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IRC Round 10
開催日
2011年10月7日〜9日
開催場所
パース市 近郊
(スコットランド)
天候/路面
LEG1 : 曇り/ウェット
LEG2 : 雨/ウェット
LEG3 : 雨→曇/ウェット
グラベル(非舗装路)
SS総距離
196.96km (15SS)
総走行距離
1003.651km
参加台数
IRC部門 : 38台
(ADVAN装着車 5台)
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2011年のIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)・第10戦「ラリー・スコットランド」が10月7日から9日にかけて、イギリス北部のスコットランドを舞台に開催された。今季2度目のグラベル(非舗装路)を舞台としたラリーに新井敏弘選手と奴田原文雄選手、ふたりの日本人ドライバーがスバルWRX STI・R4でチャレンジした。

同イベントのホストタウンはスコッランドの古都パースで、その周辺の山岳エリアにステージを設定。いずれも中高速コーナーを主体とする高速グラベルだ。しかも、道幅が狭く、三次元のブラインドクレストが連発。
加えて、ラリーウィークは雨に祟られたことから、路面がスリッピーになるなど過酷なコンディションとなるものの、ADVANのサポートドライバーは順調な仕上がりを見せていた。

6日の夕方に予定されていたシェイクダウンはコースの特性が本番のステージと大きくかけ離れていたことから、両選手ともに出走を見合わせたものの、ともに前日の5日にスコットランドで行なわれた事前テストでマシンのセットアップを実施済。新井選手、奴田原選手ともに熟成を極めたWRX STI・R4でコンスタントな走りを披露してきただけに、今大会ではベストリザルトが期待されていた。

その注目のラリー・スコットランドは7日の夕方、パース南西のスターリング城を舞台とするセレモニアルスタートで幕を開けた。スタートランプを駆け上がった新井選手、奴田原選手はそのまま山岳エリアへ移動し、レグ1として設定されている2本のナイトステージにチャレンジ。
SS1「Carron Valley1 (8.36km)」では新井選手が15番手タイム、奴田原選手が20番手タイム、リピートステージとなるSS2「Carron Valley2 (8.36km)」でも新井選手が17番手、奴田原選手は20番手タイムと若干出遅れたものの、明けた翌8日のレグ2では両選手ともに素晴らしいパフォーマンスを披露した。

まず新井選手はフロントウィンドゥの曇りを取り除くデフロスター装置のトラブルで視界が塞がれながらも、SS3「Craigvinean1 (16.54km)」で15番手タイム、SS4「Drummond Hill1 (13.16km)」で13番手タイム、SS5「Errochty1 (17.68km)」で12番手タイムとペースアップに成功。この日は朝から雨が降り続くなか、最終ステージのSS8「Drummond Hill1 (13.16km)」が雨と霧の影響でキャンセルとなるなど、セカンドループではコンディションが悪化していたが、それでも新井選手はSS6「Craigvinean2 (16.54km)」で14番手タイム、SS7「Errochty2 (17.68km)」で13番手タイムをマークし、総合12位でレグ2をフィニッシュする。

一方の奴田原選手もWRX STI・R4で迎えた初めてのぬかるんだマッディな路面に苦戦しながらも、SS3で23番手タイム、SS4で20番手タイム、SS5で17番手タイムとジャンプアップを果たす。
しかし、細部のセッティングを煮詰めることができずにSS6、SS7ではともに19番手タイムに後退。それでも、最後まで堅実な走りを披露しており、総合18番手でレグ2をフィニッシュした。

このように一進一退を繰り返しながらも着実にステージを消化する両選手だが、翌9日のレグ3でさらなるペースアップを果たした。
この日は午後に天候が回復したものの、午前中から降り続いた雨の影響で路面は引き続きマッディな状態。そんな中で、新井選手はオープニングステージのSS9「Carron Valley3 (8.36km)」で地元のグループN勢や数台のS2000勢を抑えて10番手タイムをマーク。続くSS10「Loch Chon1 (9.91km)」ではクレスト後の穴に強打してアライメントに不具合が出てきたことから13番手タイムに留まり、SS11「High Corrie1 (25.81km)」では石にヒットしてタイヤを壊してしまったことから26番手タイムに低迷してしまう。
しかし、リモートサービスでアライメントを見直すとセカンドループで復調し、SS12「Loch Chon2 (9.91km)」で10番手タイム、SS13「High Corrie1 (25.81km)」で11番手タイムをマークした。

そして林道ステージを終えた新井選手は公園ステージでも爆発的なスプリント能力を見せ、SS14「Scone Palace1 (2.84km)」で11番手タイムをマークするほか、リピートステージのSS15「Scone Palace2 (2.84km)」では8番手タイムを叩き出す。
このレグ3の猛追の結果、新井選手は総合9位に入賞し、IRCで初のポイントを獲得。同時にプロダクションカップでも1位を獲得し、日本人初のウィナーに輝いた。

一方、奴田原選手は足まわりのセッティング変更が裏目に出てしまい、SS9で18番手タイムと足踏み状態になってしまい、SS10では石にヒットしてタイヤを壊してしまったことから、33番手タイムに低迷する。
それでも奴田原選手はSS11で18番手タイム、SS12で17番手タイム、SS13で16番手タイムと林道ステージで着実にタイムアップ。
さらにラリーを締めくくる公園ステージでもリズミカルな走りを披露しており、SS14で再び16番手タイムをマーク、最終ステージのSS15では自己ベストリザルトとなる15番手タイムでこのラリーを締めくくった。
奴田原選手は上位陣からもリタイアの続出するサバイバルラリーを最後まで走り抜き、総合15位で粘りの完走。プロダクションカップでは3位を獲得し、新井選手とともにADVAN装着車が1-3フィニッシュを達成した。

なお、今大会には新井選手と奴田原選手のほか、3台のADVAN装着車がチャレンジしていたのだが、そのなかで最も素晴らしいパフォーマンスを披露したのが、フィンランド人ドライバーのヤルコ・ニカラ選手だった。
ニカラ選手は三菱ランサー・エボリューションIXのグループN仕様車を武器にプロダクションカップの首位を快走。SS11では多くのS2000勢を抑えて4番手タイムをマークし、総合順位でも6番手に付けていた。
残念ながらSS13でコースアウトを喫し、そのままリタイアとなったが、最も素晴らしい走りを披露した若手ドライバーに送られる「コリン・マクレーIRCフラットアウト・トロフィー」を獲得することによって、ADVANラリータイヤの優れたパフォーマンスを改めて証明した。
 
Driver's Voice
新井敏弘 選手
 【今回の成績 : 9位】
クレストが多くて高速かつ道幅が狭いので、スコットランドはラリーGBより難しいステージでしたが、ラリー北海道のセッティングを試したところ、水曜日の事前テストからクルマのフィーリングは良い感触でした。
レグ1のナイトステージは前が見えなかったし、レグ2もデフロスターの不具合が発生。それにレグ3はSS10でクレスト越えの後の穴に落っこちてアライメントが狂ったり、SS11で石にぶつけてタイヤを壊したりといろんなことがありましたが、なんとか地元のグループNより速いタイムを出せたし、9位で入賞することができました。"いろんなこと"がなければもっと上のポジションでフィニッシュできたと思いますが、プロダクションカップは優勝なので良かったと思います。
今年はマシンのセッティングに時間がかかってしまいましたが、ようやくR4仕様車もセッティングが煮詰まってきましたし、タイヤも随分と進化して、どんな路面に対しても安定して走れるようになりました。最終戦のラリー・キプロスはミックスサーフェス(舗装路面と非舗装路面の混合)戦ですが、クルマもタイヤもいい状態なので頑張りたいと思います。
 
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : 15位】
水曜日の事前テストは順調に進んでいたんですけれど、フィンランドのようにスピードが速くてクレストが多いうえ、ラリー本番は路面も滑りやすかったし、石も多かったのでレグ1、レグ2ともに思うようには走れませんでした。レグ3もSS9は足まわりのセッティング変更が裏目に出たりもしましたが、SS10以降は無難に走ったといった状況で、最後まで攻めることができませんでした。
同イベントはWRX STI R4での3戦目のイベントですし、ベストリザルトを目指していたんですけれど、時間が少なくて最後までインプレッサをものにすることができませんでした。足まわりのセッティングが煮詰めきれなかったこともありますが、これまで乗り続けてきたランサーと走らせ方が違うし、限界も掴みきれなかったので、イメージどおりの走りをすることができませんでした。
それでも、タフなラリーで大きなトラブルもなく完走できたし、タイヤもトラクション性能が良くなって、接地感が増したりとずいぶんと進化したので良かった。この経験を今後のラリー活動に活かしたいと思います。
 
Driver's Voice
八重樫 剛
今大会のタイヤは第6戦のラリー・アソーレスで見つかった課題を改良したモデルで、天候や路面コンディションの変化に幅広く対応できるように安定性を高めました。コンパウンドとしてはミディアム、ソフトの2種類ですが、ラリーウィークは基本的にウェットだったので新井選手、奴田原選手ともにソフトのフルカットで対応しました。
レグ3では新井選手、奴田原選手ともにタイヤの破損に見舞われていますが、いずれも石にヒットしたことが原因のようです。路面が荒れていてペースノートに載っていない石が散乱していたようですし、他のメーカーのタイヤも同じ理由でタイヤを壊しているので、今大会はそのようなコンディションだったのでしょう。
なかなかハードなラリーでしたが、タイムも良かったですし、ドライバーのフィーリングも高い評価を受けているので、タイヤに関してはコンセプトどおりのパフォーマンスを発揮できたと思います。今大会が2度目のグラベル戦ですが、クルマとともにタイヤも進化していることを確認できました。
最終戦のラリー・キプロスはグラベルとターマックを組み合わせたミックスサーフェス戦ですが、チーム側からはラフなコースと聞いているのでハードコンパウンドを中心にラインナップしたいと思います。
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