしちゃいけない。すごく悔しいけれど、この悔しさを僕は残りのレースでバネにします。
次はホームコースの鈴鹿で、最後は地元のもてぎ。絶対に思いを晴らしてみせます」と野尻選手。

ひたひたと足跡を響かせ、近づいてくる中山選手のプレッシャーをはねのけることができるか、残りの戦いに注目したい。
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