予選でのアクシデントがタイムアタック前だったため、決勝は14番グリッドからスタートを迎えた塙選手。
現地時間の4月13日午後1時半にスタートした決勝、序盤はブレーキの問題もあるので慎重なレース運びを見せたが、一方で塙選手とともに優勝候補に数えられていたマシンたちが次々とトラブルから戦列を離れていき、20分を経過した時点で塙選手がトップへと躍り出る。
3輪ブレーキ状態というハンデを背負う中で、塙選手は予選上位に相当する好タイムでラップを重ねていく。3時間の決勝はピットインも自由であり、燃料補給や修理でドタバタするチームも多いのだが、塙選手のマシンはより長丁場となるBaja1000仕様のため燃料給油は必要なく、ブレーキの問題以外にトラブルも発生しなかったことから、ノンストップで3時間の決勝を走りきった。
途中では激しい追い上げを受ける場面もあったものの、そこは塙選手が豊富な経験を活かして主導権を手放すことなく、レースを完全にコントロール。最終的には後続に3周の大差をつけて3時間を走りきり、堂々の総合優勝を獲得した。
この優勝について、塙選手は勝因を次のように分析する。
「右のリアブレーキが無いということでマシンは完全な状態ではなかったので、序盤の激しいトップ争いに絡まずペース配分を上手く整えるレース運びを実践しました。その結果、ノートラブルで走りきれたことが総合優勝につながりましたね」
塙選手の優勝は現地グアムでも大いに讃えられ、翌日の地元紙朝刊では一面に大きく写真入りで採り上げられた。
また、同じGEOLANDAR勢ではグアム最大の自動車販売会社のチームがフォード・ラプターに装着して4WDオープンクラスの3位入賞を飾り、市販車ながら好走を披露。クラス2番手にもGEOLANDARを装着する新潟LIMIT-TACOMAが入り、GEOLANDAR勢がクラス上位を独占した。