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Super Taikyu Round 2
開催日程
2010年5月8日(土)〜9日(日)
開催場所
スポーツランドSUGO(宮城県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
周回数
108周 (コース : 3,704m)
参加台数
29台
(タイヤはADVANワンメイク)
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3月末に栃木県のツインリンクで開幕したスーパー耐久シリーズは、舞台を北に移して第2戦を迎えた。宮城県のスポーツランドSUGOは練習走行が行われた土曜日、そして予選・決勝が行われた日曜日ともに快晴に恵まれ暖かさも感じる陽気に包まれたが、レースはそれ以上に白熱したバトルが展開された。

ST-1クラスは開幕を制した1号車の「PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE」が谷口信輝選手、柳田真孝選手ともに予選で1分26秒台の前半にたたき込み、開幕戦でポルシェに譲ったポールポジションを奪還。これにチームメイトの28号車が続き、緒戦のポールシッターだった「ART TASTE GT3」は3番手というスターティンググリッドになった。

400kmの決勝スタートと同時に「ART TASTE GT3」が2番手を奪うべく仕掛けるも、先行するには至らず。39周目にスピンを喫したこともあり、優勝争いからは脱落を余儀なくされた。
これでPETRONAS勢のチームメイト対決が激しさを増していくことに。

2周違いで済ませた最初のピットストップをでは、1号車が谷口選手からイムラン・シャハロム選手が、そして28号車は片岡龍也選手からメルビン・モー選手が、それぞれステアリングを受け継いでコースに復帰。
この対決はモー選手の安定した走りが光り、28号車が逆転に成功してトップを奪った。

2回めのピットストップで28号車はファリーク・ハイルマン選手、1号車は柳田真孝選手にチェンジ。ところがピットのタイミングモニターには「28号車の接触について審議中」という気になるテロップが長く表示されていた。
これは最初のスティントで起きた他クラス車両との接触についてのものだったが、残念ながら裁定結果はドライビングスルーペナルティ。28号車が60km/h制限のピットレーンを通過してコースへと戻ったとき、既に1号車は先行して再びトップの座についていた。
結果、このまま1号車の「PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE」がウィニングチェッカー。谷口信輝/イムラン・シャハロム/柳田真孝選手組が開幕2連勝を飾ることに成功した。

ST-2クラスは序盤からクラスポールスタートの「エンドレス・アドバン・コルトスピード]」と、クラス2番手スタートの「RSオガワADVANランサー」がトップグループを形成。エンドレスの峰尾恭輔選手とRSオガワの阪口良平選手によるファーストスティント対決を終え、同一タイミングで両者はピットインを行いセカンドスティントに突入する。
エンドレスは村田信博選手、RSオガワは花岡翔太選手に戦いの役者を入れ替えたが、このスティント中にエンドレスには峰尾選手の黄畑追越しに対する10秒のペナルティストップが科せられてしまった。

これでトップに立ったRSオガワだったが、71周目にコース上で発生した火災によってセーフティカーが導入される。この機を逃さなかったRSオガワは即座に2回めのピットインを敢行、花岡選手のスティントをショートに変更して大橋正澄選手にスイッチ。
対するエンドレスは登録しているドライバーが2人であるため、最大運転距離規定の関係でセーフティカーを味方につけることを許されず。
大橋選手はしっかりとチェッカーまでマシンを運び、山形に本拠を置くRSオガワにとっては鬼門とも言えた地元・SUGOで嬉しい今季2回目の優勝を勝ち取った。

ST-3クラスはトップが目まぐるしく入れ替わる激しい展開となった。
クラスポールからスタートしたのは「FINA ADVAN BMW M3」だったが、序盤でまさかのコースオフ。優勝争いから脱落したM3を尻目に開幕の覇者「TAITEC TRACY NSX」がトップに立つ。しかし、その後方から虎視眈々と逆転のチャンスを伺っていたのが「DIAMANGO-Z」、ファーストスティントの終盤で逆転に成功して戦いは中盤戦に。

その中盤はセーフティカーの導入があったりもしたが、トップ争いは"さざ波状態"でポジションは変わらず。しかし、最近のST-3クラスで見られる傾向に漏れず、今回も終盤に大きなドラマが待っていた。
87周目、NSXがマシンをコースサイドに停めてしまう。トラブルにより無念のリアイア、これで「DIAMANGO-Z」がトップに立ったがペースがいま一つ上がっていない。そして一気に差を詰めてきたのが、今回がデビュー戦となるZ34型・フェアレディZ「assetテクノZ34・nismo」だったのである。

本来のクラス区分規定より大きい排気量3,700ccのエンジンを搭載するZ34は、今回参加したZ33の中でもっとも車両重量が軽いものに対して30kgを加えたものを最低重量とすることで参加が特認されたマシン。
デビュー戦ということでそのポテンシャルに注目が集まっていたが、一発の速さではまだ未成熟さを感じさせるものの、高い安定性を実証するかたちでラップを重ねてきていた。

遂に逆転に成功したZ34がトップを奪うと、さらに続いてチームメイトであるZ33型の「assetテクノファーストZ」も2番手にポジションアップ、Z34が堂々のデビューウィンを飾るとともに、チームとしては今季初参戦の舞台でワン・ツー・フィニシュを達成した。

ST-4クラスは開幕戦で地元優勝を飾った浅野レーシングサービスの「コスモソニック21FK ings DC5」が豊富なスーパー耐久参戦経験を活かした勝利をおさめた。
予選クラス3番手からのスタートとなった決勝では、前半はポールスタートの「特許リジットカラーS2000」と2番手スタートの「ホンダカーズ東京 G/M インテグラ」が先行するも、中盤に導入されたセーフティカーのタイミングを「コスモソニック21FK ings DC5」が巧く味方につけることに成功。
ここで大きなマージンを稼いだ「コスモソニック21FK ings DC5」はセーフティカー中に行った2回目のピットインで念のためにフロントタイヤを新品に交換、チェッカーまで危なげ無い走りでマシン運んで堂々の開幕2連勝を飾った。
Driver's Voice
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : ST-1クラス 優勝】
スタート直後は逃げの体制に入ったのですが、すぐに片岡選手がビッタリくっついて来たので、抜かせないようにブロックしながらトップを死守して自分のパートを走りきりました。でも、気がついたら「かなりチギられて2位なんですが?」と(笑)。
セーフティカーのお蔭もあって労せずしてトップを奪還しましたが、28号車のファリーク選手が良いペースだったので、あのセーフティカーが無かったらどうなっていたんだろう、と思う部分もありますね。
ポルシェが持つ速さも気になるところですが、今後はチームメイトと言えども28号車に対してもウカウカしていられなくなってきましたね。


花岡翔太 選手
 【今回の成績 : ST-2クラス 優勝】
レースに先だってSUGOでテストをしたのですが、その時から凄く調子がよくて29秒台に入る勢いでした。しかしいざレースとなると、予想通りに3号車のエボリューション]が速かった。しかしウチも良いペースで安定して走れて、全体的に良い流れの中で戦えたことが2連勝につながったのだと思います。
ただ、セーフティカーが出たタイミングでウチは2台体制なのでピットとの連絡がうまく行かなかったこともあって、ちょっと混乱してロスしてしまう部分がありました。自分が情報をピットにしっかり伝える、欲しい情報を伝えてもらうこともドライバーの大切な仕事だと思うので、これからはしっかり対応出来るようにしていこうと思います。


藤井誠暢 選手
 【今回の成績 : ST-3クラス 優勝】
Z34でのデビュー戦となりましたが事前に2回しかテスト出来なかったので、まずはしっかり完走しようということでレースに臨みました。そんな中で僕を含めて3人のドライバーの平均ラップも良く、車のポテンシャルとしてはまわりの方がちょっと現状では上かもしれませんが、結果的にはデビューウィンを果たせてホッとしています。
タイヤは1回目のピットで4本交換、2回目はそのまま無交換でチェッカーまで走りました。僕は以前にST-1クラスZ33フェアレディZで参戦していましたが、ST-3クラスのタイヤはオールマイティな印象。どんなコンディションになっても高いグリップを発揮してくれるので、凄く扱いやすい。だから今回がデビューとなる初めてのクルマでもタイヤの面で悩みは無かったですね。


浅野武夫 選手
 【今回の成績 : ST-4クラス 優勝】
開幕2連勝、どうしちゃったんでしょうね〜。今までのウチからは考えられない快進撃ですね(笑)。
スタートして序盤は前に離されてしまい、ドライバーを替えて3番手だったので「この調子なら表彰台には入れそうだな」というのが本音でした。前の2チームが2回目のピットでどんな作業をするのかも読めなかったですし。
そうしたらいきなりセーフティカーが入ったので、「このタイミングを逃す手は無い」と。そこで他のチームはセーフティカー導入と同じ周回数でピットインしたのですが、ウチは1周引っ張ってからピットに入れました。1周我慢して前との差を詰めてからピットにい入れたタイミングが大当たりで、トップに立ってリードを築くことに成功しました。
タイヤは2回のピットともにフロントのみ交換です。2回目はセーフティカー中だったので、終盤の安全マージンを得る意味で交換をしました。
FEAUTURED DRIVER
今回のスーパー耐久ではサポートレースとしてF4東日本シリーズが開催された。
F4出身のスーパー耐久ドライバー、その代表格と言えるのがRSオガワの花岡翔太選手。
今季はエースカーの20号車をドライブするが、開幕2連勝

「F4はスプリントのフォーミュラなので、自分の腕で速さを出すというのが主でした。しかし耐久になり、マシンは独特なキャラクターでもあるランサーになって、戦い方は大きく変わりました。
耐久はドライバーだけではなくチーム全体で戦っているという雰囲気が色濃いですし、長丁場ですから何が起きるか分からない部分もある。決して調子はよくないのに周りが沈んで表彰台に立ったというレースもありましたが、やはりF4とは全く違うレースと言えますよね。
F4は一発でタイムを出さなければなりませんでしたが、スーパー耐久の場合は如何に持続してコンスタントラップを刻めるかが重要になってきます。僕はラップタイムが安定して走れる方だと思いますが、ここはF4で培ったものが大いに活かせている部分です。」

サポートレースのF4はじっくり見ていたという花岡選手。

「今日はダンゴの戦いになって面白かったですね。
僕が乗っていたころとはF4のタイヤが変わっていて、今は終盤でベストラップが出たりしています。戦い方はより難しくなっているんじゃないでしょうか。もしかしたらルーキードライバーの方が柔軟に対応出来るかもしれませんね。」

F4で培った経験を、耐久という全く異なるフィールドで活かして成長を続けている花岡選手。
開幕2連勝でチームも波に乗っており、シリーズチャンピオン獲得に向けてますますの躍進が期待される存在だ。
Turning Point
今回のレースではちょうど各車2回目のピットインに近いタイミングでセーフティカーが導入された。
スーパー耐久では決勝中に2回のピットインとドライバー交代が義務づけられているが、ST-2クラスではここが大きな勝負の分かれ目となった。

ドライバーは規則により一人が決勝で走れる最長運転距離(時間)が定められている。
今回、ST-2クラスでは3号車の「エンドレス・アドバン・コルトスピード]」が2人、20号車の「RSオガワADVANランサー」には3人のドライバーが登録されていたが、2人体制の3号車にとってはピットインさせても片方のドライバーが最長運転距離を超えてしまうタイミングでのセーフティカー導入となってしまった。

一方、3人体制の20号車は作戦を変更して1人の担当周回数を減らしてその分を別の1人がカバーすることとした。3人ともに最高運転距離を超えないからこそ可能な作戦も功を奏して、開幕2連勝を飾ることに成功した。
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