4月に九州で開幕した2007年の全日本ラリー選手権もいよいよ最終戦。その舞台は愛知県の新城市、「新城ラリー2007」が一年間の締めくくりとなる。
新城では昨年まで中部地区の地方選手権が開催されてきたが、今年は全日本戦への昇格を果たしての初開催。
愛知県の東部、静岡県との県境に位置する新城市は桜や紅葉が美しい風光明媚な土地であり、また「長篠・設楽原の戦い」に由来して市章が戦国時代の「兜」をモーチフとしていることでも知られている。
この街には横浜ゴムが二つの生産拠点を構えており、古くからモータースポーツとの縁も深い土地柄だった。そして2007年、「地域再生プラン」が内閣総理大臣の認定を受け、行政や地元経済界、競技主催者各位の努力が実って認定第一弾のイベントとして今回のラリーが開催されることになった。
横浜ゴムにとっても地元ラリーとなる「新城ラリー2007」、ファンサービスとしてSUPER
GTでもお馴染みのフェイスペインティングブースやADVANグッズを販売するブースを設けるなどして大会をバックアップ。
ラリーショーでは司会をつとめた田口幸宏選手がファンを抽選でADVANランサーのデモカーに招き、桜淵公園の特設コースでデモランを行なうなど、多くの市民やモータースポーツファンにラリーを楽しんで頂いた。
さて、競技の方は昨年までの中部選手権時代と開催地域こそほぼ同じターマック路面だが、距離が大幅に伸ばされているために各チームにとってはデータの少ないラリーとなった。
金曜日のセレモニアルスタートを経て土曜日の朝から本格的に競技となるが、金曜夜半に降った雨の影響で路面はスタート時点でウエットコンディション。時間経過とともに徐々にドライに転じるという難しい展開になった。
ADVAN勢はドライならば今年発売開催となったADVAN A050を装着する予定であったが、ウエット路面を重視してJN-4クラス勢はADVAN
A048をチョイス。
まずは9.41kmのSS1「雁峰Short」。ここでいきなり好走を見せたのがランサーの徳尾慶太郎/枝光展義選手組。堂々のファーストSSトップタイムでラリーリーダーのポジションに立つ。
続くSS2では逆転を許すも、SS3以降もセカンド、サードベストをマークしてトップを走る選手を追いかけていく。
前戦・ハイランドマスターズを制した奴田原文雄/小田切順之選手組はセッティングが合わずに序盤では苦戦を強いられる。1回目のサービスで調整してようやく本来のパフォーマンスを取り戻すと、SS4「愛郷本線
2」でベストタイムを奪う。
初日レグ1を終えての順位は徳尾選手が2位、奴田原選手は4位、そして5番手には大庭誠介/高橋巧選手組がつけた。
明けて11日(日)のレグ2。残念ながらこの日もスタート前に雨が路面を濡らし始めてコンディションは完全なウエット。ターマックではあるが道幅は狭く、荒れた路面状態。さらに雨が多くの"濡れ落ち葉"を産み、これも攻略を難しくする大きな要因となった。
そんな中で猛追を見せた奴田原選手はレグ2最初のSSとなる5.18kmの「大平1」でベストタイムを叩き出すと3番手にポジションアップ。次のSS8「ボーイスカウト1」では徳尾選手がステージ2番手タイムを出して、ADVAN勢の速さを大いに見せつける展開に。
勢いは留まることなく奴田原選手はSS9からSS12まで4連続でベストタイムをマーク、徳尾選手をかわして2番手までポジションをアップ。
惜しくも優勝には一歩届かなかったものの、これまでの自己最高位だった6位を大きく上回る3位フィニッシュを飾った徳尾選手とともに表彰台を飾ることに。
そのほか、JN1クラスでは明治慎太郎/漆戸あゆみ選手組が総合でも15位に入るクラス2位、小泉茂/小泉由起選手組がクラス3位を獲得。3位に入ったドライバーの小泉茂選手は横浜市の「
タイヤガーデン旭」で店長をつとめており、今回は夫婦参戦での嬉しい表彰台となった。
JN3クラスでも仲鉄雄/川北幹雄選手組がクラス3位表彰台を飾り、総合や各クラスの表彰式ではADVANキャップを被った多くのクルー達がその栄誉を讃えられた。