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IRC Round 7
開催日
2011年8月26日〜28日
開催場所
ズリーン市 近郊 (チェコ)
天候/路面
LEG1 : 晴れ/ドライ
LEG2 : 晴れ/ドライ
ターマック(舗装路)
SS総距離
248.48km (15SS)
総走行距離
619.73km
参加台数
122台 (ADVAN装着車 2台)
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2011年のIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)第7戦「バルム・チェコ・ラリー・ズリーン」が8月26日から28日にかけて、チェコ南東部のズリーンを舞台に開催。第6戦の「ラリー・アソーレス」に続いて、奴田原文雄選手/市野諮選手組がスバルWRX STI spec C・R4でチャレンジした。

同イベントは1971年の初開催以来、今年で41回目を数える人気のターマック戦で、IRCはもちろん、ヨーロッパ選手権においても名物ラウンドとして定着している。ヘッドクォーターは隣国スロバキアに程近いチェコ南東部の地方都市ズリーン市に設けられ、その西に位置するオトロコヴィスにサービスパークを設定。
ステージはその周辺の丘陵地に設定されたターマックロードで、いずれも中高速コーナーを中心とした高速のワイディングだ。しかも、アップダウンが激しく路面はバンピーで、一部のステージでは砂利が多く浮き出ているなどスリッピーなセクションが多くなっていることから、毎年のようにクラッシュが続出するサバイバルラリーが展開されている。

まさに、シリーズを代表する過酷な一戦で、奴田原選手にとっては今大会がスバルWRX・R4での初のターマック戦となるが、実はバルム・チェコラリーは今大会が2度目のチャレンジとなる。2010年の大会にスウェーデンのチーム「スジョランダー・モータースポーツ」の三菱ランサーエボリューションIX(グループN仕様車)で参戦しており、奴田原選手は初めての左ハンドル車でのラリーで、総合24位/グループNクラス7位でフィニッシュした。

今大会は2010年の逆ルートが使用されているが、他のラウンドと違って出場実績を持つことから、2日間のレッキで充実したペースノートを作成している。
加えて前戦のラリー・アソーレスは初のスバルWRX・R4で、しかも、初めてテイン社製ダンパーのグラベルスペックを使用したことから、足まわりのセッティングに苦戦を強いられていたのだが、全日本ラリー選手権では昨年よりターマック戦ではテイン製のダンパーを使用していることからスムーズな対応を披露。事実、26日の午前中に行なわれたシェイクダウンでも奴田原選手はスバルWRX・R4で順調な走りを見せていた。

同大会は26日の夕刻、ズリーン市内のセレモニアルスタートで幕を開け、同市街地に設けられたSSS(スーパー・スペシャル・ステージ)のSS1「SSS Zlin(9.36km)」で競技がスタートした。もともとコンパクトでテクニカルなSSSを得意とする奴田原選手だったが、足まわりのセッティング変更が裏目に出てしまい、同ステージは総合46位/IRC43位に出遅れてしまう。

翌日の27日は丘陵地のワイディングで本格的なタイム争いが展開されるものの、奴田原選手はこの日のオープニングステージとなるSS2「Biskupice(8.89km)」も総合37位/IRC36位に低迷。
さらに足まわりのセッティングを微調整してSS3「Pindula(12.95km)」にチャレンジするものの、前走者がクラッシュを喫し、レスキューに時間を要したことから、セッティング変更の正否を確認できないまま、同ステージがキャンセルとなってしまう。

続くSS4「Trojak(28.69km)」は前述のセッティング変更が功を奏し、順調な走りを披露するものの、後半のジャンクションをオーバーシュートしたことによって約30秒をタイムロスしていまい、総合63位/IRC50位に。

そして、ファーストループを締めくくるSS5「Semetin(11.49km)」でもスタートから8kmの地点でボールジョイントにトラブルが発生。コントロールを失った奴田原選手はそのままコースアウトを喫し、立木にヒットすることになった。
幸いクルーに怪我はなかったものの、マシンのダメージは大きく、そのままリタイア。奴田原選手はレグ1を走りきることなく、バルム・チェコラリーを終えることとなってしまった。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : リタイア】
バルム・チェコ・ラリーは2度目の参戦ですし、テインのターマック用ダンパーは全日本ラリー選手権でも使っているので特に不安はなかったんですけれどね。スバルWRX・R4で2戦目のラリーなので、シェイクダウンではいろいろとセッティングを試しながら走っていました。
26日のスーパーSSもセッティングを変更していたんですけど、それが裏目に出てしまってようで思ったように走れませんでした。27日の1本目のSS2ではその逆の方向性を試してみたんですけど、バンピーなところでマシンが跳ねていたので、SS3で微調整を加えました。結局、SS3はキャンセルになったので、SS4でそのセッティングを確認したところ、まずまずの仕上がりになりました。
しかし後半のジャンクションでオーバーシュートして30秒ぐらいロスを喫してしまいました。そして、ボールジョイントが外れたみたいで、SS5はスタートから8kmぐらいのところで、突然クルマが右側にステアリングを獲られてそのままコースアウト。目の前にあった立木に突っ込んでしまいました。
上手く行かなかったので昨年のリベンジをしたかったんですけれど、今年も不完全燃焼に終わりました。しかし、いろいろと試せたので足まわりのセッティングの方向性が分かってきたし、新しいタイヤもコントロール性が良くなっているので、次回のラリー・スコットではベストリザルトを目指して頑張ります。
 
Driver's Voice
八重樫 剛
コルシカ(第3戦/ツール・ド・コルス)の経験を活かして、今大会は新しい構造のターマックタイヤを投入しました。コンパウンド的にはソフト、ミディアム、ハードの3種類をラインナップしていたんですけれど、当日のコンディションに合わせて奴田原選手はソフトタイヤを装着。足まわりのセットアップに試行錯誤していたようですが、ドライバーのフィーリングから考えると、タイヤとしては狙いどおりで、開発の方向性が正しかったことが確認できました。
本当はタイムや摩耗状態をチェックするために、もっと距離を稼いでもらいたかったんですけどね。マシントラブルで少ししか走れなかったので残念です。とはいえ、エンジニア的に見ても感触としては悪くなく、前回のターマック戦のコルシカで見えた課題が上手く改良できているように思います。
次回のターマックイベント、ハンガリー(第8戦/メセク・ラリー)も基本的には同じタイヤを使用するので、この大会に参戦する新井敏弘選手の走りに期待したいと思います。
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