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SUPER GT SUPER GT SUPER GT SUPER GT
SUPER GT
SUPER GT Round 5
開催日程
2010年7月24日(土)〜25日(日)
開催場所
スポーツランドSUGO (宮城県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
周回数
81周 (コース : 3,704m)
参加台数
35台 (ADVAN装着 : 19台)
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セパン戦から1ヶ月のインターバルを経て、SUPER GTはシーズン後半戦に突入した。今回の舞台はスポーツランドSUGO。ここ数年は、夏休み最初のイベントとしてお馴染みになっているが、かつてはトップフォーミュラによる"真夏の高速3連戦"と呼ばれていたレース。天候が不順で、雨に打たれて気温/路面温度とも低くなった例外もあったが、通常はシリーズでも屈指の"熱い(暑い)"一戦。
今回も、予選日には路面温度が52度まで上昇、データ的には前戦のセパンを超えてしまうほどだった。もちろんADVANのエンジニアスタッフにとっては、これも想定内。ミディアムソフトとミディアムの2種類のゴムが用意され、路面温度のレンジはカバー出来ていた。

土曜日の公式練習で24号車、KONDO Racingの「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、すでにセパンでエンジン交換をして優位に立っていたライバルに対してセッティングが十分に行えず10番手に甘んじて、結局最終的にスーパーラップ(SL)進出を逃し、11番手のグリッドからレースをスタートした。

SUGOらしく荒れた展開となる中、前半のスティントを担当したジョワオ・パオロ・デ・オリベイラ選手はコンスタントに周回を重ねながらロングラップを引っ張った。
そして51周を終えたところで後半を担当する安田裕信選手に交代。なお、デ・オリベイラ選手がロングラップを引っ張ったことが幸いし「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、この51周目のラップリーダとなっている。
6位でレースに復帰した安田選手もレースが荒れる中、安定したペースで周回。
大詰めに来てトップを快走していたマシンがトラブルで後退したこともあり、5位でチェッカー。ドライバーズポイントで6ポイント、チームポイントで9ポイントを加え、両部門でランキング7位に踏み止まることになった。

GT300クラスは、第3戦の富士、第4戦のセパンと2戦連続で、不本意な結果に終わっていた2号車、Cars Tokai Dream28の「アップル・K-ONE・紫電」のパーフェクトゲームとなった。
公式練習から好調だったが、エースの加藤寛規選手が公式予選1回目、公式予選2回目(SL)と、土曜日の全セッションでトップタイムをたたき出している。

日曜朝のフリー走行では2番手に終わったものの、午後の決勝レースではポールポジションから好ダッシュを決めると、そのまま後続を引き離していった。前半を担当した加藤選手が52周のロングラップを引っ張ったこともあり、ルーティンでピットインした際にもトップの座は安泰。
そしてトップのままレースに復帰すると、後半を担当した濱口弘選手も速いペースで周回を重ねて行った。そして2位以下に20秒以上の大差をつけ、そのままトップチェッカーを受けることになった。

トップを独走した「アップル・K-ONE・紫電」とは対照的に、その後方ではドッグファイトが繰り広げられることになった。序盤は、何とか紫電にくらいついていた31号車、aprの「エヴァンゲリオンRT 初号機 apr CAROLLA Axio」は、その後はじわじわと引き離され、反対にこの2位争いに呑み込まれることになったが、嵯峨宏紀選手から松浦孝亮選手へと繋ぎながらピットインのタイミングを除いて2位のポジションをキープ。
終盤3号車、HASEMI MOTORSPORTの「HASEMI SPORT TOMICA Z」にかわされたものの3位でチェッカーを受け、嬉しい初の表彰台をゲットした。

ちなみに、2位表彰台を奪った「HASEMI SPORT TOMICA Z」は12番手グリッドからの猛チャージでジャンプアップ賞。予選でのアタック中にクラッシュしたミスを打ち消す活躍に、普段は辛口の長谷見昌弘監督をして「今日はドライバーを誉めてあげたい」と言わしめた。

前回のセパンで今季2勝目を挙げ、ランクトップで今回に臨んだ7号車、M7 RE雨宮レーシングの「M7 MUTIARA MOTORS 雨宮 SGC 7」は、80kgのハンディウェイトに苦しめられたが、予選ではSLに進出するハッスルぶり。
決勝でも、ルーティンのピットインでタイヤ交換を左側2本に留める作戦で上位をキープ。残念ながらGT500クラスのマシンと最終コーナーの先で接触したはずみでコースオフを喫し、ランオフエリアを走らされたことで水温が上昇してしまってポジションダウンを余儀なくされたが、7位でチェッカーを受け4ポイントを加算。
2位入賞の「HASEMI SPORT TOMICA Z」に同ポイントまで追い上げられたものの、ランキングトップを死守。

やはり80kgのウェイトに苦しめられながらも何とか8位でチェッカーを受けた46号車、MOLAの「アップスタートMOLA Z」が1ポイント差でランク3位につけ、ADVANユーザーがシリーズ上位トップ3を独占する格好となった。

次回の舞台は鈴鹿700km(8月22日決勝)。セパンから今回の菅生へと続いた真夏の3連戦も、この鈴鹿で総決算。
今回好結果を残したチームは、その流れを持続して、反対に不調に終わったチームは流れを切り替えて、熱い戦いに挑むことになるはずだ。
Driver's Voice
加藤寛規 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
見ていて詰まらないレースだった、と言う人もいましたが(苦笑)、走ってる立場では結構大変なレースでした。それでも今回は、マシンもタイヤも素晴らしい仕上がりだったし、チームも最高の仕事をしてくれました。
ただ、このところ不運なレースが続いていたので、何が起きても良いよう、少しでも多くのマージンを稼ごうと、無理して走りました。もともとロングラップで引っ張るつもりでしたが、小雨がパラついたこともあって、まだ経験の少ない濱口選手に交代するのを遅らせようと、前半スティントを長目に走りました。
でも濱口選手はコンスタントなタイムでラップを重ねていて、モニターで見ていても走りは落ち着いているようだったので、ハラハラ半分、安心半分で、楽しみながら見ていることが出来ました。
今回勝ったことで、何とか(タイトル争いに)踏み止まることが出来ました。次回はチームオーナーの高橋(一穂)選手も加えた3人で参戦します。ポイント争いの上でも重要なレースになると思うので、ベストを尽くして頑張ります。
FEATURED DRIVER
ADVANが大多数のマシン/チームにタイヤを供給するGT300クラスでは、aprチームのカローラ・アクシオは2台の内1台がADVANを装着し、もう1台が他メーカーのタイヤを装着することで、タイヤのパフォーマンスを判断する物差し(?)にもなっている。

ベテランとなった松浦孝亮選手とコンビを組み、ADVANを装着する「エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ」をドライブする嵯峨宏紀選手が、今回は大きな注目を集めることになった。

コンビを組んで初となるタイムアタックを担当し、1回目の公式予選では2番手につけ、楽々とスーパーラップ(SL)に進出を果たすと、そのSLでも紫電をドライブする加藤寛規選手に次ぐタイムでフロントロー、2番手グリッドを手に入れたのだ。

aprの金曽裕人代表も「やっと覚醒した、って感じですね」と、その成長ぶりに目を細めながら「これが、ウチ(aprチーム)が求めていた嵯峨宏紀です」と絶賛した。
金曽代表の分析するところでは「コースケ(=松浦孝亮選手)は感覚で乗るタイプだけど嵯峨くんは、先ずは頭で考えて、一歩ずつ詰めていくタイプ。だけどクルマに慣れ、タイヤにも慣れてきて、前回のテスト辺りから速さを見せるようになってきたんです。SUGOは、彼自身も自信を持っているようだったので、今回は、アタックを任せてみたんですが、満点の内容でした。
これからはコースケと嵯峨君、2人のエースがいるようなものですから、シーズン後半戦は期待していて下さい」。

金曽代表の表情は緩みっ放しだった。それは3位という結果以上に大きな手応えを掴んだからに他ならない。
TURNING POINT
今シーズンのSUPER GTでは、タイヤテストの回数が制限されていて、ADVANとしてはSUGOでは未テストのまま本番を迎えることになった。
スポーツランドSUGOは、コースレイアウト的にはセパンに似ており、タイヤに要求される性能的にも似たところが多い。何よりも、昨年までのデータもあって、今回用意したタイヤには、前回のセパンで得たデータと、昨年までのSUGOでのデータが盛り込まれていた。

ただマシンは同じ日産GT-Rだが、昨年用のマシンと今年用のマシンではエンジンが変更されており、それによってマシンのコンセプトも変化している。実際、予選でアタックしている最中にスピンするマシンがあって、アクセルオフにする(せざるを得ない)不運もあったが、マシンとタイヤをコースのコンディションに合わせ込む部分で「合わせ切れない部分があった(荒川淳エンジニア)」のは事実。

今回、「HIS ADVAN KONDO GT-R」は新エンジンに換装していたが、マシンのパフォーマンスを引き上げるだけでなく、それをコンディションに合わせ込むことも大事で、そのためにも事前テストの効果は見逃せないものがある。
Engineer's Voice
荒川 淳
今回のタイヤは、セパンで使ったものの正常進化版です。(公式予選が行われた)土曜日には、路面温度が50度超えるところまで上昇しましたが、これは想定内でした。ただ、今回のSUGOに向けては事前テストを行ってなくて、それが最後まで響きました。

予選で「HIS ADVAN KONDO GT-R」が11番手に終わったのは、アタックラップにスピンするマシンがあって、ジョワオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が正直にアクセルを戻したこともありました。クルマとタイヤを今回のSUGOに合わせ切れなかったことも見逃せないですね。
SLに残れなかったので、予選が終わってから決勝スタート用のタイヤを決めることが出来る、とチームではポジティブな発想で決勝に臨んだのですが、やはり、スターティンググリッドが後方では、ここは厳しいですよね。それでも5位まで追い上げてチェッカーを受けることになり、2人のドライバーもチームも、良い仕事をしてくれました。

一方、GT300では上位を独占することが出来ました。「アップル・K-ONE・紫電」は(ハンディウェイトが)軽いこともあって、ほぼ予想していたとおりでしたが、「エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ」が速さを見せてくれました。
また「HASEMI SPORT TOMICA Z」も、予選でクラッシュする不運もありましたが、見事な追い上げで、タイヤも含めたパフォーマンスを証明してくれました。
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