2005年よりアジアパシフィックラリー選手権(APRC)と全日本ラリー選手権のダブルタイトルで開催されている「Rally Hokkaido」。
　
APRCとしては全7戦のシリーズの折り返しとなる一戦であり、前半戦を締めくくりつつ後半戦の戦いに向けて勢いをつけるために重要な一戦となる。
一方の全日本戦としてはAPRCと同一コースで争われるために、全日本ラリー選手権としては破格のトータル200kmオーバーのSSで優勝争いが繰り広げられるシリーズ屈指のタフな戦い。
タイヤにとってはトラクション性能やコントロール性能だけでなく、耐久性も問われることとなり、総合性能がより重視されるラリーと言えるだろう。
　
金曜日には「ばんえい競馬」でその名を全国に知られるようになった帯広競馬場でセレモニアルスタートを開催。実に1万人もの市民やラリーファンが会場を訪れ、ラリーマシンを間近にした。
クルーたちも矢継ぎ早のサイン攻勢に応えるなどファンサービスに大忙し。
そして千発の花火が夜空を彩り戦いの幕開けを告げ、スタートランプから1台ずつ大きな声援に見送られて盛り上がった。
　
グラベル戦に突入して好調を保つADVANユーザーだが、今回のラリーでも速さを見せつけた。
前戦、宮崎での全日本戦で3位表彰台を獲得した奴田原文雄選手は、、ADVAN A035の205/65R15 Mコンパウンドを選択して出走。　
その奴田原選手を追いかけたのが前戦でも優勝争いを繰り広げた炭山裕矢選手だ。こちらはADVAN A035の205/65R15のSコンパウンドをチョイスしたが、これはドライビングスタイルやクルマの違いに依るところが理由のようだ。
　
SS1で奴田原選手がベストをマークすると、続くSS2では炭山選手がベストを叩き出し、序盤からADVAN勢が圧倒的な速さを見せつける。
炭山選手はSS6でトラブルに見舞われて順位をドロップしてしまったが、奴田原選手はSS3からSS5までベストタイムを独占、SS8でもベストをマークしてレグ1をなんとAPRC勢を含むオーバーオールのトップタイムで終えた。
　
日曜日になって競技はレグ2に入る。
大量リードを背景に快走を続けた奴田原選手は後半でペースコントロール。しかしSS12でオイルクーラーを破損してしまい万事休すとなってしまった。
　
炭山選手はレグ1でロスした分を怒濤の追い上げでリカバリー。
最終的に3位までポジションを回復し、宮崎に続いて2戦連続でポディウムの一角を占めることに成功した。
また4番手にはランサーを駆る岩下英一選手が食い込み、全日本戦はADVAN勢が3位と4位を獲得した。
　
一方のアジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)でもCUSCOからエントリーする柳澤宏至選手が大活躍。
レグ2で4速の入りが悪くなったという連絡を受けて、チームは僅か20分間のサービスタイムでミッション交換を行うことを決断。
予定では25分の作業時間を見ていたが、メカニックの見事な連係プレーで実作業なんと19分ほどで交換を終え、ペナルティを受けることなく戦列に復帰。
　
柳澤選手はフレッシュになったミッションで終盤のSSを攻略、見事4位でフィニッシュを果たしAPRC後半戦に向けてますます期待が高まる戦績をおさめた。

最初からA035の205/65R15のMコンパウンドを選択してスタートしています。
特に気温が上がってから素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれましたから、タイヤに関しては頭を悩ませる必要はなかったですね。全然摩耗に関しても問題はなかったです。
ただ路面状況はかなり悪かったので、クルマをあまり振らず、バーストしてしまいそうな石は確実に避けました。