全16戦で争われる全日本F3選手権は、ツインリンクもてぎで折り返し地点を迎えた。今年はここまで4人のウィナーを生み出しているCクラスは、例年にない激戦。
その中でシリーズランキングを一歩リードしているのが、Three Bondの安田裕信選手である。そのキャリアやプロフィールは、ADVANファンなら今さら言うまでもないだろう。
ここまで一度もリタイアがなく、第1戦でこそポールポジションを奪いながら、ハンドブレーキのトラブルで遅れを取ったばかりか、ペナルティを受けたため5位に甘んじたが、優勝を飾った第2戦以来、入賞を重ね続けて、さらに2勝を加えている。
「ここに来て、追われる立場になっちゃったんですけどね」
そう苦笑するのは、関口雄飛選手の急接近による。第3戦から急きょ出場が決まり、そのレースで優勝を飾った関口選手は、なかなかCクラスで優勝できなかったのが嘘のような快進撃を、その後も重ねているからだ。
「まぁ、ちょっと厳しい状況の中でも、ずっと表彰台に立ち続けていますからね。それは僕の強み。ポール・トゥ・ウィンでファステストラップも獲られると、追いつかれる幅は大きいんで、今回特にそうなっちゃったけど、別に焦ってもいないんですよ。
今トップにいるってことは、自分がチャンピオンにいちばん近いということ!
落ち着いてやっていこうと思っています」
関口選手に迫られている理由を、安田選手はあえて細かく語ろうとはしなかったが、どうやら使用するスリーボンド日産エンジンより、ライバルたちが用いるトムス・トヨタエンジンの方が冷却性能で勝るよう。それで夏場のレースでやや苦戦を強いられたようだ。
「次の岡山あたりが山場になると思いますが、必ず仕切り直してみせますよ!
そのためにもクルマをもっと進化させないとね」と安田選手。
現在、69ポイントを獲得しており、関口選手とは11ポイント差。再び岡山で引き離すことができるか、大いに注目したい。
なお、3位は山内英輝選手で49ポイント、4位は蒲生尚弥選手の47ポイント。まだチャンピオンの可能性は失われてはいないだけに、このふたりにもチャージが期待される。