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SUPER GT Round 8
開催日
2011年10月15日-16日
開催場所
ツインリンクもてぎ (栃木県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
決勝周回数
53周 (1周 = 4.801km)
参加台数
36台
(ADVAN装着車 19台)
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いよいよ今季最終戦を迎えた2011年のSUPER GT。GT500、GT300ともにタイトル争いの舞台となる「MOTEGI GT 250km RACE」は10月16日に栃木県のツインリンクもてぎで決勝レースが行われた。

今季の多くのレースがそうであったように、最終戦の舞台となったもてぎも土曜は終日雨に見舞われた。
ノックアウト方式を採用する今大会の予選、GT500をADVANとともに戦う「WedsSport ADVAN SC430」は片岡龍也選手のドライビングでQ1とQ2をクリア。Q2の上位7台が進出したQ3では荒聖治選手がステアリングを握り、やや雨量が増える難しいコンディションの中で6番手のタイムをマーク。今季最高グリッドの獲得を果た、ADVANタイヤのウェット性能の高さとともに、チーム、マシン双方の大きな進歩を印象づけることとなった。


一方のGT300は、ランキング2位の「初音ミク グッドスマイルBMW」がノーハンデとなったことで再び本領を発揮。練習走行では唯一2分02秒台に乗せてトップに立った勢いを、そのまま予選でも見せつけ、Q2では番場琢選手がトップタイムをマーク。
Q3ではその奮闘に谷口信輝選手も応え、2番手につけたライバルの2分05秒234に対し、2分04秒356をマーク。その結果、今季3回目のポールポジションから決勝に挑むこととなった。

決勝が行われる日曜日、朝のフリー走行は前日に続いてウェットコンディションとなったが、「ADVAN KONDO GT-R」が4番手、「WedsSport ADVAN SC430」が7番手と、そろって好調な仕上がりを見せた。そしてサーキットサファリ終了後に急速に天候が回復。想定された状況であったとはいえ、決勝は一転してドライでの戦いとなった。

気温27℃、路面温度34℃でスタートした53周の決勝。
8番手からスタートした「ADVAN KONDO GT-R」は5周目に他車と接触したことから8周目に緊急ピットインを強いられ、序盤で大きくポジションをダウン。最後まで我慢のレースとなってしまったが、12位でしっかり完走を果たした。

「WedsSport ADVAN SC430」は荒選手がスタートを担当、9周目に6番手に浮上すると、前を行く100号車・HSV-010とテール・トゥ・ノーズ状態の激しい攻防を展開。19周目に100号車がピットインし5番手に浮上すると、23周目にピットイン。ここでチームは30周と長い後半スティントを鑑み、荒選手が装着していたミディアム系ではなく、ハード系のタイヤを装着し片岡選手を送り出すことに。

コースに復帰した片岡選手だったが、予想よりも急速に路面温度が30℃を割り込んでいってしまったため、思うようにハード系のタイヤのパフォーマンスを発揮出来ず、なかなかポイント圏内にポジションを戻せない展開に悩まされる展開に。
結局12番手でチェッカーを受けた「WedsSport ADVAN SC430」だったが、レース後に1台がタイム加算のペナルティーを受けたことでひとつ繰り上がって11位でのフィニッシュとなった。

一方、「初音ミク グッドスマイルBMW」がポールポジションから決勝を迎えるGT300クラス。2番手グリッドを獲得した11号車・フェラーリと、チャンピオンを懸けて一騎討ちとなる。
朝のフリー走行でもトップタイムをマークするなど、好調をキープしたまま決勝に臨んだ「初音ミク グッドスマイルBMW」。ドライに転じた決勝では、今回初めてスターティングドライバーに番場選手が起用されることになった。
谷口選手やチームスタッフのみならず、ライバルたちからも叱咤激励を受けた番場選手は、プレッシャーに屈することなくスタートを決め、トップで1コーナーに進入。そして、オープニングの1周だけで2番手のライバル・11号車のフェラーリ458 GTCに対して、1秒4の差をつける好スタートを見せる。

その後方では「R&D SPORT LEGACY B4」の佐々木孝太選手が「#88 JLOCランボルギーニRG-3」の井入宏之選手を、2周目の5コーナーでかわして3番手に浮上。その勢いのまま5周目の3コーナーで2番手に浮上した佐々木選手は、一時4秒以上にも及んだ「初音ミク グッドスマイル BMW」との差をじわじわ詰め、8周目にはその差1秒を切るところまで詰め寄る快走を見せる。ところが、なんとその翌周、「R&D SPORT LEGACY B4」はピットに飛び込んでしまう。

「左リヤのナットが突然緩んで、グラグラっとして。じっくり待ってからトップも抜きにいくつもりだったんですが……」と佐々木選手。素早い対応で、なんとか周回遅れにならずに済んだものの、これで18番手にまで後退した「R&D SPORT LEGACY B4」は、完全に勝機を奪われることに。

これで再び2番手に浮上した11号車・フェラーリが19周目にピットインしたのを受けて、「初音ミク グッドスマイルBMW」も翌周にピットイン。タイヤを4輪しっかり交換してもなお、約40秒という素早い作業だけで6秒ものマージンを稼ぎ、さらに谷口選手がアウトラップを攻め込んだこともあって、それまでの2秒差は一気に10秒にまで拡大することに。

トップを守っていた「エヴァンゲリオンRT 初号機アップル紫電」などがピットインした36周目からは、「初音ミク グッドスマイルBMW」が堂々のトップに返り咲き、谷口選手はそのままアクセルを緩めず周回を重ね続ける。
そして、49周目にチェッカーが振られ、見事ポール・トゥ・ウインで今季3勝目をマーク。これにより、3位に終わった11号車・フェラーリを逆転して谷口選手と番場選手が念願の王座を獲得。
今季未勝利に終わったライバルに対して、3勝目を飾ってのチャンピオン獲得で、その走りを支えるADVANレーシングタイヤの圧倒的に優れたポテンシャルを改めて実証するかたちとなった。

一方、終盤には4番手争いもヒートアップ。
44周目に「triple a Vantage GT2」の吉本大樹選手が4番手に浮上すると、「#88 JLOCランボルギーニRG-3」の関口雄飛選手がこれを激しく攻め立てる。しかし、吉本選手はクーリングシステムのトラブルで脱水症状に苦しみながらも、辛くも4位を守り切ることに。
また、ラスト3周で「R&D SPORT LEGACY B4」の山野選手が6番手を奪い取って、わずかながらも溜飲を下げることとなった。
 
Driver's Voice
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 11位】
土曜には雨の中、雨量的にもそこそこという状況での予選だったのですが、僕らにとっては欲を言えばもっと雨が多くても良かったかなと。トップ2台には届かなくても、それに近い良い状態での戦いができたと思いますので。Q3まで駒を進めることができましたし、ウェットでも課題が残っているとはいえ、とにかくタイムを出すということに関しては手応えを感じることができ、今季最高の6番手というグリッドを手にすることができました。
決勝の第1スティントはデータがない中、それなりに合っていたと思いますが、僕が走った第2スティントは30周以上あるということでハード目のタイヤを選んだのですが、思っているよりは早く気温などが下がり始めたので、結果的には選択ミスだったかもしれません。
そのため決勝でのペース自体は良くはなかったものの、1年間クルマもタイヤも開発を続けて来たことで、"タイヤ選択さえ合っていれば、かなり戦えたはず"というところまで来ていることが確認できました。終盤の2レースほどで、グググッと前との差を詰められたようにも思いますね。
 
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 11位】
予選ではQ3までしっかり進むことが出来て、本当に予選らしい予選、今年1番の予選を戦うことが出来ましたね。
決勝が急にドライになったことで13分のウォームアップの中でタイヤやセットアップを決めなければならなかったのですが、みんな同様、非常に厳しい状況でした。そんな中でもスタートから7番手当たりをキープして、僕のスティントではそこそこ良いペースで走れていたと思います。あれで「RAYBRIG HSV-010」に引っ掛からなければ、もうちょっと良いタイムで走れていたんじゃないかというくらいでしたから。
ただ、ピットインのタイミングなど、いろいろな状況の中で、惜しくも11位ということでポイントに届かなかったことが残念でしたね。1年間試行錯誤を繰り返して来て、その中でも予選ではもちろん、決勝のドライコンディションでもクルマに対してのフィーリングは、今季一番良かったかなと思えるほどだったと思います。テストなども行って、着実に前進してきているなということは、このレースで感じられたように思いますね。
タイヤに関しては、まだクルマの特性に合わせ切れていないですし、同時にクルマの方でタイヤをうまく使い切れていないのは確かですが、終盤には前進しているという手応えを感じることができましたし、来年以降コンディションに関係なく安定して良いパフォーマンスが発揮出来るようにして行きたいですね。
 
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 12位】
個人的には、土曜の予選1回目では苦手な雨の中でしたが、インターミディエイトのタイヤで4番手に食い込むことが出来ましたし、決勝のレースペース自体は結構良かったように思います。
しかし、スタート直後にビヨン(ビルドハイム選手)がタイヤで苦戦してしまって。もてぎではテストしていないタイヤでスタートした結果、うまく行かなかったんです。ピットでのドライバー交代の際に、コースオフしたりしていた関係でロスしてしまった部分もあり、レース終盤には前で競り合っている3台ほどの集団に追いつくことが出来たのですが……。自分としてはペースも良かったものの、ポイントには届きませんでした。
今季は凄くタイヤの開発に関して集中して頑張ったんですが、大きなチャンスだった開幕戦で勝てなかったものの、1年を通じて考えると去年よりは1戦1戦、良いレースができたように思いますし、個人的にも良い仕事ができたのではないかと前向きに捉えています。11月にJAFグランプリが残っていますが、去年自分は4位になっていますし、今年最後になんとしても表彰台に上がれるように頑張ります。
 
ビヨン・ビルドハイム 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 12位】
岡山のテストで良かったタイヤをチョイスしてスタートしたんだけれど、残念ながら上手く行かなかったね。最初の3周ほどは良かったんだけれど、4周目フロントタイヤにグレーニングが出来てしまったために、フロントタイヤが利かなくなり、グリップを失ってブレーキングのたびにフロントタイヤがロックするようになってしまったんだ。
ウォームアップなどでグレーニングが出来る可能性は感じていたんだけれど、症状が軽かったこともあり、問題ないだろうと考えていたんだけれど、決勝では意に反してどんどん酷くなって行ってしまった。そのせいで、S字コーナーで直進しコースオフしてしまったり、接触が起こってしまったりして、大きくタイムをロスしてピットインし、タイヤを換えざるを得なかった。その後のペースが良かっただけに残念だ。スタートで履いたタイヤはこれほど高い気温の中ではテストしていなかったし、雨の影響で路面にラバーが乗っていなかったことも原因だったと思う。
今季はレクサスからGT-Rへ、タイヤもADVANへとスイッチし、自分にとってはKONDOレーシングとの新たなチャレンジとなったシーズンだった。過去のチームの状況を考えると、良いタイヤと良い状況が揃っていながら勝てなかった開幕戦が心残りだけれど、1年を通じて安定して戦えたことはポジティブに考えているよ。さらなる上のレベルを目指すためにも、さらにタイヤをコンペティティブなものにして行く必要があるだろうね。
 
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
まずはチームや横浜ゴムを始めとする関係各位に感謝したいと思います。今は非常に嬉しいです。SUPER GTを始めて今年で10年目、やっとチャンピオンが獲れました! まさか逆転で獲れるなんて思ってもいなかったので、感無量です。
今日、初めて番場選手にスタートを任せたのですが、無事に帰ってきてくれて、僕にバトンを託してくれたからには絶対に守ってやろうと。できた今は、嬉しいだけじゃなくホッとしてもいます。チームが回を増すごとに強くなっていって、度重なる性能調整もしっかりはねのけてくれました。横浜ゴムが絶えず進化したタイヤを供給してくれたのも、勝因のひとつです。
 
番場琢 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
今はもう、素直に嬉しいです。横浜ゴムのスタッフ、チームのみんな、そして今年1年間、僕を支えてくれた谷口さん、すべての人々に感謝しています。
オートポリスのレースが終わって、帰りの飛行機の中で谷口さんに『頼むからチャンピオン獲らせてくれ』と言われ、2週間のうちにできることは全部やってきました。初めてのスタートにも、いつものように集中していれば大丈夫だと思えるぐらい、しっかり準備をしてきたのでうまくいきました。どんな時でも強い谷口さんは、包み隠さず何でも教えてくれたので僕はすごく成長できたし、きっと人生さえ変わると信じています!
 
Turning Point
■「初音ミク グッドスマイル BMW」、初タイトルの次に狙うはやはり連覇!

第3戦・セパンでの初優勝、そして第6戦・富士での2勝目でハイパフォーマンスを披露したがゆえに、性能調整を課せられ続けてきた「初音ミク グッドスマイルBMW」。前回のオートポリスではFIA GT3のBMW Z4には明らかに不向きなコースだったとはいえ、9位という結果に甘んじて、谷口信輝選手は落胆の色を隠し得なかった。

もちろんウエイトハンデが効いていたことも事実で、ならばノーハンデとなる最終戦で、「最後に逆襲を!」と普通はなるものだが、彼らには先に述べたとおり、性能調整という足かせが依然としてつきまとっていた。だから、「性能調整さえなかったら、『たかが5点差、最後にひっくり返してやる!』ぐらいのことは言えたんだけどね」と語っていたものだ。

だが、その逆境をウェットコンディションの練習走行、予選では完璧にはねのける。

「僕らのクルマはFR(フロントエンジン・リアドライブ)だから、雨になるとトラクションのかかりやすいミッドシップやRR(リアエンジン・リアドライブ)が有利だと思っていたんだけれど、朝の練習走行を走ってみたら用意してくれたタイヤがすごくグリップしてくれて、これなら絶対にポールを獲ってやるって気持ちになったんです」と谷口選手。
パートナーの番場琢選手も「走り始めからグリップしていたし、安心して踏んで攻められるクルマ、タイヤになっていたんで、僕もいい走りができました」と。

そんなふたりをピットで見守っていた片山右京テクニカルアドバイザーも、ふたりの力走を手放しで評価。
そして、タイトルを争う上で何かアドバイスを? という問いに対し、「頑張れと言ってタイムが上がるようなドライバーじゃないから、特に何か言ったわけじゃない。でも、これまでの反省点をチーム全体で修正できるよう、僕も力を尽くした。あとはミスをしないことを心がけるだけ、みんながね」と語っていた。

いざレースが始まっても、ドライバーにも、そしてスタッフにもミスは一切なかった。また、いきなり装着することになったスリックタイヤも、レインタイヤ同様完璧に機能。ドライバーふたりをコンスタントに周回させた。

マシンのメンテナンスを担当し、谷口、番場両選手が全幅の信頼を寄せる、RSファインの河野高男チーフエンジニアは、ふたりの流す涙を見て、「特に谷口選手はGTを10年やって、ようやくチャンピオンが獲れたんだから、そりゃ涙も流すでしょう。何回もチャンピオン争いをしてきて、その都度辛い思いをしてきたんだから。まぁ、僕らもようやく肩の荷が降ろせました」と、ドライバーの思いを代弁するかのように語ってくれた。

「きっと僕も、人生が変わるでしょう。GTでチャンピオンが獲れるなんて、まずできることじゃないから。1年間やってきて、大変なことばかりでしたが、すごく自信がつきました。勝ちたいという気持ちがどこよりも強かったのが、(チャンピオン獲得の)最大の要因だったように思います。そのために、ドライバーを含めた体制、それと右京さんまで考えられる最大のパッケージを用意できたこと、それも大きかったんじゃないでしょうか。
初めにチームを作る時、何としても勝てるチームを、と思って谷口選手に声をかけてOKしてもらえたけど、果たして番場選手とうまくやっていけるのか、少し不安もあったんです。でも番場選手もすごく成長してくれて、精神的にも強くなってくれました」と語るのは大橋逸夫監督。きっとドライバーに負けず劣らず、喜びはひとしおであったことだろう。

「今度は連覇を狙いたい」という言葉も、間違いなく本音のはず。そのためにも、ここからがまた新たなスタートになるが、しばらくは心地よい達成感をチーム全体で満喫してほしいものだ。
 
Engineer's Voice
荒川 淳
まず予選ではウェットコンディションの中、全体的にはまずまずのパフォーマンスが発揮出来たと思います。
「WedsSport ADVAN SC430」については、初めてノックアウト予選でQ3まで進出するなど、安定して良いパフォーマンスを発揮して今季最高の6番手を獲ることが出来たので良かったのですが、その一方で、「ADVAN KONDO GT-R」に関してはQ3進出に焦点を合わせていただけに、Q2での敗退は予想外でした。持込みタイヤの制限がある中で、Q3でベストなものを投入するべく、Q2ではクリアさえ出来れば良いという状況ではあったのですが、うまく1ラップにまとめ切れなかったように思います。

一方、決勝は予想どおりドライコンディションでの戦いになったわけですが、「WedsSport ADVAN SC430」は良い戦いをしてくれたように思います。結果論から言えば、荒聖治選手がスタートで履いていたのと同じタイヤを片岡龍也選手も履いていれば、もっとレースペースが良くポイント獲得が出来たのではないかと思います。
前半で荒選手が前のマシンに引っ掛かっていたこともあって、ショートスティントとして後半の片岡選手を引っ張るという戦略は良かったと思いますが、予想よりも早く路面温度が下がっていってしまったことが影響し、タイヤ選択という部分で結果的に裏目に出てしまったかもしれません。

「ADVAN KONDO GT-R」に関しては、結果からすればタイヤのチョイスが響きましたね。第2スティントでビルドハイム選手が履き替えたタイヤでスタートしていれば、充分上位陣と同等のペースで周回できていたとは思います。
岡山テストでは今回のようなずっと雨でいきなり履くというような状況では試せていませんでしたし、ウォームアップを走った感じでは少し厳しいかもしれないという予測もあったのですが、最終戦でしたし、グリッドの位置を考慮して、少しでも上位進出の可能性が高い方に賭けたという感じだったのですが……。3周ほどでグレーニングが起きてしまい、ピットに入って違うタイヤに換えるしかありませんでした。その後のビルドハイム選手、安田選手のペースが良かっただけに残念な結果になりました。

最終戦でポイント獲得を果たせなかったGT500ですが、タイヤ開発という意味ではある程度ステップを踏みながら、去年から比べればステップアップ出来た1年だったと思います。我々の開発自体は進んだものの、ライバルメーカーとの戦いという側面からすれば、まだまだやり残したことがあったのかなと思います。
選手権という点でも、どこかうまく噛み合ない1年だったようにも感じますね。「ADVAN KONDO GT-R」は開幕戦の富士ではトラブルでチャンスを逃してしまったことが痛かったですし、「WedsSport ADVAN SC430」は充分なテストが出来ない中でシリーズを戦って、クルマを仕上げるのに時間が掛かってしまったように感じます。ただ、最終戦にしてようやくクルマの方向性が見えて来た部分もあるように思いますし、来年に繋がる手応えは感じています。

一方GT300では、「初音ミク グッドスマイル BMW」が、見事逆転チャンピオンを獲得することが出来、とてもうれしく思います。
5ポイント差で今大会を迎え、勝つしかないという状況だったわけですが、結果的に逃げ切ることができ、良い形で逆転チャンピオンが獲れて本当に良かったと思います。
今回GT300に関しては全体的な底上げをしながら、ウエットでは新しいスペックのものを投入したのですが、それが雨の予選で良いパフォーマンスを発揮してくれましたし、ドライとなった決勝でも問題なくしっかり戦えたと思います。「初音ミク グッドスマイル BMW」に関しては、スタートドライバーを務めた番場琢選手がしっかりタイム差をキープした状態で、谷口信輝選手に繋いでくれたことが、良い結果につながったように思います。

今回でシリーズ戦は終了しましたが、11月には富士でJAFグランプリが控えています。気温、路面温度ともにかなり低いコンディションでのレースになるわけですが、結果はもちろん来年に向けてのデータ収集の貴重な機会と捉えています。条件的には温まりの良い我々のタイヤにとって、不利な状況はないと考えていますし今季開発を続けて来た中で、予選についても決勝についても投入予定のスペックはほぼ決まっていますし、そのデータなどをしっかり取りつつ、今季なかった表彰台が狙えたらと考えています。
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