2009年にフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)で圧倒的な強さを見せ、昨年HFDP RACINGから全日本F3選手権にステップアップを許された三浦和樹選手。だが、正直なところチャンピオンとなったチームメイトの小林崇志選手の陰に隠れるばかりで、優勝を飾ることは許されなかったばかりか、4回表彰台には上がったものの、ランキングでは6位に。
2年目の今年も、しっかり完走を果たしてポイントを重ね続けていたのだが、トップ争いに加わることはできず、再び新たなチームメイト、野尻智紀選手の陰に隠れてしまうのか……と一時は感じさせていた。
ところが、富士での第3ラウンドでは、第6戦の予選でポールポジションを獲得。決勝レースにおいても堂々たる走りで一度もトップを明け渡すことなく、初優勝を遂げることとなった。
「特に前回のレースが散々な結果だったので、1か月休みがあったこともあって、ちょっと実家に帰ってリフレッシュしてきたんですが、それがいい方向に行ったのかもしれません。
もちろん、夏場のレースに向けて、もう本当に気持ちを入れ変えたというのもあります。メンタルもフィジカルもしっかりトレーニングし直してから、今回のレースに挑んだので、それがいちばん良かったんじゃないでしょうか。あと、クルマに関しても僕の意見を取り入れていただけるようになり、徐々に走りにあってきたというのもあるのかもしれません。
本当に今まで長かったです、初優勝まで。チームの皆さんには本当に感謝しています」
続く第7戦では予選結果のまま、4位という結果に留まり、連勝こそ果たせなかったものの、ひとたび流れをつかんでからの爆発力はFCJの時代に実証済。あの再現を期待したいものだ。