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55th. Macau GP Inter F3
開催日程
予選 : 2008年11月15日(土)
決勝 : 2008年11月16日(日)
開催場所
マカオ市街地コース (マカオ)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
決勝周回数
予選レース : 10周
決勝レース : 15周
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83年にF3マシンで戦われるようになって以来、マカオグランプリは、そのシーズンのF3の総決算。F3レースは世界共通の車輌規則で戦われるインターナショナルフォーミュラで、各国のシリーズではコントロールタイヤ制が導入されているが、タイヤさえ交換すれば、同じマシンで別のシリーズにも参戦できるのが大きな特徴でもある。

その肝となるコントロールタイヤだが、このマカオグランプリでは1983年以降、ADVANが連続で大役を務めており、昨年は25周年を迎えたのは記憶に新しい。
コントロールタイヤと言っても毎年のように進化を続けてきたADVANだが、今回は環境対応の素材を原料として投入すると同時に、よりタレを少なくし、グレーニング対策も施すという大幅なモデルチェンジを行っている。

規則で3年に一度と定められているF3マシンのフルモデルチェンジイヤーにあたる今年、ダウンフォースの制限があるために3年前に記録されたレコードタイムを更新することは出来なかったものの、多くのドライバーが、それに近いタイムをマークして進化を数字で現した。

フリープラクティスから速さを競い合った全日本F3王者のカルロ・ヴァン・ダム選手と国本京佑選手という、日本のトムス勢が予選でフロントローを獲得。
土曜日の第1レースはこの2人が明暗を分ける形で始まった。ポールシッターのヴァン・ダム選手がホイールスピンで出遅れたのに対して、2番手スタートの国本選手は絶妙の好ダッシュを見せトップに立った。
国本選手はそのままトップでストレートを駆け抜けて、スタート直後には多重クラッシュが発生することの多いリスボアコーナーへと向かう。モルタラ選手を従えて山側のセクションへと入っていったが、その後方では幾つか多重クラッシュが発生。いきなりセーフティカーがコースインすることになった。
ポールスタートのヴァン・ダム選手も、その多重クラッシュの災難にあった一人で、結局、オープニングラップを走り切ることなくリタイアとなる。

中盤には3番手スタートのエドアルド・モルタラ選手がペースアップ。6周目の山側のセクションで国本選手との差を詰めてきたモルタラ選手は、海側のストレートで背後に食らいつくと、スリップストリームを使ってリスボアコーナーまでに国本選手をパス。以後はモルタラ選手がレースをコントロールすることになった。
一方、2位に下がった国本選手は、一時は3位集団にも迫られたが、最後の最後までスロットルを緩めることなくプッシュ。結局、そこからポジションを落とすことなくチェッカーを受けた。


日曜の午後にメインレースとして行われた決勝レースも、国本選手とモルタラ選手の一騎打ちとなった。2番手グリッドからスタートした国本選手が、抜群のダッシュを見せてトップを奪ってレースがスタートする。一方、ポールスタートのモルタラ選手は巧みにスリップを使い、マンダリンベンドで国本選手の横に並ぶと、リスボアへのアプローチも併走し、トップの座を入れ替えて立ち上がっていった。

土曜日の予選レースと同じく、この決勝レースでも、オープニングラップのリスボアでは後続集団に多重クラッシュが発生し、早くもセーフティカーがコースイン。オープニングラップはモルタラ選手を先頭に一列縦隊で通過していく。

2周目終了時点でセーフティーカーがピットに向かいレース再開となるが、モルタラ選手の直後、巧いタイミングでリスタートを切った国本選手は、マンダリンでスリップから抜けると、トップでリスボアに飛び込み、トップ逆転に成功した。
この周、リスボアへのアプローチでミスしたモルタラ選手は、ダニエル・カンポス・ハル選手とジェイミー・アルグエルスアリ選手にもかわされ、一時は4番手まで後退したものの、やはり速さではアドバンテージがあったようで、再度ポジションアップ。6周目には2位に復帰した。

この時点で国本選手のアドバンテージは2秒半ほどあったが、7周目に再度セーフティカーがコースインし、彼のアドバンテージはなくなってしまう。
だが、9周終了時点でセーフティカーがピットに向かいリ・スタートが切られた瞬間、国本選手は、まさに脱兎のごとく集団を抜け出すことに成功。1周回ってくる間に2秒近いリードを築くことになる。

その後、モルタラ選手が再度プッシュしたものの、これを振り切った国本選手は嬉しいトップチェッカー。
日本人ドライバーの優勝は、佐藤琢磨選手に次いで2人目だが、今回の国本選手は初参戦初制覇。トムスチームとしてもこれでマカオは2連覇となり、昨年に続き、世界に向けて全日本F3選手権のハイレベルさを、改めて証明することになった。
Driver's Voice
国本京祐選手  
 【今回の成績 : 決勝レース 優勝】
優勝できて、本当に嬉しいです。もちろん出るからには勝つことを目標にしているのですが、正直言って出来すぎのような気もします。
マカオは初めてですが、来るまでにビデオで何時間も、何百回も見て、特にセーフティカーが出た時と、リ・スタートに関しては充分すぎるほど研究しました。だから昨日もそうでしたが、リ・スタートはすべて成功で、良い流れを持続させることが出来ました。
2回目のセイフティカーで2位とのギャップがゼロになったんですが、それでも「次のリスタートで引き離してやるんだ!」と思いながら集中できました。レース中は最後まで集中していたのですが、その反面でレースを楽しむこともできました。
チェッカーを受けてから嬉しさがこみ上げてきましたが、表彰台に昇って君が代が流れた時には感激しましたね。
Engineer's Voice
渡辺 晋  
ADVANではドイツのF3シリーズにコントロールタイヤを供給していますが、それはマカオ用とは違ったタイヤなのです。1983年から供給を始めたマカオ用は、マカオのために特別にチューニングしたもので、もちろん最新のデータを入れてありますが、マカオ専用として進化しています。
今回は環境対応が主な課題でしたが、どうせ変えるなら一緒にということで、タレが少なく、グレーニング対策も施しています。今年1年間、様々なタイヤで培ってきた最新の技術を投入した、言うならば"2008年シーズンの集大成"的なタイヤになっています。
最近では、各チームのレベルが上がってきて、ますますシビアな闘いになっていますが、それはタイヤも同じです。ライバルと戦うのと違ってコントロールタイヤの場合は勝ち負けはないですが、全ドライバーから"不満のでないタイヤ"を目指しています。
ドライバーやチームだけでなく、レースが成功裏に終わって主催者も含めて"笑顔で終われるレース"になると、初めて達成感を味わうことが出来ますね。
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