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SUPER GT Round 5
開催日程
2009年7月25日(土)
〜26日(日)
開催場所
スポーツランドSUGO(宮城県)
天 候
晴れ 一時 雨
路 面
ドライ 〜 ウェット
決勝周回数
81周
(コース : 3,704m)
参加台数
35台
(ADVAN装着車 16台)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
>> Detail (カテゴリー紹介)
>> release(PDF)
2009年・SUPER GTシリーズの第5戦がスポーツランドSUGOで開催された。
各地で豪雨が猛威を奮っているが、ここ東北でもまだ梅雨は明けておらず、事前の天気予報では予選日/決勝日ともに曇りのち雨と、不順な天候が予想されていた。だが、土曜日は予報に反して晴れ時々曇り/完全ドライのコンディションとなり、気温/路面温度ともに大幅に上昇。
かつて"真夏の高速3連戦"と呼ばれていた頃のような猛暑酷暑に見舞われ、ドライバーにもマシンにもタフなレースウィークの幕開けとなった。
GT500クラスに参戦している「HIS ADVAN KONDO GT-R」は、開幕戦で国内戦初優勝を飾り、以後も着実に入賞を続けてランキングトップ。今シーズンは規則が一部変更され、ウェイトハンディは獲得ポイントに比例。
第6戦までは×2kg、第7戦と第8戦は×1kg。そして最終戦はウェイトハンディが無くなり、開幕戦と同じくガチンコバトルとなっているが、今回の「HIS ADVAN KONDO GT-R」は37ポイント×2=74kgもの大きなウェイトハンディを背負っており、厳しい戦いが予想されていた。
だが、土曜朝の公式練習で8番手に付けると午後一番に行われた公式予選では4番手までジャンプアップ。夕方のスーパーラップではアタックを担当したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が渾身のアタックを見せ、さらに1ポジションアップ。日曜日の決勝レースを3番手のポジションからスタートすることになった。
一方、GT300クラスでは、青木孝行/藤井誠暢選手組「ダイシン アドバン Ferrari」がポールポジションを獲得。
実は前回のマレーシア・ラウンドで優勝も期待されていた「ダイシン アドバン Ferrari」だったが、エンジン・トラブルで決勝レース未出走に終わっており、海外からエンジンチューナーのエンジニアを招聘するなど、今回は必勝態勢を敷いていた。それがまさしく的を射て、嬉しい初ポール奪取となったのだ。
さらに、「アップル・K-one・紫電」や「エスロード MOLA Z」も予選上位につけることになった。
決勝レースも好天で開けたが、午後2時のスタート時刻が近づくにつれ黒い雲が勢力を増してきて、"どの時点で雨が降り始めるか?"に各チームは頭を悩ませることになる。
定刻通り午後2時にスタートが切られると、「HIS ADVAN KONDO GT-R」の前半スティントを担当するオリベイラ選手は順当にポジションをキープ、3番手に付けて周回を重ねていった。
このスティントでのパフォーマンスは充分で、74kgのウェイトハンディを背負っていることを忘れさせるような好ペースで、ポールを奪った「HASEMI TOMICA EBBRO GT-R」を相手に、白熱の2位争いを展開。20周目には2番手に進出することに成功した。
だが、この直後から雨粒がポツリポツリと落ち始め、レースは思わぬ展開を見せる。
ADVANの新レインタイヤは、開幕戦となった雨の岡山国際サーキットで、見事なデビューレースウィンを飾っていたが、その時のイメージもあってか、27周を終えたところで上位陣ではいち早く「HIS ADVAN KONDO GT-R」がピットイン。
オリベイラ選手から荒聖治選手に交替し、ガソリン補給するとともにウェットタイヤに交換。荒選手には後半での快走が期待された。
しかし予想とは裏腹に、なかなか本降りにはならず、ドライ路面でウェットタイヤが酷使されてしまう。数周たってからようやく、コースはウェット路面となったが、そこでも想定外のハプニング。
岡山で猛威を奮ったレインタイヤだったが、路面温度が30度を優に超えるこの日のコンディションでは、デビュー戦のようなパフォーマンスを発揮することができなかった。
レース中盤に、違った仕様のレインタイヤに交換し、さらに終盤、雨が小止みとなり路面が次第に乾き始めたこともあってドライタイヤに交換するなど、荒選手は予定外のピットインを2回も行うこととなり、13位でチェッカーを受けるのが精一杯。
だが、終盤、スリックタイヤに交換してからのプッシュは圧巻で、大詰めでマークした1分24秒267は、後半のスティントで見るなら最速タイム。次回に期待を繋ぐ結果となった。
GT300クラスも、結果的にはGT500クラスと似たような展開となった。
ポールから飛び出した「ダイシン アドバン Ferrari」の藤井誠暢選手はオープニングラップから、じわじわと後続を引き離していき独走態勢を築くことになった。
そして31周終了時点、雨が本降りになったところでピットイン。タイヤを深溝のレインに交換し、青木孝行選手に交替。こちらは雨のパフォーマンスもまずまずで、全車がピットインを終えた時点ではトップに返り咲き、再度独走を展開することになった。
だが、レース終盤、雨が小止みになったところに、この日のレースを大きく左右する分岐点があった。
後方から追い上げているのであれば、猛チャージを期してドライタイヤに交換する場面だったが、トップを独走中。しかもADVANのレインタイヤは雨が少なくなっても、それなりのペースで走れるポテンシャルがあったことも、判断に影響を及ぼしたのかも知れない。
終盤にドライタイヤに交換するタイミングを逸してしまい、「ダイシン アドバン Ferrari」は3台にパスされ4位でチェッカー。
必勝態勢を期して臨み、それに手を掛けていただけに、悔しさは容易に想像出来る。だが、これもレース。見事なパフォーマンスが健在なら、そしてその悔しさをバネにすれば、次回の活躍は保証されたようなものだ。
優勝こそライバルに奪われたものの、ADVANユーザーは、「アップル・K-one・紫電」の加藤寛規/吉本大樹選手組と「JIMGAINER ADVAN F430」の田中哲也/平中克幸選手組が2位、3位で表彰台を獲得。
ウェットでのパフォーマンス不足に苦しみながらも、終盤、スリックに交換しての猛チャージが、この好結果に繋がった。特に、前回優勝した「アップル・K-one・紫電」は、これでランキングでも3番手に浮上。
今回の5位入賞で逆転トップに立った「ウェッズスポーツIS350」の織戸学/片岡龍也組や「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7」の谷口信輝/折目遼組とともに、ウェイトハンディと戦いつつ王座を目指すことになった。
【今回の成績 : GT300クラス 4位】
ウェットになっても後続車を引き離すだけの速さはあったんです。パフォーマンス的には勝てるレースだったんですが、雨が止んだときにスリックに換えるかどうかの判断を迫られ、それが遅れてタイヤ交換ができなかった。
結果論になるけど、スリックに換えていれば勝てたと思います。それだけに悔しいですね。
装着していた深溝ハードのレインタイヤは、雨が少なくなってもそこそこ走れるし、ドカっと雨になってもいけるものだったんです。
ウェットでもライバルのポルシェは速かったので、雨になれば追いつかれるかも、と思っていたんですが、意外と追いついてこなかった。タイム差も30秒くらいあったから、これで逃げ切れると思ったら、今度は雨が上がって…。本当に残念でしたね。
今回のタイヤはセパン用を進化させたものです。実はセパンとここSUGOは、レンジ(温度域)だけでなく路面のシビアリティなども似ているのです。
セパンではリア用に新しい構造をトライしましたが、それが好評だったので、そのまま今回も採用しています。
ただ「HIS ADVAN KONDO GT-R」はウェイトハンディが大きすぎて、予選でもスーパーラップに残れるかどうか微妙…、と思っていましたが、予選で4番手、スーパーラップでは3番手タイムをマークするなど、嬉しい誤算でした。
決勝でも、ドライタイヤのパフォーマンスは充分で、ウェイトハンディを感じさせないほどでしたね。
ただ、レインは厳しかった。岡山では充分なパフォーマンスを発揮出来ましたが、今回のように路面温度が高くなった状況では、パフォーマンスが足りませんでしたね。ここまでの温度域に対応出来るレンジも用意する必要がありましたね。
GT300も同じです。ドライでは「ダイシン アドバン Ferrari」がポールを奪い、レース前半は独走状態でしたが、レインに交換するタイミングとレインタイヤのパフォーマンスで後れを取ってしまいました。
それでも、「アップル・K-one・紫電」と「JIMGAINER ADVAN F430」が表彰台に残り、ランキングでもトップ3を占めることになりました。
次回の鈴鹿まで獲得ポイントに対するウェイトハンディの係数が2のままで、ランキング上位にとっては厳しい戦いが予想されますが、今回のように、ウェイトハンディを感じさせないタイヤを用意して、ADVANユーザーのタイトル獲得をサポートしていきたいですね。