F1を頂点とするフォーミュラレース・ピラミッドにおいて、その名称の通り事実上3番手のポジションに位置しているのがF3(フォーミュラ3)。世界各国で共通した規則の下でシリーズは開催されており、F1ドライバーの登竜門としても注目を集めているカテゴリーだ。
全日本F3選手権が発足したのは1979年。初代チャンピオンは鈴木利男選手、その後も名だたる実力派ドライバーが王者の称号を手中におさめてきた。
その顔ぶれは日本人に限らず、例えば1990年のル・マン24時間レースでADVANカラーのポルシェ962Cを駆って3位表彰台を獲得したアンソニー・レイド選手は1992年のチャンピオンを獲得している。
また、現在はWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)での活躍が知られるトム・コロネル選手は1997年に、昨年までKONDO
RACINGに所属してSUPER GTを戦っていたJ-P・デ・オリベイラ選手は2005年に、それぞれチャンピオンに輝いている。
マシンももちろん世界共通の規定に従うかたちで造られており、シャシーは事実上、イタリアのダラーラ社のものによるワンメイクという状態にある。
一方でエンジンは排気量2,000ccを上限とした連続する12ヶ月に2500基以上生産された量産エンジンとされており、全日本F3選手権では今季はトヨタと日産のものが用いられている。なおエンジンにはリストリクターが装着され、最高出力は210ps程度となっている。また、組み合わされるトランスミッションは6速シーケンシャルの使用が許されている。
2011年は7大会・16戦がカレンダーとして予定されている。1大会につき2回の決勝レースを基本に、今年は富士とSUGOで1大会・3レースも行われることになった。
また過剰な競争の激化による参戦コストの高騰を防ぐために、レースウィークにシリーズを統括するF3協会が実施する専有走行以外のプライベートテストについては、規則で制限が加えられている。原則的に各サーキットが設定しているスポーツ走行のみを走行することが可能で、例外的に5台が参加する場合のみF3協会に申請して専有走行を2回だけ実施することが許されている。ただし、いずれの場合もレースウィークの二週間前からは禁止されており、参加者間の公平が保たれている。