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HOME / MOTORSPORTS / WTCC 2008 / Round 21 and 22 News Index
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WTCC Round 21&22
開催日程
予選 : 2008年10月25日(土)
決勝 : 2008年10月26日(日)
開催場所
岡山国際サーキット (日本)
天 候
第21戦 : 曇り
第22戦 : 曇り
路 面
第21戦 : ウェット
第22戦 : ウェット
決勝周回数
第21戦 : 14周
第22戦 : 14周
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横浜ゴムのADVANブランドが誕生して30周年の今年、世界最高峰のツーリングカーレース「WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)」が遂に日本初上陸を果たした。
舞台となるのは岡山国際サーキット。当地では1994年から1995年にかけてF1・パシフィックグランプリを開催して以来のFIA世界選手権レースである。

10月から11月にかけて日本ではF1、WTCC、WRCとモータースポーツの三大世界選手権イベントが立て続けに開催される。
その中では最も後発のWTCCであるが、前売り観戦券も好調な売れ行きを見せてモータースポーツファンからの関心の高さを伺わせていた。

ヨーロッパラウンドを終えて日本、そして最終戦マカオグランプリとアジア地区にやって来るWTCC、レースウィーク前週の金曜日には空路で関西国際空港にマシンやパーツが到着、サーキットへと搬入された。
そして木曜日には各チームもサーキット入りを果たして戦いに向けた準備を整える。迎える側になるサーキットはもちろん、地元・岡山県美作(みまさか)市も歓迎ムード一色。同夜、市内の湯郷温泉ではウェルカムパーティが催され、美作市長らがドライバーをはじめとしたチーム関係者と懇親を深め、伝統芸能なども披露されて親睦を深めた。

金曜日には初開催コースということでテスト走行が30分間行われた。10月下旬とは思えない暖かさに包まれた中、アウグスト・ファルファス選手が1分38秒371でトップタイムをマーク、これに0.132秒遅れでアンディ・プリオール選手が続いてBMW勢が好調をアピール。
初のFIA Super-2000マシン走行となったが、量産市販車をベースとした排気量2,000ccのノンターボエンジンを搭載した二輪駆動のマシンながら、タイム的にはスーパー耐久のランサーエボリューションに匹敵する速さを記録した。

土曜日はフリープラクティスが30分×2本行われた後、公式予選が行われる。
ここでなんと全てのセッションでトップタイムを叩き出したのがファルファス選手、予選では1分37秒040にまでタイムアップして、これまで4本の走行枠全てを制する速さを見せた。
また注目の日本人勢ではフリープラクティス2回目でBMWを駆る青木孝行選手が総合3番手を獲得。インディペンデント勢としては文句無しのトップタイムで決勝に向けて期待が高まった。

日曜日は早朝に雨がコースを濡らした。ゲートオープンとなる午前7時は雨足も弱まったものの、終日サーキットは灰色の雲に覆われる生憎のコンディション。時折雨粒が空から落ちて来ると、観客席では傘の花が開くが、雨が本降りにならなかったのはファンにとって幸いだった。
しかしコースは全域が一定の濡れ方をしているわけではなく、シビアなコンディションに。ADVANレインタイヤの実力が試されるステージとなった。

グランドスタンドはもちろん、1〜2コーナースタンドや、コースサイドに多く観戦ポイントのある岡山国際サーキット、その全てを熱心なファンが埋めつくした中、いよいよ午後2時すぎに第1レースがスタート。
ローリング方式でスタートが切られた第1レース、WTCCらしい1コーナーへの飛び込み合戦が見守るファンの期待を裏切らないエキサイティングな展開となる。ここでポールからスタートしたファルファス選手は、シボレーのアラン・メニュ選手や、同じBMW Team Germanyのヨルグ・ミューラー選手らと接触して大きくポジションダウンを余儀なくされる。また、予選3番手タイムながら前戦・モンツァでのシケインショートカットに対するペナルティで5グリッド降格となり8番手スタートとなったガブリエレ・タルクィーニ選手も混乱に巻き込まれてコースオフ、WTCC日本緒戦は波乱の幕開けとなった。

これでトップに立ったのはヨルグ・ミューラー選手となるが、激しい追い上げを見せたのがセアトのリカルド・リデル選手。5番手スタートからスタート直後の混乱を巧みに回避、レースが折り返すころにはトップを行くミューラー選手の背後につけた。
なおもプッシュを続けるリデル選手に対して、ミューラー選手も必死に防戦。しかしミューラー選手よりも10kg重いサクセスバラストを搭載するにも関わらずリデル選手が速さに勝り、10周目を迎えると両者は完全なテール・トゥ・ノーズ状態に。
そして遂に11周目にリデル選手がトップを奪い、記念すべきWTCC日本初レースのウィニングチェッカーを受けることに成功した。
この結果、セアトが3戦を残しながらマニュファクチャラータイトルを確定させた。

インターバルをはさんで迎えた第2レースは、路面コンディションの判断がチームによって分かれた。BMW勢の一部チームなどがスリックタイヤでコースイン、勝負を賭ける。またトム・コロネル選手のセアトはフロントにスリックタイヤ、リアにレインタイヤを装着していたが、この選択の違いが勝負を大きく左右する要因となった。
フォーメーションラップがはじまり各車がグリッドへ向かうが、なんとここで青木孝行選手のマシンが駆動系トラブルに襲われてまさかのコースオフ、残念ながら戦わずしてレースを終える悔しい結果に。

ポールポジションについたのは第1レースを8位でフィニッシュしたセアトのガソリンエンジン車を駆るトム・コロネル選手、これにランキングトップのイヴァン・ミューラー選手が続いてセアトがフロントローを独占。好調な週末を過ごしながらもアクシデントで第1レースを悔しい結果に終えているBMWのファルファス選手が3番手から巻き返しを図る。

スタンディング方式の第2レース、好調な出だしを見せてトップを奪ったのはセアトのティアゴ・モンテイロ選手。しかし5周目にコロネル選手が再びトップを奪うと、モンテイロ選手は徐々にポジションを下げて、最後はステファノ・ディアステ選手と絡んでリタイアを喫してしまった。この接触についてはディアステ選手にペナルティが課せられ、マカオグランプリの5グリッド降格処分が下された。

レースはコロネル選手がトップを快走するも、猛烈に追い上げてきたのがファルファス選手。終盤両者はテール・トゥ・ノーズの激しい攻防戦を展開、コースサイドのファンも世界トップレベルの好バトルに思わず歓声を上げてヒートアップ。
ファルファス選手の執拗なプッシュを巧みに抑えたコロネル選手が僅か0.097秒差で優勝を飾り、今季セアトのガソリンエンジン車に初優勝をもたらすとともに、自身も嬉しいWTCC初優勝を手中におさめた。
そして3位表彰台を獲得したはインディペンデントのセルジオ・ヘルナンデス選手。インディペンデント今季9勝目を飾り、最終ラウンドを待たずしてYOKOHAMAインディペンデントトロフィー獲得を確定させた。
Engineer's Voice
渡辺 晋  
WTCC日本初開催となった今回のレースは、とても難しい路面コンディションになりました。第2レースではチームも、レインとスリックどちらのタイヤでスタートするか大いに悩んでいたようです。
タイヤの面ではレインタイヤとスリックタイヤ、それぞれの使える領域が幅広いということを確認することが出来ました。この点は大きな収穫となりました。

特に第2レースは本当に難しいコンディションで、チームのエンジニアからもコースインした後に「スリックとレイン、どちらが正解なのか」と聞かれました。さらに「お前がチーム監督だったらどうする?」と聞かれたので「自分だったら、スリックで勝負に行くでしょう」と答えました(笑)。

日本で初めてのWTCC、決して良い天気ではなかったのですが大勢の方がサーキットに足を運んでくれたことは、本当にありがたいですね。私はシリーズ全戦をまわっていますが、年間で見ても観客の数は多い方ですね。
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