Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / SUPER GT 2010 / Round 1 News Index
ひとつ前に戻る
SUPER GT SUPER GT SUPER GT SUPER GT
SUPER GT
SUPER GT Round 1
開催日程
2010年3月20日(土)〜21日(日)
開催場所
鈴鹿サーキット (三重県)
天 候
曇り のち 晴れ 一時 雨
路 面
ドライ
周回数
52周 (コース : 5,807m)
参加台数
32台 (ADVAN装着 : 15台)
SUPER GT SUPER GT
SUPER GT SUPER GT SUPER GT SUPER GT
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)  >> Release (pdf)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
鈴鹿サーキットで行われた2010年のSUPER GTシリーズ開幕戦で、ADVANを装着する「HIS ADVAN KONDO GT-R」が見事な逆転劇で優勝。GT300クラスでも「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC-7」、「アップスタート MOLA Z」、「ウェッズスポーツ IS350」とADVANユーザーが表彰台を独占。両クラス制覇に向け、最高のシーズンスタートを切った。

今シーズン、GT500クラスは3メーカーのワークスマシンが排気量3,400ccのV8エンジンを搭載したFR(後輪駆動)、と規格が統一化された。またGT300クラスもアストン・マーチンがデビューするなど、レースの魅力がさらに増すことになった。
昨年に引き続いてADVANは、GT500クラスでは24号車「HIS ADVAN KONDO GT-R」にタイヤを供給。エンジンが昨年までのものから換装されたため、重量や空力のバランスが微妙に変化しており、タイヤも、それに合わせてファインチューニングを施すため、シーズンオフには国内外のサーキットで精力的にテストが進められてきた。

昨年と同様、レースウィークは土曜日の公式練習から。ただし今回は、2時間40分のロングセッションとなっている。
ところが「HIS ADVAN KONDO GT-R」は土曜日のタイムが伸び悩んでいた。その一方で、ロングラップでは安定したペースでタイムを刻んでおり、決勝レースに向けては大きな手応えを掴むことになった。ただ、ここ鈴鹿は比較的パッシングが難しいコースであり、予選では中団より前のグリッドを狙いたいところだ。

今回の予選はノックダウン式が採用された。1回目=45分間のセッションは、予選を通過するために総てのドライバーが基準タイムをクリア出来るかどうかが問われるもので、グリッドは、15:00から行われた2回目のセッションで決定する。この2回目のセッションは、クラス別に、それぞれ10分間ずつ3回の走行時間が設けられていた。ただし1人のドライバーが2回以上のセッションを続けて走行することは禁止されており、結果的に2人のドライバーが揃って速さを見せない限り上位グリッドを手に入れることは出来ない。

朝のセッションでタイムが伸び悩んでいた「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、このノックダウン予選での目標を『最終セッション進出』とし、最初のセッションを若い安田裕信選手で走り、続くセッションでエースのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がトップ7入りを目指す作戦だった。
今年KONDO Racingに移籍してきた安田選手は、GT500で2シーズン目ながら、デビューイヤーの昨年に初優勝を経験している実力派。オフの間にテストを繰り返し、ADVANタイヤの習熟も進んでいたので、セッション1ではキッチリと10番手タイムをマークしてオリベイラ選手に繋ぐことになった。
セッション2を走ったオリベイラ選手も気合充分でピットアウトしていったが、少し頑張りすぎたか、2コーナー先でスピンしガードレールにクラッシュ。予選10番手に終わるとともに、マシンを大破させてしまった。

だが、そこからKONDO Racingの、もう一つのドラマが始まった。
まずはメカニックが総出で朝4時半まで修理を敢行、決勝日の朝フリー走行で「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、まるで何もなかったかのようにその勇姿をファンに披露する。

一方、ADVANユーザーが大多数を占めるGT300クラスでは、「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC-7」が逆転ポールを奪い、「アップスタート MOLA Z」が3番手、「ウェッズスポーツ IS350」が6番手に着け、決勝での活躍に期待が高まっていた。

土曜日の快晴から一転、日曜日は黄砂が舞って遠くが霞むコンディションで明けた。夜のうちに降った雨がコースを濡らしていたが、朝のフリー走行開始時点から次第に乾いていき、最終的にはほぼ完全なドライコンディションとなった。
この朝のセッションで注目されたのはGT300クラスの「アップル・K-ONE・紫電」。エースの加藤寛規選手が2分07秒台のトップタイムをマークしたのだが、それ以上に明るいニュースはBドライバーに抜擢され、今回デビューする濱口弘選手。強豪がひしめき合う予選は厳しかったようだが、この朝のセッションでは安定したタイムで走り、決勝に期待を繋いだ。

予定通り、午後2時にフォーメーションラップがスタートし、決勝レースがスタート。直前に少し雨が降った影響から、上位陣でもオーバーランが相次ぐハプニング満載の序盤となったが、「HIS ADVAN KONDO GT-R」の前半スティントを担当するオリベイラ選手は、1周目のコントロールラインを7番手で通過すると、次の周にはさらに4番手までポジションアップ。いつものようにステディな速さを見せつけることになった。

10周目には中団グループで争っていたマシンがストレートエンドで交錯し1コーナー・アウト側にクラッシュ。このためセーフティカーが導入され、15周目にレースは再開。ここからが新しいSUPER GTを予感させる戦いとなった。
これまでGT500クラスでは、NSX勢が後輪2本交換の"奇策"を見せたこともあったが、今回はFRにもかかわらず後輪2本交換作戦やタイヤ無交換作戦も飛び出すなど、タイヤにとってますます厳しい状況となることをうかがわせた。

「HIS ADVAN KONDO GT-R」も、タイヤ無交換作戦を実践したのだが、タイヤを受け持つADVANのエンジニアと、近藤真彦監督以下、チーム首脳がライバルの動向を見ながら咄嗟に判断したもの。
ADVAN陣営ではこれまで、GT300クラスでは何度かトライし、好結果に結びつけた実績もあったが、GT500ではまだ好結果に結びついていない。しかも、後半のドライブを託されたのが安田選手とあって、ピットでも不安がよぎったに違いない。

ともかく、オリベイラ選手が34周を引っ張り、ルーティンピットでタイヤ無交換のまま送り出された安田選手は、何とトップをキープしたままレースに復帰することになった。そしてピットの心配とは裏腹に、安田選手はオリベイラ選手から引き継いだかのようにステディでクレバーなドライビングを展開。
後方との間隔を測りながら、残り18周を完璧に走り切り、2位に10秒近い大差を保ったまま嬉しいトップチェッカーを受けた。

今年でチーム創立10周年を迎えたKONDO Racingにとっては、これが4勝目。さらに2010年は近藤監督にとって芸能生活30周年という、こちらの面でも記念すべき節目の年。
2007年-2008年とセパンで連勝した後、次は国内での優勝は2009年の開幕戦で達成。今回は、さらに国内戦でドライコンディションでの優勝を達成することになった。

一方、GT300クラスでも、ある種似た展開となった。ポールから飛び出した「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7」谷口信輝選手だったが、オープニングラップのデグナーカーブでオーバーラン。これで6番手までポジションダウンしてしまったが、その後は懸命に上位陣を追走。

セーフティカーランからレースがリ・スタートされた後は「JLOC ランボルギーニ RG-3」と激しい3位争いを展開することになった。ランボルギーニ勢は昨年までと同様にADVANを装着して戦いに臨んでいるが、今回も予選で2台が最終セッションに進出する速さを見せている。
21周目のS字コーナーで谷口選手はランボルギーニをかわしてトップにたつと、同じ周に2位を走行していたマシンがトラブルから後退。これで前を行くのは昨年も、ここ鈴鹿で速さを見せていたFIA-GT仕様のポルシェのみとなった。

レースもほぼ折返しとなる25周を終えたところで谷口選手がピットイン。これまでに何度か実践してきたタイヤ無交換作戦でガソリン補給時間が長いハンディを克服し、谷口選手から交替した折目遼選手を素早くレースに復帰させている。
この短いピットストップが大きな勝因となったが、後半を担当した折目選手のステディなドライビングも見逃せない。

いずれにしても、チームの総力戦となったGT300クラスを、「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC-7」は30秒近い大差で制することになった。 さらにその後方でも激しいバトルが繰り広げられていたが、それを勝ち抜いた「アップスタート MOLA Z」と「ウェッズスポーツ IS350」が2位、3位でチェッカー。ADVANユーザーがGT300クラスの表彰台を独占することになった。
Driver's Voice
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手
 【今回の成績 : GT500クラス 優勝】
今回は予選で、自分のミスからクラッシュして、クルマを壊してしまったのですが、メカニックが一晩かけて直してくれました。だから決勝ではとにかく頑張らなきゃと思っていたので、この結果は本当に嬉しいです。苦労したメカニックたちに、この優勝を捧げたいです。
修理してくれたクルマの調子は完璧で、タイヤ無交換作戦もバッチリでした。みんなのおかげで優勝できたと思います。
次はウェイトハンデで少し重くなりますが、昨年はこの岡山で優勝しているから、期待する部分もあります。昨年と同じウェットだったら嬉しいですね(笑)。
去年は、走りは安定していたけれど、トラブルやハプニングでチャンピオン争いができなかったので、今年こそ、チャンピオンを目指して頑張りたいです。
 
安田裕信選手
 【今回の成績 : GT500クラス 優勝】
土曜日はタイム的に厳しかったので、それが優勝というのは信じられないし、同時に嬉しい。何より、マシンを直してくれたメカニックに恩返しできたのが一番嬉しいです。
無交換作戦は、午前のフリー走行の結果から近藤監督が提案して、ピットインの直前に決めました。自分としては不安もあったんですけれど、J.P(デ・オリベイラ選手)が序盤に濡れている路面を走っている時に較べれば、僕のリスクは小さいもの。そう思って走って、なんとか乗り越えられました。
交代してすぐはプレッシャーもありましたが、前半はプッシュして、その後はタイム差を見て、何かあっても対応できるようにペースコントロールしました。
 
近藤真彦監督
 【今回の成績 : GT500クラス 優勝】
タイヤ無交換の戦略は、スタート前のミーティングで作戦の候補にしました。フリー走行では、ずいぶん周回数を重ねたタイヤで安田がいいタイムを出していたので、このタイヤは持つぞ、ということを感じていたんです。それで、状況によっては無交換でいくこともあると、ドライバー二人にも伝えていました。
それに、レース中タイヤ交換をしたチームのアウトラップが厳しそうに見えたので、無交換でいこう、と。JP(デ・オリベイラ選手)に聞いたら、絶対イケるとは言わないけれど、できなくはないよと言うので、無交換でいくことに決めました。
今年のGT-Rはエンジンが変わり、クルマの組み立てなどを含めて、工場を出る前からメカニックはずーっと寝てないんです。それで昨日はクラッシュの修理でしょ。
でも、これで報いることができました。ほんとうに勝てて良かったと思います。

谷口信輝選手
 【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
優勝できて嬉しい気持ちとホッとしている気持ちの両方です。
路面が良くなる前に他のクルマを引き離そうと思ったんですが、路面は、乾いているところと濡れたところが、行ってみないと分からなくて・・・。デグナーの1個目が濡れていて全然グリップしなくて『アッチャー!』って感じでした(苦笑)。
レースがリ・スタートしてからは、前を行く3台になんとしても追い付こうと。そうすればタイヤ無交換作戦なのでピットで抜けるとは思いました。
ランボルギーニ(86号車)を抜くの手間取りましたが、何とか抜いたと思ったらフェラーリ(11号車)がトラブルで後退して。
路面コンディションが良くなってからはクルマが非常に良い感じで走れてトップでピットに入れて、そこでようやくホッとしました。
TURNING POINT
今回、「HIS ADVAN KONDO GT-R」が優勝した最大の要因は、やはり『タイヤ無交換作戦』だろう。
それを実践するためには、タイヤのポテンシャル(グリップダウンすることなく300kmを走りきれること)が要求されるのはもちろんだが、それに合わせたマシンセッティングや、ライバルの動向を分析しながら瞬時に決断した、チームの的確な判断も要因のひとつ。
そして見逃せないのはドライバーの頑張り。
ADVANでの初レースとなった安田選手の、ステディなドライビングだけでなく、コンディションが不安定で不確かな中、序盤から猛プッシュしたオリベイラ選手のドライビングも賞賛されるべきだろう。
さらに、オリベイラ選手が130Rでオーバーランして少しポジションを下げた直後、1コーナーで多くのマシンがオーバーランするハプニングも、「HIS ADVAN KONDO GT-R」に味方することになった。実はオリベイラ選手も、オーバーランしてしまったが、そこから素早くリカバリーでき、タイムロスを最小限に抑えることで、その後のポジションアップに繋がった。
前日の公式予選でオリベイラ選手はクラッシュを喫してしまったが、そこから先、メカニックが懸命な作業でマシンをリペア。週末のリズムがもう一度、勝利に向かって流れ始めたようだ。
勝つためには実力はもちろんだが、こうした"流れ"も必要であることが、あらためて証明されたレースとなった。
Engineer's Voice
荒川 淳
今回持ち込んだタイヤは、昨年までのものをベースに、少しチューニングを加えています。具体的に言うとGT-Rは今シーズン、エンジンを新開発の排気量3.4Liter仕様に載せ替えていますから、少し重量配分が変わっているんです。さらにエアロパーツがアップデートされたこともあって空力的にもバランスが変わっています。それにアジャストさせた新スペック、という訳です。
昨年まで、ADVANのタイヤ開発に関わってくれた荒聖治選手に代わって、安田裕信選手がチームに加わりました。まだADVANとのキャリアは始まったばかりですが、セパン、鈴鹿、そして岡山とテストを続けてきて、彼の速さを再認識すると同時に、タイヤに関しても的確なコメントがもらえるようになってきました。
今回は予選トップ7台のS3に残ることが出来ればと考え、S1を安田選手で、S2を(ジョアオ・パオロ・デ・)オリベイラ選手でいく作戦でした。ただ、オリベイラ選手が少し頑張り過ぎて(苦笑)。でも、10番手スタートですが、オリベイラ選手で目一杯追い上げて行って、安田選手で逃げるだけ逃げれば、と考えていました。
タイヤ無交換で行く作戦は、ライバルがタイヤ交換後もタイムが伸び悩んでいたことで決断しました。土曜朝のセッションからロングラップを走り、ライフに関しては確認出来ていましたが、結果は上出来でした。
GT300でも表彰台を独占出来、最高のシーズンスタートを切ることが出来ました。
ひとつ前に戻る