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CIVIC INTER Round 7
開催日程
2009年11月8日(日)
開催場所
ツインリンクもてぎ(栃木県)
天 候
曇り
路 面
ドライ
決勝周回数
14周
(コース : 4,801m)
参加台数
10台
(タイヤはADVANワンメイク)
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ついに最終戦を迎えた、ホンダエキサイティングカップ シビックインターシリーズ。その舞台はツインリンクもてぎだ。

ここまで6戦に渡って激しい戦いを繰り広げてきた結果、チャンピオン候補はふたりに絞られた。そのふたりが、ここまで勝ち星を分け合ってきたトモアキ選手、そして松井隆幸選手であるのはもう明らかだろう。
そして、両者の差は8ポイント。仮に松井選手に優勝を許しても、トモアキ選手は8位でゴールすれば初のインターシリーズタイトルを手にすることができ、かなり精神的にも有利な立場といえる。
逆に絶対に禁物なのはリタイア。これがあると大逆転、すなわち松井選手の2連覇も不可能ではなくなってくる。

一方、ランキングの3位争いも熾烈で、後藤比東至選手に小林康一選手が2ポイント差、そして太田侑弥選手がそこから10ポイント差で続いている。
すでに西日本シリーズの連覇を決めている小林選手が、そのポジションを最も欲しているのは明らか。もちろん、後藤選手や太田選手はホームコースで小林選手に敗れるわけにはいかず、この戦いも熾烈に繰り広げられそうだ。

レースウィークはコンディションに恵まれ、天気予報が告げる降水確率は極めて低い。どうやら、戦いに水を差されることはなさそうだ。
予選でまず注目されたのは、トモアキ選手の全戦ポールポジション獲得が達成されるか否か。しかしながら、松井選手もこの一戦に備えて、やはりもてぎで行われた東日本シリーズ最終戦に出場。もちろん優勝して、コース攻略に成功している。そのマージンは少なからずあったようだ。

トモアキ選手、松井選手ともアウトラップに加え、もう1周をウォームアップに充てて、じっくりタイヤに熱を入れてからアタックを開始。さっそくトモアキ選手がセクター1で最速タイムを記すが、続くセクター2のタイムが今ひとつ。実はS字で姿勢を乱していたのだ。これがトモアキ選手のリズムを崩してしまう。
一方、その周に2分10秒848をマークしてトップに立った松井選手は、これで十分とばかりに計測時間を7分残したところでピットに戻る。
普段ならば、早めにアタックを切り上げるトモアキ選手も、「半ば意地にもなりました」と周回を重ね続けるが、松井のタイムをなかなか上回れず。20分の計測をフルに使ってなお、11秒063をマークするのがやっとで、2番手に甘んじた。

「やりました、全戦ポール阻止に成功!
本当はもてぎが苦手だったんですが、いつまでもそう言っていられないからレースに出て、ずいぶん克服できたというか、このクルマや僕の限界というところまで攻めることができました。せっかくポールが獲れたんだし、チャンピオンはまだまだ諦めませんよ」と松井選手。
3番手は小林選手が獲得し、太田選手と後藤選手を従える。今のところランキング3位の座に最も近い位置にいるのが、小林であるのは間違いない。

秋晴れとまではいかなかったものの、コンディションに恵まれた決勝レース。今回、併せて行われるのは人気のSUPER GT、それもタイトルがかかった最終戦とあってスタンドには大観衆が。注がれる熱い視線がドライバーたちの気合を盛り上げることとなった。

ポールシッターの松井選手が好スタートを切って、先頭で1コーナーに飛び込んでいったのに対し、トモアキ選手はやや出遅れてしまう。これを好機とばかりに攻め立てたのは小林選手。1コーナーで横に並び、トモアキ選手を抜き去って2番手に浮上する。4番手、5番手は太田選手、後藤選手がキープ。

オープニングラップのうちに松井選手が逃げのモードに入ったのに対し、2番手が激しく争われる。小林選手をリーダーに4台が縦一列。間隔が広がったり縮まったりを繰り返すものの、それぞれ致命的なミスを犯さず、なかなかポジションは動かない。
そんな中、10周目に一台がスローダウン。どうやら2番手を争っていた車両のようだが、遠巻きにはどのクルマか、判断がつかず。しばらくしてモニターにクローズアップされたのは、トモアキ選手のマシンだ!

いったんはコース脇に止めようとしたトモアキ選手ながら、順位を落としたとはいえ8番手につけていたことから、レース続行を決意。明らかに本調子ではないマシンをなだめすかしながら周回を重ねる。
この段階では同ポイントに留めた格好ながら、シビックレースの特別規則により軍配は松井選手に上がってしまう。せめて、あとひとつ・・・。あるいは誰かリタイアでもしたならば。

しかし、他力本願でどうなるはずもないのは、他ならぬトモアキ選手も熟知していること。シビックインターシリーズのレベルの高さが、トモアキ選手の執念をも打ち砕いた。
その光景をミラー越しに見た松井選手も衝撃を隠せなかったのか、ペースが鈍る。いや、全ドライバーのペースが。次は我が身かもしれないと、身構えてしまったのかもしれない。

何とか逃げ切って3勝目をマークした松井選手が、2連覇を達成! そして2位でゴールの小林選手がランキングの3位を獲得する。
トモアキ選手の後退で、太田選手以下がひとつずつ順位を上げてフィニッシュ。
レース後に、トモアキ選手を支えてきた牧田克哉エンジニアが「ミッショントラブルです。4速以外すべて入らなくなったそうです」と、無念の思いを代弁するかのようにつぶやいた。

まさか、まさかの結末となったシビックインターシリーズ。
こんなシナリオなど、考えて作れようはずもない・・・。
Driver's Voice
松井隆幸 選手
 【今回の成績 : 優勝】
こんなことってあるんですね!
諦めちゃいけない、やったらできるということなんでしょう。自分でも信じられないし、まわりもビックリしたんじゃないでしょうか。まさかこんな展開になるなんて。
実感はまったくないです。せめてトモアキ選手が3位とか4位でゴールしていたら、『優勝した!』って実感はあったかもしれないけれど、ミラーにスローダウンしている様子が映ってからは・・・。
今回はいろいろジンクス担ぎました。いいことあった時のことは、それを続けるとか。例えば、シューズは同じ方から履くとか、同じところで食事するとか、そんなことなんですけど、けっこうこだわりましたから、ひょっとしたら効いたのかな。
でも、たぶん来年ゼッケン1を背負って、また走ることはないと思います。クルマが売れてしまったので。
それでも何らかの形でレースは続ける予定です。
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