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Super Taikyu Round 8
開催日程
2009年11月28日(土)
開催場所
ツインリンクもてぎ・スーパースピードウェイ (栃木県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
レース距離
50Laps × 2レース
(1Lap = 2.493km)
参加台数
18台
(ADVAN装着車 18台)
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3月に開幕した2009年のスーパー耐久シリーズは、開幕戦と同じツインリンクもてぎを舞台にして最終戦を迎えた。
ただし開幕は通常のロードコースで開催された400kmの耐久レースであったのに対して、最終戦は国内唯一のオーバルコースで50周(1周=約2.49km)のレースを1日に2回行なう。
このレースは2レースそれぞれで順位認定が行なわれてシリーズポイントも付与されるが、1レースあたりの点数は通常大会の半分とされる。最終戦は大会自体の得点数が通常の20%増しのボーナス付きとされているので、例えば優勝は24点となりこの半分の12点が第1レースと第2レースそれぞれを制したチームに与えられる。

コースはアメリカンレーシングの象徴ともいえる楕円形のオーバルコースに、コーナーリングスピードを抑制するためのシケインをパイロンやポールで設けている。
シケインの設置により本来のオーバルコースとは趣の異なるコースとはなっているが、上位クラスでは300km/hに達しようというトップスピードから急減速をしてシケインへと飛び込むチャレンジングなコースであり、同時にパッシングは非常に難しいレイアウトと言える。もちろんひとつミスをすればコンクリートウォールへのクラッシュという危険性をはらんだタフなレースが予想された。

またレースそのものは土曜日に予選と2回の決勝を行なう1Dayスタイルだが、予選でAとB両ドライバーがマークしたベストラップを合算して第1レース、セカンドタイムを合算して第2レースの、それぞれスターティンググリッドを決することとされた。
1レースあたりの距離は比較的短く、100リットルの燃料を搭載できるスーパー耐久車両にとっては無給油で走破できるものだが、規則によって最低1回のピットストップとドライバー交代が義務づけられ、耐久レースの雰囲気を残したものとなっている。

好天に恵まれた土曜日、朝のうちに行なわれた予選ではST-4クラス以外で前戦・仙台を終えた時点でのランキングリーダーが2レースともにポールポジションを獲得。ST-1クラスは1号車「PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE」の谷口信輝選手/柳田真孝選手/ファリーク・ハイルマン選手組、ST-2クラスは3号車「ENDLESS ADVAN CS-]」の峰尾恭輔選手/村田信博選手/高木真一選手組、そしてST-3クラスは5号車「5ZIGEN NSX」の平中克幸選手/吉本大樹選手/松浦孝亮選手組という顔ぶれである。ST-4クラスは62号車「ホンダカーズ東京μSSRDC5」の塩谷烈州選手/吉橋孝之選手組が、こちらもやはり2レースともにポールポジションを獲得した。


Cドライバー予選が終わると行なわれたピットウォークをはさみ、予選終了から約1時間でコースイン開始という非常に慌ただしいスケジュールでスタートを迎えた第1レース。予選では大きなトラブルに見舞われた車両が無かったことも幸いして、参加18台全車がスターティンググリッドに並んだ。
 
3周のマーシャルカー先導によるローリングラップを経て50周のスタートを切った第1レースは、スタートから1号車・谷口選手組のBMW Z4M COUPEがリード。僚友の28号車・片岡龍也選手組はもとより、35号車・前嶋秀司選手組、そして前日の練習走行におけるクラッシュから夜を徹した復旧作業で参戦を果たした10号車・横溝直輝選手組というフェアレディZ陣営にも寄せつける隙を与えず、谷口選手が築き上げたマージンを柳田選手がしっかり引き継いでポール・トゥ・ウィン。

ST-2クラスはチャンピオンを争う3号車と20号車「RSオガワ ユークスADVANランサー」の一騎討ちという様相になった。そんな中、レース序盤でエンジントラブルに見舞われてオイル漏れを起こした車両が発生、コースはオールイエローコーション措置が取られ二次的アクシデントは防がれたかに見えた。ところがこのマシンがピットレーンに戻る際、RSオガワのピット作業エリア周辺で多くのオイルを路面に漏らしてしまう。
この事も影響したかRSオガワが若干ピット作業で手間取り、3号車が難なく逃げきりを果たしてトップでチェッカーを受けた。
 
ST-3クラスも、やはりパッシングポイントが非常に限られるコースゆえ、ポールポジションスタートの有利さが現れる展開となった。予選でトラブルに見舞われて最後尾グリッドに沈んだ15号車「KYOSHOメーカーズ岡部自動車RX-7」が一気にST-4クラス勢をパスにして参加した3台によるST-3クラスのトップ争いに絡んできたが、5号車のトップを脅かすまでは至らず。
 
結果的にST-1、ST-2、ST-3の各クラスではポール・トゥ・ウィンをランキングリーダーのチームがそれぞれ果たしたことにより、第2レースの結果を待たずにシリーズチャンピオンの座が確定するに至った。
なおST-4クラスの第1レースはスポット参戦の62号車「ホンダカーズ東京μSSRDC5」がポールポジションからスタートしたが、地元の老舗チーム・浅野レーシングが走らせる18号車「M'sインターナショナルコスモソニックFK ings DC5」が逆転に成功して第6戦・岡山以来の今季2勝目を飾った。

第1レース終了から約1時間半でコースインとなった第2レース。
ST-1クラスはポールからスタートした1号車がスピンを喫したこともあって28号車に前半でトップを譲ったものの、先にピットインしてドライバーを柳田選手にチェンジすると猛追撃を開始。28号車がピットインを終えてコースに復帰した時にはクラストップの座を1号車が奪い返しており、そのまま第1レースに続いて連勝を飾った。

ST-2クラスの第2レースは再びポールポジションからスタートした唯一のエボリューション]である「ENDLESS ADVAN CS-]」がチャンピオンを決めた後ということもあってか貫祿勝ち。特にコーナーでの脱出スピードはエボリューション]に一歩抜きんでたものがあり、エボリューションIX勢との差が現れた結果となった。
 
ST-3クラスは最後尾スタートの15号車・RX-7が猛追から今度は逆転に成功、トップでピットインを行なった。しかしここでドライバー交代に手間取って大きくタイムロスを喫し、稼いだマージンを全て吐き出してしまうことに。終盤にはチャンピオンを決めた5号車・NSXが接戦に持ち込んだ末、松浦孝亮選手が見事な逆転に成功。5号車もST-1、ST-2クラス同様にチャンピオン確定後の2レース目も優勝を飾ってシーズンを締めくくった。
 
唯一チャンピオンの行方が第2レース持ち越しとなったST-4クラス。
第1レース同様に62号車・インテグラがポールポジションからスタート。タイトル争いはその後方からスタートした第1レースの覇者である18号車・インテグラ、55号車・シビック、そして95号車・S2000という異なる3車種のチームに絞られている。
ところが24周目、95号車「SPOON S2000」が駆動系トラブルで戦線を離脱。このリタイアによって3番手でフィニッシュした55号車「BOLD WORLD Absolute DIXCEL CIVIC」がチーム発足2年目にして嬉しいチャンピオンの称号を手中におさめることに成功した。
Driver's Voice
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : 第1レース 優勝/第2レース 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
去年は28号車でチャンピオンでしたが、今年は柳田選手とファリーク選手にチャンピオンを、ということで僕が1号車に乗って戦ってきた一年でした。
マシントラブルで苦しんだ局面もありましたが、僕たちは勝つことを一番に考えてやってきたので、チャンピオンを決められてホッとしています。
柳田選手とファリーク選手、そして僕と3人のドライバー、そしてチームのみんなでタイトルを手にできたことは、本当に嬉しいですね。

村田信博 選手
 【今回の成績 : 第1レース 優勝/第2レース 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
今年一年をエボリューション]で戦ってきて、チーム一丸となってマシンを速くしてきました。
チームがエボリューション]で2年目、本当に一丸となって勝ち取った"チームの勝利"に自分自身が一員であれたことが嬉しいですね。
BMWで戦ってきたST-3クラスから4WDのST-2クラスに移って、最初は「お前の乗り方はFRだ」と言われてしまって苦労しました。例えばタイヤで言えばランサーは基本がアンダーステアのクルマなので、リアタイヤが比較的温まりにくいセッティング。これに最初は手こずりました。
でもそれは良い経験になって、最後はチャンピオンのチェッカーフラッグを受ける役もさせてもらえて、本当に良い一年になりました。こういう感動をずっと味わっていきたいですね!

平中克幸 選手
 【今回の成績 : 第1レース 優勝/第2レース 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
今年からの5ZIGENとして再びスーパー耐久に参戦して、シーズン序盤は長く参戦を続けているチームに苦戦させられた場面もありました。でも、僕たちもトップチームとして日本のモータースポーツを牽引してきた5ZIGENですから、毎回マシンの改良を進めて特に富士の優勝から一段とマシンが進化しました。今回はオーバルということでストレートスピードを重視する方向で改善を進めて、一年を締めくくる最高のレースをすることが出来ました。
タイヤについては一年を通じて、ドライ/ウェットを問わずNSXにベストマッチしていました。ミッドシップレイアウトなのでレース中はリアタイヤのみ交換という作戦も多々ありましたが、全くバランスが崩れることも無く、安定感がありました。
僕自身の話になるとレースを初めて今までの中で、今年が一番良い一年でした。思った通りのレースが出来たことも多かったですし、SUPER GTではチャンピオンにこそ一歩届かなかったものの自分のパフォーマンスを発揮できたと思います。
点数をつけるなら80点か90点。来年はもちろん100点、120点の一年にしていけるように頑張ります。

谷川達也 選手
 【今回の成績 : 第1レース 3位/第2レース 3位 (シリーズチャンピオン確定)】
一年を振り返ったトータルでチャンピオンを獲得出来たので、今日は優勝できなかったですが本当に良かったです。
特にST-4クラスは激戦区で、僕たちも優勝としては一度だけでした。しかしコンスタントに表彰台を獲得してこれたのはチームのみんなのお蔭。
僕はドライバーの中で一番"年寄り"なので(笑)、若手を育てるという役割もありましたが、大きく成長してくれました。
チームも参戦2年目でチャンピオンですから、チームのみんなに「おめでとう」と言いたいですね。
タイヤについてもお世辞抜きで一年を通じて安定した高いパフォーマンスを見せてくれました。俗に言う"タレ"については少なくとも僕たちのシビックでレース中に感じたことは無かったですし、雨のレースでも不安はありませんでしたね。
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